ゲゲゲの女房 覚悟！

　「鬼太郎ブームがはじまった」、今週のポイントは＜覚悟＞。
　今週は登場人物たちのいろいろな覚悟が描かれた。
・アシスタント倉田（窪田正孝）の漫画を描く覚悟。
・深沢（村上弘明）の自分が理想とする漫画の編集者としての覚悟。
・郁子（桜田聖子）の仕事に人生を託す女性としての覚悟。

　覚悟を持って生きるということは様々な困難が伴う。捨てなくてはならないものもある。
　倉田の場合はいずみ（朝倉えりか）、深沢は郁子、郁子は深沢。
　人は生きていると目移りしていろいろなものを欲しくなるが、すべてを手に入れることは出来ない。
　たとえば倉田の様に漫画家を目指していれば、経済的につらい生活を強いられる。相手の幸せを考えれば彼女だって作れない。いわゆる普通の青年が味わう青春を捨てなくてはならない。恋人と漫画とどちらを取るかと聞かれれば、「漫画」と言わざるを得ない覚悟。
　郁子の場合は、子供や幸せな結婚生活を諦めなくてはならない。現在はそうでもないだろうが、当時、女性が仕事で生きていくとはそういうことだったのだろう。

　＜覚悟＞
　覚悟をもって自分の生き方を貫いている人は強いな。

　ここで＜覚悟＞の度合いから見た残りふたりのアシスタント評。
　まずは菅ちゃん（柄本佑）。
　倉田や郁子が＜覚悟＞を持って張りつめているとすれば、菅井はゆるい。おそらく＜覚悟＞なんてことを考えたこともないのだろう。
　「ウサギとカメ」で例えれば、倉田たちは＜ウサギ＞で、菅ちゃんは＜カメ＞かな。
　でもカメも侮れない。
　張りつめた糸が切れてしまった時、倉田や郁子は歩みを止めてしまうかもしれないが、その間に＜カメ＞の菅ちゃんは追い抜いてしまうかもしれない。菅ちゃんは案外大物？　漫画の実力はイマイチの様だが、茂（向井理）の様な楽天性は強み。
　そして小峰（斎藤工）。
　最後の最後まで実体の掴めない人だったけど、しっかり＜彼女＞がいて、＜漫画を描けなくても人は生きていける＞と言い切り、＜旅＞に出るため簡単にアシスタントの仕事を辞められる。小峰は懸命に何を成し遂げようとする＜覚悟の人＞ではなく、完全な＜自由人＞なんですね。あるいは何ものにも縛られない＜自由人＞として生きる＜覚悟＞を持った人。
　この三人三様のアシスタントの姿は面白かった。
　僕は菅ちゃんタイプかな。

　最後に布美枝（松下奈緒）。
　彼女は＜茂の妻としていっしょに生きていく覚悟＞を持った人。
　＜仕事＞や＜結婚＞、果たして自分はどれくらいの＜覚悟＞を持って取り組んでいるんだろうと考えてしまった。