この質問にあたっては、私自身も以前、部活動における顧問の暴力行為を耳にし、その改善に取り組んだことがあり、そこで以前から、鈴鹿市も本腰を入れて、中学校部活動と地域の連携を見直すべき時期ではないかと考えており、実際にそのことを非公式ですが懇談等で話していたこと中で、各地での体罰と表される暴力行為についての動きを見て、ここが動くポイントと考えました。
過去5年間の鈴鹿市立中学校の部活動における暴力行為について、教育委員会からは3件の報告とありましたが、私は相当数が潜在していると考えした。その理由は、学校や教育委員会という組織の内部の課題、また別の要因として、子供も親に話しにくいという状況や、保護者自身も是認している部分や学校に気を使う部分などの外部の課題があると考えるからです。
このような今の部活動が抱える課題、部活動による教員の負担なども含めてを改善するためには、もっと踏み込んだ形で外部や地域の視線を部活動に入れることが必要ではないかと考え、質問を構成しました。
「部活動と地域の連携」についての論点は、
<部活動の指針策定> と
<文部科学省事業の活用> です。
まず
部活動の指針策定という考えについて、学校と保護者が共有できる部活動の運営指針を鈴鹿市として持つことが必要と考え、先進事例として平成22年に横浜市教育委員会で策定された「部活動の指針」と、それに基づいた「部活動ハンドブック」を参考にして、鈴鹿市が行うにあたっては、外部の有識者及び関係団体・地域のスポーツ指導者・保護者の代表等からなる検討委員会を早急に立ち上げ取りくむべきと提案しました。
部活動ハンドブック
答弁では、2月26日に国の教育再生実行会議から出された提言を受け、今後文部科学省から出されるであろうガイドラインや指針の動向を見て、指針やハンドブックを作成する方向で検討したいということでした。ですので、質問意図はある程度は伝わっていたのではないかと考えます。
しかしこの答弁について、地域主権の流れや自治の考えからすれば、国の動向を待たず、独自で取り組むべきではないかということを意見しました。
次の論点である
文部科学省事業の活用について、この事業を知る前から、私は部活動と地域の連携について、自分なりの考えを持っていました。それが次の図になります。
図を見て頂くと、だいたいの考えをわかっていただけるのではないかと考えます。この考えについての論点は、この形で考えたとき、学校での教育活動としての部活の領域においては、多様な種目などへの生徒の参加機会の創出と増加が期待され、また、教職員の負担を軽減することにもつなげられると考えます。地域コーチを活用する領域では、教職員の技能の有無にとらわれず部活を運営することができ、生徒の競技力向上や多様な可能性へのアドバイスなども地域間連携の部分ではかることができると考えるということです。
この考えを持ちながら、文部科学省に地域と部活動の連携について、なにか取り組みはないかということを尋ねたところ、文部科学省のメニューに「運動部活動地域連携再構築事業」があることを教えて頂きました。
文部科学省 : 運動部活動地域連携再構築事業
この中で、市町村等教育委員会が対象となっているのが、「新しい形態及び運営による運動部活動の活性化について」です。
こちらも画像を見て頂くとお判り頂けるかと思いますが、外部の有識者及び関係団体・地域のスポーツ指導者・保護者の代表等からなる「地域実践研究協議会」を設置して取り組むというは、先に述べた指針策定とも関連付けられるので、意義のあることだと考え提案したのです。
この問いに対する答弁の主旨は、基本的には国事業は積極的に活用したいと考えているが、現時点においては、学校現場のニーズや協議会の設置など学校現場への負担を考えると慎重にならざるをえない。部活動は、学校教育活動の一環であるから、学校長の指導のもと教員が中心となって取り組んでいきたいということでした。
この答弁については、ヒアリングでの伝えたことが伝わり切っていなかったこと、また、閉鎖的な教育委員会や学校体質に切り込めなかったことが、自分として煮え切らない部分としてあります。
協議会の設置については、各学校ごとにではなく市全体としてですので学校現場の負担はないはずです。また、学校現場のニーズという考えについては、学校現場が自分たちにとって都合の良い領域だけ、地域の協力を求めるという考え自体が問題で、地域に開かれた学校やコミュニティスクールという考え方からすると、教育委員会のご都合主義に聞こえるのではないでしょうか。
学校長のもと教員中心でという考えについては、そもそも今までそれで解決できているのであれば、現在起こっているような問題は発生していないはずでしょう。外部の視点を学校内に取り入れることで、多様な視点が存在するようになり、ひいては学校そのものが活性化するのではないかと考えます。
最後に、自分なりのシステムを考えた背景は、学校の問題を解決することが主眼ではなく、子どもたちが楽しく部活動に参加できること、また、そこで自分たちの可能性を公平な環境で伸ばしていけるようにということです。
公立中学校に進む子供たちは、自分の意志で学校を選択することはほぼ無理であるのに、進んだ先の公立中学校の部活の成績次第で、その先の高校進学の際、如実に差が生まれている現状について、学校の先生方はどのように考えるのでしょうか、教育委員会は公平性をどう考えるのでしょうか。
そのことを解決してこなかった組織が、解決できるはずがないと思うのは、行き過ぎた考えでしょうか。
これからも、教育委員会等に働きかけていきたいと考えています。