平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「ガキ使~笑ってはいけない空港」は、紅白より面白い!

2012年01月06日 | バラエティ・報道
 大晦日のテレビでは「ガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけない空港」が視聴率二けたで健闘したらしい。
 以下は、サンスポ・ドットコムの記事。

 『昨年大みそかの「第62回NHK紅白歌合戦」の歌手別視聴率が4日、サンケイスポーツ調べで明らかになり、最高は48・2%を記録した大トリのSMAPが2年連続で輝いた。
 民放の紅白裏番組では、平均視聴率で唯一2けた台を記録した日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」が、午後9時までの前半第1部(平均18.7%)の午後8時40分ごろに瞬間最高22.2%をゲット。紅白ではちょうど森進一(64)の歌唱時だった。後半第2部(平均16.6%)でも、紅白で松田聖子(49)と神田沙也加(25)母娘が歌唱時の午後10時48分ごろに21.2%を獲得。他の民放番組では、毎分視聴率でも2けたを記録することはなかった』

 「ガキ使」が健闘した理由は何となくわかる。
 紅白で見たくない歌手が出た時は、リモコンでチャンネルを変えて「ガキ使」を見るからだ。
 では、なぜ「ガキ使」か?
 それは途中から見てもわかるから。
 「ガキ使」で行われていたことは、ただひたすら<笑ったら尻をたたかれる>ということ。
 ただこれだけ。実に単純明快。
 内容はこれを繰り返すだけだから、途中から見ても楽しめる。
 視聴者の興味の対象は、スタッフが仕掛けた笑いのトラップがどのようなものであるか、ということだけ。
 他の民放番組だと、たとえばテレビ朝日の池上彰さんだと、前後を見ていないと内容がわからない。
 TBSのたけしさんのスポーツ特番もそう。安藤美姫さんのスケートを見たいと思っても、パフォーマンスが始まるまでの時間を含めて10~15分くらいの時間がかかる。
 だが、視聴者はその時間を待っていられない。NHKに変えてしまう。裏の紅白で自分の好きな歌手が歌うかもしれないからだ。

 このように大晦日の「ガキ使」の笑ってはいけないシリーズは、シンプルだが実によく練られた企画である。
 「紅白」を見る視聴者の視聴動向を的確に理解し、対応している。
 年に1回、大晦日しかやらないというのもいい。
 これで番組に希少価値が出る。
 たしかフジテレビでは<ものまね番組>をやっていたと思うが、<ものまね番組>は一年中やっている。
 だから新鮮味がないし、<ものまね>の偽物よりは「紅白」で本物を見たい。

 そして、バラエティ、ドラマ、コミックなど、あらゆるエンターテインメントは<形式>である。
 <男女が紅白にわかれて勝敗を競う>のも形式(パターン)であり、<善が悪を倒す>のも形式である。
 池上彰さんの<講師がタレントに何かを教える>という形式は最初は斬新であったが、他局もやるようになって色あせてきた。
 この点、<笑ったら尻をたたかれる>という「ガキ使」の形式は今までにないし、一年に一回なのでなかなか色あせない。

 ヒット番組は、いかに<新しい形式>を生み出すかということにかかっているのではないかと思う。



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