平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

大飯原発再稼働を考える~政府は一体どこを向いているのか?

2012年04月10日 | 事件・出来事
 福井県・大飯原発の再稼働。

 関西電力は次の形で、安全を確保すると言っている。

・防波堤を現在の5メートルから8メートルにする~2013年目安。
・事故が起きた際の対応スペース<免震事務棟>を作る~2015年目安。それが出来るまでは発電所内にある会議室で代用させる。
・水素除去装置を設置する~2013年目安。
・フィルター付きベント装置を設置する~2015年目安。

 原子力の難しいことはわからないが、これっておかしくないか。
 2013年目安? 2015年目安?
 では、もし今年(2012年)再稼働して、大地震が起こり事故が起きたらどうするのか?
 2013年~2015年までに作られるとされる耐震安全設備はないのだから、大事故につながるのではないか。

 こんなこと、素朴な疑問として誰もが抱く。
 童話『はだかの王様』の子供が「王様はハダカだ」と言ったことに似ている。
 なのに野田首相を始めとする政府は、「おおむね新安全基準を満たしている」と評価認定。
 「おおむね」? 「完全に」ではないのか?
 そして枝野経産大臣は地元の説得に向かうらしい。

 一体、この政府はどこを向いているんでしょうね。
 いったん事故が起きれば、今回の福島の事故のような事態が起こるのである。
 海や大地は汚染され、われわれは食物の放射能汚染に怯えて生活しなければならなくなる。
 生産者は<放射能の汚染チェック>という通常ならしなくてもいい作業をしなければならない。
 1000兆になろうとする赤字予算で消費税があげられようとしているのに、除染作業の費用でさらに予算を使わなくてはならない。
 今回の大口契約者の電気料金UPの理由として東電は<燃料費高騰>をあげているが、本当にそうなのか? <賠償金の支払い>や<廃炉の費用>なんかが含まれているのではないか。
 あるいは、もし福井の大飯原発で事故が起これば、汚染された大気は琵琶湖にまで及び、琵琶湖の水が飲料水として使えなくなるという識者もいる。そうすれば関西の人は水を飲めなくなり、関西経済圏は崩壊する。
 それなのに政府は大飯原発再稼働で動いている。

 政府は次のような発想で行動すべきである。
 <原発を再稼動しないで電力を確保する方法はないのか>
 そうすれば、きっと様々な知恵が出て来るはず。
 国民は屋根に太陽光パネルを設置し、企業は自家発電の設備を取りつける。
 地方自治体も地産地消で、風力、地熱、水車発電などを始めるかもしれない。
 あるいは関西電力は、中部電力や中国電力など、他の電力会社から電気を供給してもらうことは出来ないのか。

 関西電力は、この夏、一昨年並みの猛暑の場合19.6%電力が不足し、暑さが昨年並みで国民が10%の節電をした場合でも7.6%の電力不足が起きると発表している。
 だから大飯原発の再稼働が必要だとも。
 だが、この電力不足の予測は本当か? その試算の根拠は?
 あるいはなぜ今頃、このデータを出してきたのか?
 もっと前に出していれば、それこそ国民が太陽光パネルを、自治体が風力発電を設置したりする準備が出来たはずである。

 おそらく電力会社は、原子力発電所を<無用な鉄のかたまり>にしたくないのだろう。
 膨大な建設費用がかかっているから、かかった費用分、原子力発電所に稼いでもらわなくてはならない。

 というわけで、もう一度、政府に問う。

 「あなたたちは一体どこを向いているのか?」

 電力会社や経済界の方を向いているのではないか?
 あなたたちはもっと国民を信用すべきである。
 昨年を乗り切ったように、もし仮に7.6%の電力不足が起きるなら、きっと知恵を出して乗り切るはず。
 あなたたちが国民を信用していないから、国民もあなたたちを信用しなくなる。
 「国民の皆さん、この夏はこういう電力不足の状況になりますが、原子力発電所を再稼働することは出来ません。なので協力をお願いします」と語ればいい。
 もちろん国民が対応策を取るためには、それなりの時間が必要なので、情報開示はもっと早くやってほしいのですが。

※追記
 枝野経産大臣は記者会見で「もし100メートルの津波が来たら日本の原子力発電所の電源は喪失する。しかし、それを全部想定するのか」と述べた。
 答えは「想定するんです」と言うしかない。
 一度、事故が起きたらおしまいなんです。
 どんなに水が来ても喪失しない電源設備を作って下さい。

コメント (2)
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