平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「光る君へ」 第35回「中宮の涙」~光る君の妻になるのがよい! 藤式部、そうなるようにしておくれ!

2024年09月16日 | 大河ドラマ・時代劇
「お上、お慕いしております!」
 まひろ・藤式部(吉高由里子)に自分を正直にぶつけてみたら、とアドバイスされて
 彰子(見上愛)が叫んだのが、この言葉!
 ストレートだな~。
 不器用だな~。
 平安人なら巧みな歌に自分の想いを偲ばせて……。
 でも、それができないのが彰子だ。

 彰子は帝への想いを隠せない。
『源氏物語』の紫の上が今後どうなるのか? を尋ねて、まひろが「考えています」と答えると、
「光る君の妻になるのがよい! 藤式部、そうなるようにしておくれ!」

「まるでわたしのようであった」というせりふもあったが、
 彰子はやっと『源氏物語』で自分を重ね合わせる人物を見出したようだ。
 それは無垢な少女の紫の上。
 それでいて帝には「ずっと大人でした」と言っていた。
 これはどういうことだろう?
 道長(柄本佑)の期待に沿うように生きてきたということだろうか?
 本当は嫌だったのに「仰せのままに」と入内を受け入れたことだろうか?
 ずっと帝に抱かれることを待っていたということだろうか?

 抑圧されていた人物が解放されていく姿を見るのは心地いい。
 感情が芽生え、顔がイキイキとして来るのを見るのは楽しい。

 というわけで、彰子様、もう他人の顔色をうかがうのはやめよう!
 嫌われたって、笑われたっていいじゃないか。もっと自分を出していこう!
 彰子様は十分に魅力的なのだから!
 
 彰子のもとを訪ねる時、一条天皇(塩野瑛久)は雪を見ていたが、
 あれは香炉峰の雪で楽しい時を過ごした定子(高畑充希)に別れを告げたのだろうか?
 …………………………………………………………

 その他、宮廷ではさまざまな恋愛模様。

 惟規(高杉真宙)と斎院の中将(小坂奈緒)。
 日向坂のこさかな来たー!

 あかね・和泉式部(泉里香)は愛する人を亡くした。
 これがものを書くきっかけに。

 まひろにとって、これらは『源氏物語』を書く材料になっている。
 作劇的には、情熱のままに自分をぶつけられない彰子との対比。

 そしてまひろと道長。
「お帰りなさいませ。よくぞご無事で」
「うん」
 完全に夫婦じゃないか!
 紫の上のモデルが幼き頃の自分だとまひろが告げると、
「おまえは不義の子を産んだのか?」
 まひろはとぼけたが、道長は気づいた様子。
 帝が彰子のものに通って来ると、道長は父親の顔になって、
「ああ、よかった」
 ふたりは同じ月を見る。

 まひろと道長、いい関係になったな~。
 心で繋がっていて、まさにソウルメイト。
 年齢を重ねて、今後ふたりがどんな絆で結ばれていくか楽しみだ。


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2 コメント

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リアクションが楽しみです (コウジ)
2024-09-17 07:51:04
TEPOさん

いつもありがとうございます。

まひろのあの言葉で、彰子は少し自信が持てたのでしょうね。
自分を理解してくれる、認めていてくれるまひろの存在も心強かったかもしれません。
そして……「お慕いしております!」

>ずっと帝に抱かれることを待っていたということだろうと思います。
やっぱりそうですね。

伊周と隆家の物語もよかったですね。
隆家に諭されて、伊周は「……左大臣ごときに」とつぶやいていましたが、これで憑き物が落ちたのでしょうか。
妄執を捨てれば楽に生きられるんですけどね。
特に道長は政敵を力で排除する権力者ではないので


覗いていた女性は、彰子の女房のひとり左衞門の内侍のようです。
これで次回、倫子の耳に入りますね。
まひろは彰子覚醒の恩人ですし、倫子は貴族の大人の対応をするのでしょうが、「心の恋人」の存在は決して穏やかではないはず。
リアクションが楽しみです。

清少納言のリアクションも楽しみですね。
僕は文芸作品として認める派です。
まひろが彰子派になったことも、生前、悟りの境地の定子は帝に「彰子様にもやさしくしてあげて」と言っていたので、受け入れるのでしょう。
定子との美しい思い出は「枕草子」の中にあるので、それで十分みたいなオチでしょうか。
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ついに! (TEPO)
2024-09-16 21:52:24
ついに、「最大の山場中の山場」に。
私は、まひろの「私が存じ上げる中宮様は、青い空がお好きで、冬の冷たい気配がお好きでございます」以下のtherapeuticな言葉が決定的だったと思います。
未だ周囲の見る目に流されてしまいがちな彰子の心の中で「本当の気持ち」の水脈に直通するルートを開いた言葉でした。
もっとも、一条天皇の訪問はあまりにもタイミングが良すぎでしたが。

>帝には「ずっと大人でした」と言っていた。これはどういうことだろう?
私は素直に
>ずっと帝に抱かれることを待っていたということ
だろうと思います。

伊周による道長暗殺計画は隆家が阻止しました。
しかし、隆家は道長を救うと同時に伊周をも救ったのだと思います。
道長暗殺計画、失敗した場合には無論のこと、仮に成功したとしても伊周を待っているのは破滅でしょう。
直接捕まらなかったとしても、現状では誰もが伊周を「黒幕」と見るでしょうし、どう取り繕っても一条天皇の信頼と権力とを取り戻すことは不可能でしょう。
逆に言えば、その程度の現実感覚も失うほどに「闇落ち」していた、ということ。
隆家としては、伊周に道長を「射させなかった」ことにより、花山院を「射てしまって」中関白家の失脚をもたらしてしまったことに対する「償い」だったのでしょう。

ところで、最後の場面での道長とまひろとの語らいを陰で見ていた人物、ききょう(清少納言)のように見えましたが果たしてどうでしょうか。
ききょうは予告編にも登場していました。
次回、まひろと「源氏物語」に対する清少納言の立ち位置が見られそうです。
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