地獄からの使者・官兵衛(岡田准一)はやっぱり良い人だった。
小寺政職(片岡鶴太郎)を逃がして、秀吉(竹中直人)に謝る。
「斬れませなんだ。それがしの甘さでございます」
これに対して秀吉。
「それで良いのじゃ。
憎い敵を斬らずして逃がす、それこそが官兵衛じゃ。
そういう男だからわしは官兵衛が好きなんじゃ。そういう男だから信用できるんじゃ。
もっと悩め。もっと怒って、思いきり笑え」
弱さを含めて全面的に人を<肯定>する秀吉。
こういう人物には人はついていきますよね。
秀吉には、さわやかな明るさがある。
妻のおね(黒木瞳)も肯定する人で、信長の四男を養子にもらったことで羽柴家は安泰だと考えている。
常にプラス思考の夫婦(笑)
一方、信長(江口洋介)。
信長の場合は、信賞必罰というか、役に立たなくなった道具は切り捨てる。
今回は佐久間信盛。
信長は不信の中に生きていて、寛容さの欠片もない。
徹底した合理主義者で、怨霊など認めず、有岡城で平気で酒を飲む。
小寺政職を逃がした官兵衛は<赦(ゆる)す人>でもある。
この資質は『汝の敵を愛せ』というキリスト教の教えに繋がるのだろう。
『スターウォーズ』ではないが、あそこで政職を斬っていたら、きっと暗黒面にとらわれて<ブラック官兵衛>になっていただろう。
<寛容さ><赦し><他者の肯定>……これは平和な時代の産物。
官兵衛や秀吉のような人物が出てきたということは、世の中が少しずつ治まってきたことを意味するのだろう。
逆に<不寛容><怒り><他者の否定や排除>が横行する時代は……。
僕は2014年の現在がそんな時代になっている気がするんですよね。
これからは、ますます世の中が乱れていく。
それと、小寺政職の生き様は嫌いではない。
どんなにカッコ悪くても、地べたを這いずりまわっても、生き残りたいと思う政職。
いいじゃないですか。
お国のために死ぬとか、特攻隊とかがもてはやされているが、そんなものはまったく美しくない。
<何があっても生きる>
『軍師官兵衛』は、死が美化される現代へのメッセージを送っているように思える。
小寺政職(片岡鶴太郎)を逃がして、秀吉(竹中直人)に謝る。
「斬れませなんだ。それがしの甘さでございます」
これに対して秀吉。
「それで良いのじゃ。
憎い敵を斬らずして逃がす、それこそが官兵衛じゃ。
そういう男だからわしは官兵衛が好きなんじゃ。そういう男だから信用できるんじゃ。
もっと悩め。もっと怒って、思いきり笑え」
弱さを含めて全面的に人を<肯定>する秀吉。
こういう人物には人はついていきますよね。
秀吉には、さわやかな明るさがある。
妻のおね(黒木瞳)も肯定する人で、信長の四男を養子にもらったことで羽柴家は安泰だと考えている。
常にプラス思考の夫婦(笑)
一方、信長(江口洋介)。
信長の場合は、信賞必罰というか、役に立たなくなった道具は切り捨てる。
今回は佐久間信盛。
信長は不信の中に生きていて、寛容さの欠片もない。
徹底した合理主義者で、怨霊など認めず、有岡城で平気で酒を飲む。
小寺政職を逃がした官兵衛は<赦(ゆる)す人>でもある。
この資質は『汝の敵を愛せ』というキリスト教の教えに繋がるのだろう。
『スターウォーズ』ではないが、あそこで政職を斬っていたら、きっと暗黒面にとらわれて<ブラック官兵衛>になっていただろう。
<寛容さ><赦し><他者の肯定>……これは平和な時代の産物。
官兵衛や秀吉のような人物が出てきたということは、世の中が少しずつ治まってきたことを意味するのだろう。
逆に<不寛容><怒り><他者の否定や排除>が横行する時代は……。
僕は2014年の現在がそんな時代になっている気がするんですよね。
これからは、ますます世の中が乱れていく。
それと、小寺政職の生き様は嫌いではない。
どんなにカッコ悪くても、地べたを這いずりまわっても、生き残りたいと思う政職。
いいじゃないですか。
お国のために死ぬとか、特攻隊とかがもてはやされているが、そんなものはまったく美しくない。
<何があっても生きる>
『軍師官兵衛』は、死が美化される現代へのメッセージを送っているように思える。