朝霧霊園からの富士山です。

さっきまで山頂の雪を夕陽が朱く染めていました。
朝霧霊園にはもうあるじのお墓はありません。
昨年、暮れの押し迫った頃墓石を取り除き、霊園に返却しました。

わたしの父のお墓に父が一人でいます。
父を一人にしてしまう事に、心が痛みましたが、
両親は富士山の裾野を愛し、この地に家を建て住み着いてしまったのです。

お墓参りも甥達が中心になって続けて行くことと思いますが、
わたしの所は娘だけですから、いずれは無縁仏になってしまう・・・、と
気を病んでいましたら、次女の婿殿が引き継いで行くと言ってくれたのです。

それならばその婿殿にお任せすることが一番良いことと判断し、
横浜の霊園に改装することにしたのです。

朝霧霊園は富士山がはっきり綺麗に見えますし、
春には八重桜がお花のトンネルを造ってくれます。
とっても良いところです。

ただ、バスも何も交通手段が無いのです。
車を使うしかないのです。
タクシーを頼んでも、お参りしていても待っている人が居れば気になります。

かといって、帰りのタクシーはありませんから帰すわけにはいかない・・・。
それで今回お墓を返却したのです。
わたしが運転できなくなったら、母が今の家を引き払ったら・・・、と
考えてしまったのです。

何とも言い訳がましく、言ってしまう私がいました。
珍しくあの母親は何も言いませんが、きっと心底複雑なのでしょうね。
申し訳なく、可愛そうな気がしています・・・。