「道三様ならこれをどうお収めになるのか?」
「毒を盛る、信長様に」
「信長様あっての私でございます。
信長様に毒を盛るのはおのれに毒を盛るのと同じでございます」
「今の信長様をつくったのは父上と私とそなた。
つくった者がその始末をなすしかあるまい」
帰蝶様(川口春奈)、何というゾクゾクとする美しさ。
本能寺で帰蝶は信長(染谷将太)といっしょに死ぬが、信長をつくってしまった責任を取ろうとしたのだろう。
それと、『信長をひとりで孤独に死なせない』という想い。
死に際して、帰蝶は信長に何を語るのか?
他人に褒めて貰いたい信長だから、
「あなたはよくやりました。ご立派でした」と褒めるのか?
これで信長も満足して安らかに眠れる。
森蘭丸(板垣瑞生)が登場した。
膳をこぼした光秀(長谷川博己)を叱りつけ、打擲しようとする。
功績で言えば、光秀の方がはるかに上なのに。
ただの小姓、近習なのに。
こういう思い上がりの存在が組織を滅ぼすんだよな……。
一方、本願寺攻めで苦労した佐久間信盛(金子ノブアキ)は追放。
苦労した者は評価されず、実績はないのにおべっかを言う者が重宝される。
これでは部下の心は離れていく。
家康(風間俊介)と光秀の仲を邪推して、告げ口したのも蘭丸だった。
秀吉(佐々木蔵之介)は細川藤孝(眞島秀和)に言う。
「帝の御譲位は行き過ぎにございます」
しかし、これは本心から言っているのか?
藤孝は返事をしない。
もし「そのとおりだ」と答えれば、信長に告げ口されるかもしれないと思っているからだ。
不信が渦巻き、誰を信じていいかわからない。
これもまた組織の崩壊の前兆だ。
秀吉は「武士が嫌い」な男のようだ。
このモチーフが最終回でどう描かれるのか?
家康は光秀に領国統治の方法を尋ねた。
どうやら家康は安寧をもたらす存在として描かれているようだ。
「私には信長様はまだまだ怖ろしいお方です」と語ったように距離感もある様子。
安土城での宴で毒を盛られるかもしれなというエピソードは『おんな城主直虎』でも描かれていた。
そして光秀。
『本能寺』への気持ちを今回は『闇に光る樹』として描かれた。
月に行こうとして樹にのぼる信長。
その樹を切り倒す光秀。
いろいろ象徴的なイメージをつくって来るなあ。
これが池端俊策流なのか。
あと、光秀役の長谷川博己さん、ここ数回、目も剥いたりして狂気の表情を入れてるな。
「本能寺の変」が必ずしも理性な動機でおこなわれたものでないことを表現しているのだろうか?
いずれにしても、さまざまな登場人物の想いが交錯して描かれる次回の『本能寺の変』は見事なドラマになりそうだ。
『本能寺』をここまで深く描き切った作品は他にはない。
「毒を盛る、信長様に」
「信長様あっての私でございます。
信長様に毒を盛るのはおのれに毒を盛るのと同じでございます」
「今の信長様をつくったのは父上と私とそなた。
つくった者がその始末をなすしかあるまい」
帰蝶様(川口春奈)、何というゾクゾクとする美しさ。
本能寺で帰蝶は信長(染谷将太)といっしょに死ぬが、信長をつくってしまった責任を取ろうとしたのだろう。
それと、『信長をひとりで孤独に死なせない』という想い。
死に際して、帰蝶は信長に何を語るのか?
他人に褒めて貰いたい信長だから、
「あなたはよくやりました。ご立派でした」と褒めるのか?
これで信長も満足して安らかに眠れる。
森蘭丸(板垣瑞生)が登場した。
膳をこぼした光秀(長谷川博己)を叱りつけ、打擲しようとする。
功績で言えば、光秀の方がはるかに上なのに。
ただの小姓、近習なのに。
こういう思い上がりの存在が組織を滅ぼすんだよな……。
一方、本願寺攻めで苦労した佐久間信盛(金子ノブアキ)は追放。
苦労した者は評価されず、実績はないのにおべっかを言う者が重宝される。
これでは部下の心は離れていく。
家康(風間俊介)と光秀の仲を邪推して、告げ口したのも蘭丸だった。
秀吉(佐々木蔵之介)は細川藤孝(眞島秀和)に言う。
「帝の御譲位は行き過ぎにございます」
しかし、これは本心から言っているのか?
藤孝は返事をしない。
もし「そのとおりだ」と答えれば、信長に告げ口されるかもしれないと思っているからだ。
不信が渦巻き、誰を信じていいかわからない。
これもまた組織の崩壊の前兆だ。
秀吉は「武士が嫌い」な男のようだ。
このモチーフが最終回でどう描かれるのか?
