平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第19回~直虎の危うさが露呈 「殿が今、守らねばならぬものは何だ!?」

2017年05月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 直虎(柴咲コウ)の国づくり。
 経済、教育、外交に続いて、今回は〝裁判(=司法)〟である。

 法に対する直虎の考え方はイマイチかな~。
 知り合いだとか、血を見たくないとか、法の運用にあたっては私情を挟んではならない。
 政次(高橋一生)が言うとおり、井伊は盗人を打ち首にしないとわかれば、盗みは横行するだろうし、知った者なら刑が軽くなるなら同じ罪で打ち首になった者が浮かばれない。

 まあ、権力者は総じて身内に甘いけどね……。
 現在でも、下着泥棒や斡旋利得をしたのに罪に問われない大臣など、不公平をあげれば枚挙に暇がない。
 ……………

 直虎は近視眼的でもあるな~。

「あの男が虎松をさらったりすれば、どうする?
 瀬戸村に押し入ったらどうする?
 殿が今、守らねばならぬものは何だ!?」

 政次は先を読み、将来の禍根になることはことごとく潰している。
 ひとつの判断ミスがどんな影響を及ぼすかを理解している。

 奥山六左衛門(田中美央)も大変だ。
 誰が木を盗んだかで言い争いをする直虎と近藤康用(橋本じゅん)の間に入って、
「盗人を捕まえれば、それで済む話です」
 と必死の調整。
 組織には、「まあまあ」となだめる調整役が必要だ。
 ……………

 直虎には、寺育ちの弊害が出てきてるな~。
 あまりにも世間を知らない。
 人間の悪意というものに疎い。
 俗世に生きるっていうのは血を流し、泥にまみれること。
 人間は欲のかたまりであり、善意だけで生きていたら、たちまち潰される。
 今川と武田の争いなど、直虎にはまったく理解できないだろう。
 政次はこれを「危うい」と言っているわけか。

 とはいえ、オープニングにあるとおり、
 直虎は〝弓矢〟ではなくて、〝花〟で戦おうとするのだろうが。
 ……………

 最後は『おんな城主 直虎』という作品について。
 今回は〝木を盗んだ盗人〟の話だったが、今後もこういう小さな事件が描かれていくのだろう。
 覇権争いといった大きな歴史のダイナミズムではなく、半径5キロで起こった事件。
 歴史を俯瞰ではなく、地面に近いところで見ていく。

 新しい狙いなのだろうが、果たしてこれが吉と出るか凶と出るか?


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6 コメント

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いえいえ (コウジ)
2017-05-17 10:13:25
megumiさん

そうそう堺雅人さんの大河では「新選組!」もありましたね。

瑛太さんの小松帯刀もよかったですね。
見事に〝ロミオとジュリエット〟してた。
『篤姫』は〝シンデレラ〟など、さまざまな物語のモチーフが盛り込まれているんですよね。

>その家老職を務めた人物に興味を抱いて、原泉さんの著書まで買いました。
おおっ、素晴らしい!
僕はゲームですが、『三国志』にハマって一時期、『三国志』関連の本を読みまくりました。

>先週の大いなるネタバレ、申し訳ありませんでした。
いえいえ。
おかげさまで、今回から軌道修正して見ることができました。
ブログ本文にも書きましたが、新しいコンセプトの大河として見ようと思っています。
返信する
同感です (megumi)
2017-05-16 10:50:01
コウジさん  おはようございます。

>あとは家定の堺雅人さん。

そうなんです!
彼の家定が登場してから、ぐ~んと良くなりましたね。
新しい家定像を見せてもらいました。

>堺雅人作品にはずれなし。
1話で挫折した「新選組!」をレンタルしようと思っています。
彼の山南敬助を見てみたいです。

それと、小松帯刀がこれほどの貢献をしたことを初めて知ったのも「篤姫」でした。
「篤姫」以前の幕末ものにも、小松帯刀は必ずキャスティングされてきたようですが
何故か存在感が薄くて気にも留めませんでした。
脚本と瑛太さんが演じることによって「小松帯刀の価値」を知りました。
大藩・薩摩の経済力なくして、討幕は果たせなかったでしょう。
その家老職を務めた人物に興味を抱いて、原泉さんの著書まで買いました。


それから、先週の大いなるネタバレ、申し訳ありませんでした。
TEPOさんが、せっかく伏せていらっしゃたのに
「女の愚かさ」だと、お許しください。 m(__)m
返信する
女性主人公 (コウジ)
2017-05-16 08:48:34
megumiさん

