面白い!
古美門研介(堺雅人)のキャラクターが最高!
まず口が達者!
冒頭の老人に席を譲るシーンではこんな弁舌。
「若いから体力があり、お年をめしてるから体力がないと一様に断じてしまっていいものでしょうか? 彼は見た目は60代だが、スポーツクラブに通っており、バッグの年季の入り具合からかなりのベテランであることが推察される。重厚な大胸筋、引き締まった腹背筋、下腿三頭筋の張り具合は着衣の上からでも充分感じ取れる。貧弱な私よりもはるかに見事な肉体をしていらっしゃる。そしてそのスポーツクラブはこの駅の駅前にある。わずか2分ほどの一駅区間ならば席を譲る必要もないどころか立ち座りの動作を余計に強いるのみと判断し、申し出なかったまで。以上。何か反論は?」
黒いものを白に言いくるめるのが、弁護士だとすると、この弁舌はまさにそれ!
老人に席を譲らない理由を語るために、<腹背筋>や<下腿三頭筋>まで出してくるとは!
性格も悪い。
浅い正義感をふりかざす黛真知子(新垣結衣)を一刀両断!
「思い出したよ。その下品ながに股で。判例集を読んでいたからまさかとは思ったが、思慮が浅いくせに独善的な正義感を得意げに人に押し付けてくるバカ女が弁護士とは世も末だ」
また、返す刀で真知子の弁護士としての無能も「自白を強要されてるのに負けること自体が信じられない」とバッサリ斬る。
仕事も出来る?
坪倉裕一(中村蒼)の無罪を勝ち取るためのあの手、この手。
取り調べた刑事の悪行を調べ、それをマスコミにリーク。人権団体も動かして、<不当な取り調べ>のキャンペーンを張る。
判決は世論が作るのだ。
また、アリバイを証明するキイパーソンのコーヒー店員の斎藤を見事に「あの日、公園に坪倉はいた」と言わせる証人にする。
その方法は、<人間の記憶力>についての解説や<もし証言すれば妻や娘のヒーローになれる>という甘い誘惑まで。
法廷での弁論もあざやか?
坪倉が「殺してやる!」と発言を「そんなことは日常生活で誰でも言うことだ」と、街の人の実例を使って、証明してみせる。
まあ、この古美門のやり方を見ていくと、われわれの日常って、どうしようもない曖昧さに立脚して成り立っていることがわかりますね。
まわりの空気に左右され、曖昧な記憶に頼り、事実はどうとでも解釈できし、言いくるめられる。
そして、古美門は結構、子供!
裁判に負けそうになると、子供のように泣いて走り出し、酔っ払う。
いやあ、すごいキャラクターが現れたものです!
弁舌巧みで、ハチャメチャで、性格が悪い。
このくらいのキャラクターが登場しないと、作品はたちまちどこかに既視感のあるマンネリな作品になってしまう。
あれこれ悩まないのも古美門の特徴。
ドラマの主人公は悩みますからね。
主人公の<葛藤>を描くのが既存のドラマだと思いますが、古美門に関してはそれがない。
「やっていようがやっていまいが、私には関係ないし、何の興味もない。検察の証拠は不十分だった。だから彼は無罪になった。それが法だ」
「うぬぼれるな。われわれは神ではない。ただの弁護士だ。真実が何かなんて分かるはずがない」
と実にクール。
そして、これが弁護士<古美門研介>のバックボーンなんですね。
彼の行動基準は<法に照らし合わせて正しいか、正しくないか>。
確か、古美門のせりふに「ゲーム」という言葉があったが、彼の行動は勝つか負けるかの<ゲーム>でしかない。
ただし、今回、古美門には負けがありましたね。
顧問会社の専務の問題。
専務は家庭を捨てて愛人とくっつき、社長もそれを認めて結局専務を後継者にしてしまった。
こういう何をするかわからない人間の非合理な行動には、古美門は対応できないようだ。
古美門研介は、<法というルールのもとでプレイをするゲーマー>である。
古美門研介(堺雅人)のキャラクターが最高!
