平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

龍馬伝 第35回「薩長同盟ぜよ」

2010年08月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 薩長同盟締結のために寺田屋を出る龍馬(福山雅治)。
 お登勢(草刈民代)が母として見送り、お龍(真木よう子)が恋人として見送る。
 なかなかの名場面です。

 特にお龍がいい。
 これからは命を狙われる人間になるから寺田屋には来ない。今生の別れ。と龍馬に言われて走っていくお龍。
 お龍さん、そう言われたショックのあまり走っていたのかと思いきや、実は薩摩藩邸の様子を見に行っていた。
 龍馬の役に立ちたかったからだ。そして薩摩の案内役を連れて来て言う。
 「わたしはずっと坂本さんの役に立ちたい。このままおしまいなんて嫌どす。戻ってきて下さい」
 これは龍馬ならずとも惚れますね、お龍さんに。
 まず強さ。
 今生の別れと言われて走っていくだけだったら普通の女性。
 ところがお龍は「役に立ちたかった」と言って危険を冒した。
 乙女姉さんを始め、龍馬は<強い女性>が大好き。
 でもそれだけでは足りない。
 「このままおしまいなんて嫌どす。戻ってきて下さい」と可愛らしい面も見せる。
 芯の強い女性に、しかもあまり気持ちをオモテに出さず自分を拒絶している様な女性にこんなことを言われたら男心はグラつく。
 おまけに必死に自分のために握り飯を握る姿を見せられたら。

 お龍さんは完全にツンデレ女性。
 佐那さんも同じ様な面があるけど、ツンデレではないんですよね。好きを全面に出してきてちょっと重い。
 お元(蒼井優)はある意味したたかで男女のことを知っている分、龍馬は子供扱いされてしまう。
 加尾はあくまで初恋の人だし、これで龍馬の恋愛話は落着!

 薩長同盟交渉のシーンでは龍馬らしさを見せた。
 「薩長はこの国のために粉骨砕身尽力する」
 薩摩の利益、長州の利益のために同盟があるのではなく、日本国のためにあることを示した。
 この考え方を桂(谷原章介)と西郷(高橋克実)がどれくらい納得したかは疑問だが(特に西郷は薩摩の利益を第一優先で考えていたと思うし)、少なくとも同盟のあり方についての発想の転換がなされた。
 私見で言うと、<日本国のため>なんていう言葉はどこか建前で嘘っぽいんですけどね。
 政治とは結局は権力闘争。
 現在の日本国民のためと言っている菅VS小沢の権力闘争を見ていればよくわかる。
 この辺は「わかった」とすんなり桂と西郷に言わせてしまった脚本の福田靖さんはどう考えているのか?
 個人の龍馬が理想を語るのはわかるが、西郷と桂は藩という組織を背負っているのに。
 もっとも龍馬はこれからこのギャップと戦っていくのかもしれないが。


※追記
 今回は躍動感があって面白かったが、龍馬が弥太郎(香川照之)を助けに行ったのは興ざめ。
 天下の一大事より、私的なことを優先してしまう龍馬は以前として変わらない。
 新選組の屯所に行った所で何も出来ないのに(実際そうだったし)、気持ちのおもむくままに行動してしまうのはちょっと。

※追記
 護衛の三吉慎蔵(筧利夫)はカッコイイ。
 先程のツンデレではないが、無骨な男が薩長同盟が成立して喜ぶギャップが三吉を魅力的なキャラにした。


コメント (2)
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