平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

NHK特集「不寛容社会」~不寛容の本質は鬱憤晴らし。そして壇蜜さんの見事なコメント!

2016年06月12日 | バラエティ・報道
 昨日のNHK特集で〝不寛容社会〟を扱っていた。

・熊本地震での芸能人への不謹慎狩り→『大変なのはお前だけじゃない』『偽善者、売名行為』
・一般人が「こんな料理を食べました」とSNSにアップすると、『熊本の人が大変なのに不謹慎です』

 いやはや異常だ。
 過剰反応社会。
 こんなこともあるらしい。

・ジャポニカ学習帳で『昆虫の写真が気持ちが悪い。子供が嫌がる』とクレイム。結果、ジャポニカ学習帳から昆虫の写真がなくなる!
・薪を背負って本を読んで歩く二宮金次郎像→『スマホのながら歩きを助長する』

 すごいなぁ。
 昔ならまったく考えられなかったこと。
 出演者のひとり津田大介さんはこんなことを言っていた。
「昔はテレビで発言すると、『お前の考えは間違っている』という批判が来た。今は内容ではなく、『お前、空気読めよ』という批判が来る」

 すごく息苦しい社会になっているなぁ。
 日本人は同調圧力が強いから特に。
 その根本には、皆が欲求不満状態になっていることがあるらしい。
 誰かを叩いたり、何かを批判することで鬱憤晴らしが出来て、気持ちよくなれる。
 自分は正義感からやっていると思っているから、ドーパミンがどんどん出ている。
 そして承認欲求。
 この感覚はわかる。
 僕は安倍自民党が嫌いで叩いていますが、現実の鬱憤晴らしの面がないとは言えない。
 一応、大きなものしか叩かないという原則は守っているつもりですが。

 次に番組はインターネットのプラスとマイナスについての議論になった。
 まず、プラス面は、『市民が発言権を持ったこと』。
 マイナス面は、先程も書いた『鬱憤晴らしにも似た安易な批判』。

 このマイナス面はさらに加速するらしい。
 出演者のコメントから引用すると、
『灰色を認めず黒か白かをはっきりつけて、相手を徹底的に潰そうとする』
『自分と同じ意見の偏った情報にばかり触れるようになり、それが全世界になる。そして、どんどん偏っていく』
『同質性を強めるようになり、同質性を乱すやつは〝悪〟になる』
『主語が大きくなると、述語が強くなる』

 最後の言葉はどういうことかと言うと、
〝僕〟とか〝私〟という主語で語っている分には主張や行動は謙虚だが、〝我々〟とか〝わが団体〟とか〝わが国〟になると、尊大で傲慢になる、ということらしい。
 なるほど。

 番組の結論は、なんとなく次のような形で落ち着いた。
『異質なものと向き合う姿勢を持とう』
『発言や行動に後ろめたさを持とう』
 よくわかるんだけど、教科書どおりの結論かなぁ。
 そう思っていてもなかなか出来ないのが人間だし、謙虚な姿勢でいたら異質なものはどんどん浸食してくる。
 異質なものを理解しようという姿勢は大切だけど。
 結局は、上に書いたようなことを意識しながら発言や行動していく、ってことかなぁ。
「今の自分は鬱憤晴らしで発言していないか?」
「正義感に酔っていないか?」
 これらのことを意識するとしないとでは大きく違う。

 最後はコメンテイターのひとり壇蜜さんの言葉。
『わたし、自分に対する批判を読むと興奮するんです。わたし、変態でしょうか?』(笑)
 やっぱ壇蜜さん、好きだわー。
 自分を客観視できていて、笑いにもできる。
 本当に頭のいい人だ。
 批判されるとムキになって反論するどこかの首相とは大違い。
 あ、また安倍さんの批判をしてしまった!


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