いつもありがとうございます。

>まる前は、大老まで出す家格に成長する井伊家を見届けたかったのですが
そうなんです!
これを期待していました!
過去の大河で言えば、『利家とまつ』や『功名が辻』。
どうもTEPOさんの所でも書きましたが、どうも過去の大河のコンセプトに縛られているようです。

>女性を主役にすると、なんだか緩くなりますね。
これも同感です。
『篤姫』がよかったのは、前半が出世物語で、後半が薩摩と幕府の間で葛藤する主人公というドラマがあったからなんですよね。
あとは家定の堺雅人さん。
堺雅人作品にはずれなし。

今後、もし女性を主人公にするのなら、大きなドラマを抱えた人物にしてもらいたいですね。
返信する
今までの大河と違う方向性 (コウジ)
2017-05-16 08:35:54
TEPOさん

いつもありがとうございます。

先週のTEPOさんとmegumiさんの衝撃の情報により、僕はこの作品の見方を改めました。

おっしゃるとおり、この作品は、軍事・覇権よりは経済・内政を中心に描いていく作品になるんでしょうね。
井伊の領地には、瀬戸村があり、刀鍛冶の村があり、井伊谷があるなどといった領地描写は、これまでの大河にありませんでしたし。

課題はドラマづくりですよね。
次回は<直親の隠し子>。
今までの大河ならスルーか、簡単な描写で済ませた所を敢えて1話割いてやる。
果たして、これが吉と出るか凶と出るか。

「旅の男」は僕も兎丸を思い浮かべました。
瀬戸方久と並んで、面白いキャラになりそうですね。
いささかマンガチックで、リアリティを重視して見ると気になる部分もありますが。

毎回のサブタイトルが映画のもじりであったり、この作品は今までの大河とは違った方向を目指していますよね。
返信する
女性主演にありがち (megumi)
2017-05-15 23:36:04

コウジさん こんばんは。

やはり出ましたね。
「戦はイヤじゃ」 みたいな台詞。

大河ドラマに限らず
男性が頑張って戦っている最中に「止めて!」と叫ぶ女性が居ますが
イライラして仕方がありません。
(意味無く暴れているわけじゃないシーンでの話ですよ)

大河ドラマは初回の「花の生涯」から、見ています。
「天と地と」までは続けて見ましたが、後は見たり見なかったりで今日まで来ました。
始まる前は、大老まで出す家格に成長する井伊家を見届けたかったのですが
かなり苦しくなりました。

女性を主役にすると、なんだか緩くなりますね。
「八重の桜」も会津から京都に移った時点でつまらくなり降りました。
「花燃ゆ」は1話だけ見ました。
「篤姫」は尻上がりに良くなったので、後半は欠かさず見ました。
昨年は、珍しく全話完走の快挙ですが、全て良かったとは思っていません。
秀吉編が丁寧過ぎて退屈しました。
返信する
「軍事」ではなく「経済」? (TEPO)
2017-05-15 21:41:24
>知り合いだとか、血を見たくないとか、法の運用にあたっては私情を挟んではならない。
>政次が言うとおり、井伊は盗人を打ち首にしないとわかれば、盗みは横行するだろうし、知った者なら刑が軽くなるなら同じ罪で打ち首になった者が浮かばれない。

政次のみならず、犬猿の仲である「之の字」こと中野直之も、そしてコウジさんはじめ多くの視聴者も一致して支持する正論。
しかし、直虎には敢えてこれを押し切ってまで「旅の男」(柳楽優弥)を守らせるのでしょうね。
たしかに「吉と出るか凶と出るか」の賭けだと思います。

逆に言えばこの人物は今後相当重要な存在となってゆくのでしょう。
「政次後」を支える「よほど魅力的なキャラ」候補の一人なのかもしれません。
この「旅の男」、「平清盛」における兎丸に似た雰囲気がします。
清盛が海賊兎丸に貿易を任せたように、直虎は盗伐団に林業を任せるような気がします。

>歴史を俯瞰ではなく、地面に近いところで見ていく。

別の角度から言えば「軍事」ではなく「経済」を軸に描いてゆく、というコンセプトかもしれません。

仮にそうだとして、この戦略でどれだけ面白い物語が出来るのか、やはりお手並み拝見というところです。
返信する

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