平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

国会審議でわかった戦争法案の危険性~内閣の判断でいくらでも派兵できるらしい

2015年05月30日 | 事件・出来事
 さて、安倍首相が進めている戦争法案。
 どんな場合に派兵するかと言えば、こんな基準でするらしい。

「事態の個別具体的な状況に即して総合的に考慮し、客観的合理的に判断する」

 つまり、時の内閣が判断して決める。
 総理大臣が「必要だ」と判断すれば、いくらでも派兵出来る。
 こんな危ない法律はない。
 もし、時の総理大臣が好戦的で頭のおかしいやつだったら、どうなるのか?

 もちろん、派兵に関しては、法律上、国会のチェックを受け、承認を得ることになっている。
 だが、国会が現在のように与党が強ければ強行採決もできるし、国会の事後承認という抜け道もできている。
 そして、派兵が正しかったか否かを検証するするシステムは今のところない。
 仮に検証されても、「イスラム国」日本人殺害事件の検証報告書のように、検証が公正におこなわれるとは限らない。
 政府寄りの検証委員を集め、特定秘密保護法によってまずい情報は隠され、「政府の判断に間違いはなかった」で片づけられる可能性がある。

 共産党の志位委員長の国会質問では、こんなことが明らかになった。

<日本はこれまでアメリカの戦争を批判したことがなかった>

 たとえば、イラク戦争。
 その戦争の理由は、イラクに大量破壊兵器があるから、というものだったが、実際にはなかった。
 つまり、動機の間違っている戦争だった。
 結果、現在の中東は「イスラム国」が台頭するなど、大混乱。
 イラク戦争とは、このようなものだったのに、日本政府はアメリカを批判していない。
 安倍首相などは、「大量破壊兵器がないことを証明出来なかったフセインが悪い」などと、おかしな論理を展開している。
 この人、本当に大丈夫か?

 志位委員長の話に拠れば、ベトナム戦争のきっかけとなったトンキン湾事件はアメリカの謀略だったらしい。
 つまり、アメリカの船がトンキン湾で南ベトナムの砲撃を受けたというのは、まったくのウソで、謀略で戦争が始まった。
 これは、アメリカの公文書ですでに明らかになっているようだから確かだろう。

 アメリカは、このように言いがかりをつけ(=イラク戦争)、謀略を仕掛けて(=ベトナム戦争)、戦争を引き起こすのである。
 そして、日本政府はこれまでアメリカの戦争を批判したことがなかった。
 アメリカの戦争が間違っていたことを問う3つの国連決議でも、日本は「棄権」「反対」という立場で、アメリカに理解を示してきた。

 このようなアメリカとのベタベタな関係で、日本は独自の判断ができるのだろうか?
 アメリカの要請に従って派兵し、間違った戦争に踏み込む可能性は大いにある。
 そして、戦争をした国からは、死と破壊をもたらした憎むべき敵となる。
 安倍首相は〝積極的平和主義〟などと言っているが、これは〝積極的戦争主義〟であり、今まで日本が培ってきた〝平和国家〟というブランドを壊すことに他ならない。

 もちろん、北朝鮮、中国などの危機は無視できない。
 それに対応するために、アメリカなど、他国との協力が必要なこともわかる。
 だとしたら、正々堂々と憲法改正を訴えるべきだ。
 本当に必要だと考えれば、国民は賛成に投票するだろう。
 あるいは、安倍首相があげている事例はいずれも従来の〝個別的自衛権〟の範囲を広げることで対応できるという説もある。
 だとしたら、その方向について、検討すべきだ。
 それに、よく考えれば、武器を使わなくてできる平和貢献は他にいくらでもある。
 日本の平和貢献が感謝されていれば、仮に日本が攻められても世界中が非難の声をあげてくれるだろう。

 現在、審議されている戦争法案。
 これが通れば、戦争は時の内閣の判断・解釈で、自由におこなわれる。
 アメリカの言うことは拒否できないから、何らかの形でアメリカの戦争に参加することは大いにあり、結果、日本は間違った戦争に踏み込む。
 そもそも70年前の戦争だって、軍部の暴走があったが、最終的には好戦的な内閣の判断と決定でおこなわれた。現在においては、アメリカが戦前の軍部にあたる存在かもしれない。

 現在の戦争法案は危険である。
 穴だらけで、まったく歯止めのない法案であるから、好戦的で頭のおかしな総理大臣が登場したら、日本はたちまち戦争に突き進む。

コメント (2)
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