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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒14 「陣川という名の犬」~目を覚ましなさい! もとの君に戻るんです!

2016年01月21日 | 推理・サスペンスドラマ
 陣川さん(原田龍二)の悲恋でしたね。
 コーヒーを上手く扱った所がお洒落。
 冠城(反町隆史)のコーヒー好きも活きた。

 事件は現代的でした。
・匂いに敏感な女性。
・世間から害虫のように扱われた男の鬱屈と屈折。
・害虫のように扱われた、もうひとりの男の共感。
 この3人が絡み合って事件が起きた。
 事件のきっかけは、ほんの些細なこと、行き違いなんですけどね。
 女性の方も、犯人の男の方も、他人に対する許容力が小さくなっている。
 それは陣川さんも。
 怒り→復讐→暴力、に走ってしまう行動は実に短絡的だ。
 仮に怒りを抱いても、理性や法律で処理するのが大人だろう。

 それにしても、世間から害虫のように扱われた男かぁ。
 犯人は言う。
「自分は生きているだけで存在自体が嫌われる害虫のような男」
 人はそんなに他人のことを気にして生きていないんですけどね。
 でも、こういう人は、いったん思い込むと、些細なことで傷ついてしまう。
 それが積もり積もって、心はさらに歪んで屈折していく。
 しかし一方で、些細な善意に喜びを感じてしまうのも事実。
 犯人もひとりの娘のやさしさに触れて、希望を見出した。
 彼女のためにがんばろうと思った。
 差別や排除でなく、やさしさで溢れる社会であってほしい。

 ミステリーとしてはイマイチだった。
・コーヒー好きで、香りから記憶を呼び起こせる冠城。
・犯人の顔写真など、未解決犯のことをすべて記憶している陣川。
 このふたりの能力が事件解決に繋がった。
 キャラクターものとしてはありだけど、推理ものとしては安易。
 『サイコメトラーEIJI』みたいだ。

 だから、矢島さゆみ(黒川智花)の気持ちをめぐる右京さん(水谷豊)の推理が光る。
・さゆみが陣川に対して「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは」と言っていたこと。
・陣川に会う当日、いつも履いているハイヒールでなく、ヒールの低いブーツを履いていたこと。→陣川との身長差を気遣った?
・婚礼に関わる儀式の時におこなわれるアフリカの<コーヒーセレモニー>をさゆみがおこなっていたこと。
 この3つから、さゆみが陣川の求婚を受け入れるつもりだったことを推理した。
 あくまで状況証拠からの推理で、確証はないんですけどね。
 コーヒーのように苦いエンディングでしたが、陣川さんが大人になるには、こうした苦い体験が必要なのかもしれません。


※追記
 さゆみ役は黒川智花さん。
 ドラマ『てるてるあした』でファンでしたが、美しくなられました!

コメント (2)
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