艦長の倉本(玉木宏)は言う。
「われわれは死ぬために戦っているのではない。生きるために戦っているんだ」
最近、仕事で戦争に関する本を読んでいるのだが、おそらく当時の軍人で、しかも士官でこの様な発言をする人はいない。
彼らは常に<死>というものを見据え、格闘してきた。
<何のために死ぬのか><何を守って死ぬのか><いかに死ぬか>。
ベクトルはあくまで<死>に向かっている。決して<生>には向かっていない。
現在、われわれは<いかに生きるのか>で迷っているが、戦争中は正反対で<いかに死ぬか>がテーマだったのだ。
この点で「真夏のオリオン」は現代的視点で描かれた作品と言える。
主役の玉木さんや恋人・志津子の北川景子さんなんかも昭和でなく、平成の顔をしていますしね。
作品のモチーフになっている楽曲「真夏のオリオン」も甘い。
♪オリオンよ
愛する人を導け
帰る道を見失わない様に♪
まあ、「君死にたもうことなかれ」という詩もあったくらいだから、こういう思いがあっったとしてもいいだろう。
だが、このメッセージを聞いて潜水艦の人間全員が「生きよう」「帰ろう」と思うのは、物語として甘すぎる。
ラスト、回天の乗組員が「敵駆逐艦に突っ込んで特効攻撃しろ」と迫るエピソードがあったが、艦内でこういう葛藤がもっとあってもいいはず。
この様にこの作品、戦争を描いた物語としては甘く弱いが、倉本艦長の考え方には同意する。
「いかに死ぬか」よりも「いかに生きるか」を考える社会の方がずっと素晴らしいと思うからだ。
「われわれは死ぬために戦っているのではない。生きるために戦っているんだ」
最近、仕事で戦争に関する本を読んでいるのだが、おそらく当時の軍人で、しかも士官でこの様な発言をする人はいない。
彼らは常に<死>というものを見据え、格闘してきた。
<何のために死ぬのか><何を守って死ぬのか><いかに死ぬか>。
ベクトルはあくまで<死>に向かっている。決して<生>には向かっていない。
現在、われわれは<いかに生きるのか>で迷っているが、戦争中は正反対で<いかに死ぬか>がテーマだったのだ。
この点で「真夏のオリオン」は現代的視点で描かれた作品と言える。
主役の玉木さんや恋人・志津子の北川景子さんなんかも昭和でなく、平成の顔をしていますしね。
作品のモチーフになっている楽曲「真夏のオリオン」も甘い。
♪オリオンよ
愛する人を導け
帰る道を見失わない様に♪
まあ、「君死にたもうことなかれ」という詩もあったくらいだから、こういう思いがあっったとしてもいいだろう。
だが、このメッセージを聞いて潜水艦の人間全員が「生きよう」「帰ろう」と思うのは、物語として甘すぎる。
ラスト、回天の乗組員が「敵駆逐艦に突っ込んで特効攻撃しろ」と迫るエピソードがあったが、艦内でこういう葛藤がもっとあってもいいはず。
この様にこの作品、戦争を描いた物語としては甘く弱いが、倉本艦長の考え方には同意する。
「いかに死ぬか」よりも「いかに生きるか」を考える社会の方がずっと素晴らしいと思うからだ。