家康は光秀に領国統治の方法を尋ねた。
どうやら家康は安寧をもたらす存在として描かれているようだ。
「私には信長様はまだまだ怖ろしいお方です」と語ったように距離感もある様子。
安土城での宴で毒を盛られるかもしれなというエピソードは『おんな城主直虎』でも描かれていた。
そして光秀。
『本能寺』への気持ちを今回は『闇に光る樹』として描かれた。
月に行こうとして樹にのぼる信長。
その樹を切り倒す光秀。
いろいろ象徴的なイメージをつくって来るなあ。
これが池端俊策流なのか。
あと、光秀役の長谷川博己さん、ここ数回、目も剥いたりして狂気の表情を入れてるな。
「本能寺の変」が必ずしも理性な動機でおこなわれたものでないことを表現しているのだろうか?
いずれにしても、さまざまな登場人物の想いが交錯して描かれる次回の『本能寺の変』は見事なドラマになりそうだ。
『本能寺』をここまで深く描き切った作品は他にはない。
いつもありがとうございます。
『信長』でマイケル富岡さんの光秀も「眠れない」と言っていたんですね。
ということは、これ、どこかの文献に書かれていることなんでしょうね。
神経衰弱。
光秀が時々、狂気の表情をするので、そうした面も描かれるかもしれませんね。
「新しさ」という点では、おっしゃるとおり、さまざまな人──帝、義昭、帰蝶が本能寺の動機づけをしていることでしょうか。
僕が知るかぎり、帝、義昭、帰蝶と光秀との関係で描かれた本能寺はなかったような気がしています。
TEPOさんの所でも書きましたが、今までの本能寺の動機は「天下取りの野心」「信長への憤怒」。
これだけだと、「光秀を主人公にしているドラマ」としては薄っぺらいんですよね。
しかも、帝、義昭、帰蝶が光秀に求めていることが全部違っていて動機がさまざまでして。
さて、どんな本能寺が描かれるか?
いつもありがとうございます。
本能寺の変での信長・光秀・帰蝶の心の交流がどう描かれるか、楽しみですね。
おそらく信長は光秀の思いに気づくんでしょうが、光秀の思いが「天下取りの野心」「信長への憤怒」では、憎しみしかない。
だとすると、信長は何に気づくのか?
光秀も言動も気になります。
本能寺を決意するまでには、もうひとつ背中を押す必要があり、これを誰がどんな言葉をかけて背中を押すのか?
また、本能寺後に光秀はどんな思いを抱くのか?
おそらくは喪失感でボロボロになって何も出来なくなるのでしょうが……。
精神的な救い以外を考えると、やはり天海僧正ですよね!(笑)
家康の指示で菊丸あたりが助ける。
ここ数回触れられている舟による海上の道もあるので、海上から三河に逃げる。
まあ、ここまではやらないでしょうね、
あくまで信長と光秀のドラマとして完結させる方向と読みました。
ラスト3話は見ています。
それだけしか見ていないので 理解不足もあると思いますが
『本能寺の変』の動機としては 普通ですね。
さまざまな人が 光秀に対して望む(唆す)ような言動があるのが新しさでしょうか。
>『本能寺』をここまで深く描き切った作品は他にはない。
これはもう 明智光秀を主役に据えたドラマは他に無いですもんね。
以前 緒形直人さんが信長を演じた大河ドラマで
マイケル富岡さんが光秀役でした。
その中でも 光秀は
本能寺の変の前段階で「眠れない!」を連発していました。
昨夜も 長谷川さんが「睡眠不足だ」と言っていたので
精神的に追い詰められていたという解釈も含むのかなぁと思いました。
コウジさん、お見事でした。
かなり早い時期から「責任を取っての決起」説を唱えていらっしゃいましたね。
帰蝶自身の口から裏打ちがなされました。
また、帰蝶は本能寺で信長と共に死ぬのでしたね。
これまた先週、コウジさんが予想されていたように、光秀と信長・帰蝶、刃を交わす両側での「心の交流」も描かれるのでしょうね。
本作のブームに乗るかのように「本能寺」の動機について歴史学者たちが議論する番組がありました。
一部しか視聴ていなかったのですが、「信長暴走阻止説」という説が結構専門家の皆さんの支持を得ていたようでした。
また、光秀が「天下」を狙っていたわけでもない、という了解も共有されていたように思います。
本作はほぼそうした専門家たちの共通了解に即した方向で描かれるわけで、オーソドックスな歴史学の動向にも目配りがなされているように感じました。
ただ、新史料が発見されて近年話題となった「長宗我部家」との関係についてのエピソードまでは入る余地はないかもしれませんが。
>いずれにしても、さまざまな登場人物の想いが交錯して描かれる次回の『本能寺の変』は見事なドラマになりそうだ。
>『本能寺』をここまで深く描き切った作品は他にはない。
まったく同感ですが、私の個人的好みの問題として、主人公にとって―「精神的に」だけでも良いので―「ハッピーエンド」と思えるような仕掛けを期待したいと思っています。