第2次世界大戦におけるドイツの暗号機エニグマのをめぐる物語は面白い。
映画『イミテーション・ゲーム』では、いよいよ天才アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)の登場だ。
チューリングは実在の人物。
彼は現在のコンピューターの前身である演算マシーンを使ってエニグマの暗号を瞬時に解こうとする。
エニグマを解読できれば、ドイツ軍の作戦や部隊の動きを把握できてさまざまな対応が出来るのだ。
そしてチューリングは試行錯誤の末、マシーン・ボンブを開発してエニグマの暗号解読に成功する。
結果、後の評価に拠れば、ドイツの敗戦が2年早くなった。
ここまでで言えば、チューリングは英雄であり、成功の生涯だったかに見える。
しかし、多くの天才数学者がそうであるように、チューリングの生涯は悲惨であった。
2つのことが彼の精神を蝕んだのだ。
ひとつはエニグマ解読に成功したことを極秘にされたこと。
英国軍とMI6は、ドイツとの戦争を有利に展開するために「エニグマ解読」を秘匿する。
もし解読されていることが知られたら、ドイツはエニグマを使わなかったり、改良したりするからだ。
英国軍はエニグマ解読の結果を大きな作戦で効果的に使おうとする。
解読されていないことを知られないために、わざと味方の犠牲を出したりする。
チューリングは悩む。
エニグマ解読で敵の動きや作戦がわかっているのに味方が犠牲になってしまうことに罪悪感を抱く。
チューリングの精神を蝕んだもうひとつのことは、彼がゲイであることだった。
当時の英国ではゲイであることは法律で罰せられていた。
チューリングは自分の秘密を隠す。
一時、同僚の女性ジューン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)に魅かれて婚約したりするが、結局は破談。
やはりチューリングは男性しか愛せなかったのだ。
そして孤独の中で荒んでいく。
このあたりは映画『ボヘミアン・ラプソディ』で描かれたフレディ・マーキュリーに似ている。
フレディ(ラミ・マレック)もメアリー・オースティン(ルーシー・ポイントン)に魅かれたが、結局はダメだった。
ハードな人生だな……。
チューリングは国家と社会的偏見・差別の被害者だった。
天才ならではの鋭敏さもチューリングを追い込んでいった。
結果、彼は自殺。
ゲイを治すための薬物治療(←そんなものがあるのか?)もされたらしい。
唯一の救いは、エニグマ解読で終戦が2年早まったという後の評価。
そして彼の恋したジューンの存在。
自分がゲイであることを告白したチューリングをジューンは受け入れ、こう言う。
「わたしは普通の結婚なんて望まないって言ったでしょう? わたしはあなたと結婚したいのよ!」
こんなことも言っていた。
「あなたが普通でないから世界は素晴らしい!」
しかし、チューリングはこんなジューンも拒む。
『ボヘミアン・ラプソディ』のメアリーもそうだが、やはり女性は強いね。
余談だが、
トップシークレットであるチューリングと彼のチームのことが公になったのは21世紀になってから。
英国はエニグマ解読を第2次世界大戦後も秘匿し、エニグマを暗号機としてインドなどの第三世界に提供していたらしい。
そうすれば相手の情報はすべて筒抜けになるからだ。
やはりエニグマをめぐるドラマは闇が深く、枚挙に暇がない。
映画『イミテーション・ゲーム』では、いよいよ天才アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)の登場だ。
チューリングは実在の人物。
彼は現在のコンピューターの前身である演算マシーンを使ってエニグマの暗号を瞬時に解こうとする。
エニグマを解読できれば、ドイツ軍の作戦や部隊の動きを把握できてさまざまな対応が出来るのだ。
そしてチューリングは試行錯誤の末、マシーン・ボンブを開発してエニグマの暗号解読に成功する。
結果、後の評価に拠れば、ドイツの敗戦が2年早くなった。
ここまでで言えば、チューリングは英雄であり、成功の生涯だったかに見える。
しかし、多くの天才数学者がそうであるように、チューリングの生涯は悲惨であった。
2つのことが彼の精神を蝕んだのだ。
ひとつはエニグマ解読に成功したことを極秘にされたこと。
英国軍とMI6は、ドイツとの戦争を有利に展開するために「エニグマ解読」を秘匿する。
もし解読されていることが知られたら、ドイツはエニグマを使わなかったり、改良したりするからだ。
英国軍はエニグマ解読の結果を大きな作戦で効果的に使おうとする。
解読されていないことを知られないために、わざと味方の犠牲を出したりする。
チューリングは悩む。
エニグマ解読で敵の動きや作戦がわかっているのに味方が犠牲になってしまうことに罪悪感を抱く。
チューリングの精神を蝕んだもうひとつのことは、彼がゲイであることだった。
当時の英国ではゲイであることは法律で罰せられていた。
チューリングは自分の秘密を隠す。
一時、同僚の女性ジューン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)に魅かれて婚約したりするが、結局は破談。
やはりチューリングは男性しか愛せなかったのだ。
そして孤独の中で荒んでいく。
このあたりは映画『ボヘミアン・ラプソディ』で描かれたフレディ・マーキュリーに似ている。
フレディ(ラミ・マレック)もメアリー・オースティン(ルーシー・ポイントン)に魅かれたが、結局はダメだった。
ハードな人生だな……。
チューリングは国家と社会的偏見・差別の被害者だった。
天才ならではの鋭敏さもチューリングを追い込んでいった。
結果、彼は自殺。
ゲイを治すための薬物治療(←そんなものがあるのか?)もされたらしい。
唯一の救いは、エニグマ解読で終戦が2年早まったという後の評価。
そして彼の恋したジューンの存在。
自分がゲイであることを告白したチューリングをジューンは受け入れ、こう言う。
「わたしは普通の結婚なんて望まないって言ったでしょう? わたしはあなたと結婚したいのよ!」
こんなことも言っていた。
「あなたが普通でないから世界は素晴らしい!」
しかし、チューリングはこんなジューンも拒む。
『ボヘミアン・ラプソディ』のメアリーもそうだが、やはり女性は強いね。
余談だが、
トップシークレットであるチューリングと彼のチームのことが公になったのは21世紀になってから。
英国はエニグマ解読を第2次世界大戦後も秘匿し、エニグマを暗号機としてインドなどの第三世界に提供していたらしい。
そうすれば相手の情報はすべて筒抜けになるからだ。
やはりエニグマをめぐるドラマは闇が深く、枚挙に暇がない。
彼が自殺した時にかじった林檎は、アランに敬意を込め、アップルのロゴになりました。
まさに悲しくて奇妙な物語ですね。
教えていただきありがとうございます。
やはり天才は常人では計り知れないものを抱えているんですね。
それに欠けているアップルのロゴにはそういう意味があったんですか。
これもまたひとつの物語ですね。