平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

大前春子 「ハケンの品格」

2008年09月30日 | キャラクター
 DVDで見た「ハケンの品格」。
 毎週テレビで見るのも楽しいけど、一気見の楽しさもある。

 この作品は何と言っても主人公・大前春子(篠原涼子)のキャラクター造型だ。
・お時給3000円のスーパー派遣。社員よりも仕事が出来る。
・履歴書に書ききれないほどの資格・免許。
・残業はせず定時に帰りフラメンコを踊る。
・職場の人間との交流は一切持たない。
・名セリフは「それが何か?」
・さば味噌が好き。昼は500円の定食屋。
・始業前、大前体操をする。
・年齢不詳。テレポーテーションが出来る?

 実に面白い人物設定。
 そしてこれらの設定にはちゃんと理由がある。
 この理由のあることが春子を魅力的にしている。
 資格をたくさん持っているスーパー派遣だけでは人物造型としては薄い。
 その理由とは<自分を守る>ということ。

 具体的には描かれていないが、おそらく春子は過去の派遣生活でつらい思いをしてきたのだろう。
 その中で得た教訓・ルールが
・他人に心を許さないこと→職場の人間と交流を持たないこと
・誰よりも仕事が出来ること→資格はその証。
・与えられた仕事のみをきっちりやり感情に流されないこと

 春子は自分の定めたルールに従って生きている。
 ルールを破れば自分が流されてしまうことを知っているから。
 実は『人を求めていて情に流されやすい自分に戻ってしまう』から。
 『人を求めて傷つくことが怖い』から。
 春子は自分のルールという鎧を身にまとっている。
 これで春子のキャラクターに深みが加わった。

 何か事件が起きた時、春子は迷う。
 自分のルールを曲げて手助けをするべきか?
 これが「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」と違う所。
 黄門様たちは事件を解決する時、迷わない。
 悪を懲らしめることのみに突っ走る。
 そこには何の葛藤もない。
 しかし春子は違う。
 自分のルールを曲げてまでも助けるべきか迷い、それがドラマになっている。
 春子の心の鎧が融けごく僅かだがまわりの人間と交流が出来ていくストーリー展開はなかなか感動的だ。

 今の時代、『心の鎧を如何にはずすか』というのがテーマになっている。

※追記
 名セリフ「それが何か?」は完全に人を拒絶する言葉。
 いろいろな場面で使えそう。
 エドはるみさんも「それで?」という言葉をギャグにしていたが、これはパクリ?

※追記
 この作品に今をときめく羞恥心の上地さんが出演している。
 人柄がいい派遣役で上地さんも地でやっている感じだ。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 篤姫 第39回「薩摩燃ゆ」 | トップ | 男はつらいよ »

コメントを投稿

キャラクター」カテゴリの最新記事