まず口が達者!
冒頭の老人に席を譲るシーンではこんな弁舌。
「若いから体力があり、お年をめしてるから体力がないと一様に断じてしまっていいものでしょうか? 彼は見た目は60代だが、スポーツクラブに通っており、バッグの年季の入り具合からかなりのベテランであることが推察される。重厚な大胸筋、引き締まった腹背筋、下腿三頭筋の張り具合は着衣の上からでも充分感じ取れる。貧弱な私よりもはるかに見事な肉体をしていらっしゃる。そしてそのスポーツクラブはこの駅の駅前にある。わずか2分ほどの一駅区間ならば席を譲る必要もないどころか立ち座りの動作を余計に強いるのみと判断し、申し出なかったまで。以上。何か反論は?」
黒いものを白に言いくるめるのが、弁護士だとすると、この弁舌はまさにそれ!
老人に席を譲らない理由を語るために、<腹背筋>や<下腿三頭筋>まで出してくるとは!
性格も悪い。
浅い正義感をふりかざす黛真知子(新垣結衣)を一刀両断!
「思い出したよ。その下品ながに股で。判例集を読んでいたからまさかとは思ったが、思慮が浅いくせに独善的な正義感を得意げに人に押し付けてくるバカ女が弁護士とは世も末だ」
また、返す刀で真知子の弁護士としての無能も「自白を強要されてるのに負けること自体が信じられない」とバッサリ斬る。
仕事も出来る?
坪倉裕一(中村蒼)の無罪を勝ち取るためのあの手、この手。
取り調べた刑事の悪行を調べ、それをマスコミにリーク。人権団体も動かして、<不当な取り調べ>のキャンペーンを張る。
判決は世論が作るのだ。
また、アリバイを証明するキイパーソンのコーヒー店員の斎藤を見事に「あの日、公園に坪倉はいた」と言わせる証人にする。
その方法は、<人間の記憶力>についての解説や<もし証言すれば妻や娘のヒーローになれる>という甘い誘惑まで。
法廷での弁論もあざやか?
坪倉が「殺してやる!」と発言を「そんなことは日常生活で誰でも言うことだ」と、街の人の実例を使って、証明してみせる。
まあ、この古美門のやり方を見ていくと、われわれの日常って、どうしようもない曖昧さに立脚して成り立っていることがわかりますね。
まわりの空気に左右され、曖昧な記憶に頼り、事実はどうとでも解釈できし、言いくるめられる。
そして、古美門は結構、子供!
裁判に負けそうになると、子供のように泣いて走り出し、酔っ払う。
いやあ、すごいキャラクターが現れたものです!
弁舌巧みで、ハチャメチャで、性格が悪い。
このくらいのキャラクターが登場しないと、作品はたちまちどこかに既視感のあるマンネリな作品になってしまう。
あれこれ悩まないのも古美門の特徴。
ドラマの主人公は悩みますからね。
主人公の<葛藤>を描くのが既存のドラマだと思いますが、古美門に関してはそれがない。
「やっていようがやっていまいが、私には関係ないし、何の興味もない。検察の証拠は不十分だった。だから彼は無罪になった。それが法だ」
「うぬぼれるな。われわれは神ではない。ただの弁護士だ。真実が何かなんて分かるはずがない」
と実にクール。
そして、これが弁護士<古美門研介>のバックボーンなんですね。
彼の行動基準は<法に照らし合わせて正しいか、正しくないか>。
確か、古美門のせりふに「ゲーム」という言葉があったが、彼の行動は勝つか負けるかの<ゲーム>でしかない。
ただし、今回、古美門には負けがありましたね。
顧問会社の専務の問題。
専務は家庭を捨てて愛人とくっつき、社長もそれを認めて結局専務を後継者にしてしまった。
こういう何をするかわからない人間の非合理な行動には、古美門は対応できないようだ。
古美門研介は、<法というルールのもとでプレイをするゲーマー>である。