政治家・楫取素彦(大沢たかお)が戦っている。
いつの時代も民衆は、現状維持を望み、なかなか新しいことをしようとしない。
今回の仲買人のように、自分の既得権にしがみついて手放そうとしない抵抗勢力もいる。
そんな彼らを説得し、改革を実行していくのが、政治家の役割だ。
楫取はわらじを履き潰し、人々を訪ね、説得してまわる。
罵られたり、突っかかられたりするが、それも厭わず、地道に説く。
上から強権的にやることもしない。
楫取素彦は<政治家の理想>ですね。
さて、久米次郎(大西統眞)。
彼はくすぶっている。
萩の乱に参加できず、西南戦争での西郷(宅間孝行)の死を知って、自分も武士として戦いたかったと思っている。
でも、戦いって何だろう?
萩の乱の前原一誠(佐藤隆太)や西郷のように戦って死ぬことが戦いなのだろうか?
しかし、別の戦いをしてる人間がいた。
楫取素彦だ。
久米次郎は必死に民衆に説く父の姿を見て、こういう戦い方もあることを知る。
前原や西郷と違って、楫取の戦い方は、創造的だ。
破壊ではなく、新しいものを創り出している。
それは地味で格好悪くて、派手でも壮絶でもないが、新しい日本を創り出す見事な戦いだ。
父の姿を見て学ぶ久米次郎。
船津伝次平(石原良純)も戦う農業改革者だ。
工夫し、研究し、改善して、決して現状に留まらない。
美和(井上真央)は伝次平に〝新しい日本人〟を見たに違いない。
伝次平のような人間が増えていけば、日本はどんどん豊かになると確信したに違いない。
今回のエピソードを人物図式でまとめてみます。
<改革者・新しい日本人>
楫取素彦
船津伝次平
星野長太郎(大東駿介)
美和
<既得権者・現状維持派>
阿久沢権蔵(江守徹)
仲買人
民衆
<中間派・どちらかというと改革寄り>
せい(三田佳子)
生糸の女性たち
<迷ってる人>
久米次郎
こういう対立図式がしっかりしていると、ドラマになってきますね。
ラストの〝二人の夜〟は要りません。
大雨で崖崩れが起きて、宿屋で部屋がひとつしかなくて、二人きりの夜って……(笑)
せっかく良いドラマになっていたのに、これでぶち壊しです。
いつの時代も民衆は、現状維持を望み、なかなか新しいことをしようとしない。
今回の仲買人のように、自分の既得権にしがみついて手放そうとしない抵抗勢力もいる。
そんな彼らを説得し、改革を実行していくのが、政治家の役割だ。
楫取はわらじを履き潰し、人々を訪ね、説得してまわる。
罵られたり、突っかかられたりするが、それも厭わず、地道に説く。
上から強権的にやることもしない。
楫取素彦は<政治家の理想>ですね。
さて、久米次郎(大西統眞)。
彼はくすぶっている。
萩の乱に参加できず、西南戦争での西郷(宅間孝行)の死を知って、自分も武士として戦いたかったと思っている。
でも、戦いって何だろう?
萩の乱の前原一誠(佐藤隆太)や西郷のように戦って死ぬことが戦いなのだろうか?
しかし、別の戦いをしてる人間がいた。
楫取素彦だ。
久米次郎は必死に民衆に説く父の姿を見て、こういう戦い方もあることを知る。
前原や西郷と違って、楫取の戦い方は、創造的だ。
破壊ではなく、新しいものを創り出している。
それは地味で格好悪くて、派手でも壮絶でもないが、新しい日本を創り出す見事な戦いだ。
父の姿を見て学ぶ久米次郎。
船津伝次平(石原良純)も戦う農業改革者だ。
工夫し、研究し、改善して、決して現状に留まらない。
美和(井上真央)は伝次平に〝新しい日本人〟を見たに違いない。
伝次平のような人間が増えていけば、日本はどんどん豊かになると確信したに違いない。
今回のエピソードを人物図式でまとめてみます。
<改革者・新しい日本人>
楫取素彦
船津伝次平
星野長太郎(大東駿介)
美和
<既得権者・現状維持派>
阿久沢権蔵(江守徹)
仲買人
民衆
<中間派・どちらかというと改革寄り>
せい(三田佳子)
生糸の女性たち
<迷ってる人>
久米次郎
こういう対立図式がしっかりしていると、ドラマになってきますね。
ラストの〝二人の夜〟は要りません。
大雨で崖崩れが起きて、宿屋で部屋がひとつしかなくて、二人きりの夜って……(笑)
せっかく良いドラマになっていたのに、これでぶち壊しです。
そう期待したいところですが、そうはならないような気がします。
何しろ、「天地人」で戦国武将としての政治・軍事の論理性を一切無視したあの小松さんのことですから。
以前も書いた通り、「群馬の問題」を「阿久沢夫妻の攻略」に還元してしまうのが彼女の作戦であるように思います。おそらく、最後は権蔵も味方につけて群馬編は大団円ということでしょう。
つまり、政治の問題を政治の問題として扱うのではなく、単なる人間関係-要するに「よそ者」が受け入れられるまでの苦労話-に還元してしまうわけです。
もしも本当に政治の話とするならば、楫取は自らの構想ではリストラの対象となる仲買人対策にこそ取り組まなければならない筈ですが、例によってその辺の描写はおざなりでした。
>ラストの〝二人の夜〟は要りません。
全くおっしゃる通りなのですが、小松流「人間関係ドラマ」としては、スキャンダラスな噂によって楫取と美和が折角築きかけてきた人々の信頼の根底が揺らぐという「大波乱」を敢えて次回に展開させるために必要なのでしょう。
この波乱を美和たちにどう乗り切らせるのか。
残り回数から考えると、おそらく
<中間派・どちらかというと改革寄り>
つまり現時点では「半分味方」であるせいが「完全な味方」になるような仕掛けを何か考えているのではないかと予想します。
ただ前回も書いた通り、せいが「半分味方」になるに至ったプロセスは私には納得のゆくものでは無かっただけに、無理のない説得力ある展開を希望します。
いつもありがとうございます。
おっしゃるとおり、脚本の小松さんって、日常の出来事から物語を広げる方で、社会構造やイデオロギーから時代や人々を描く作家ではないんですよね。
本来の大河ドラマは後者の方だと思うのですが。
もっとも美和を主人公にした時点で、半径100メートルの物語になってしまうのは仕方のないことなのかもしれませんね。
せいに代表される、物分かりの良い登場人物というのも困りものですよね。
美和の説得手法としては、何度も足を運び、言葉で説くだけ。
今回は、久米次郎との対立図式が出てきましたが、どう解決されるのでしょう?
美和に視聴者が共感しづらい所も問題ですね。
今回の〝二人の夜〟も女性視聴者から、中途半端なメロドラマとして反発が来そう。
メロドラマを描くのなら『冬ソナ』のように何話もかけて描くべきですが、どうやらつまみ食いで終わりそうですよね。