『メディアを読む』 大坂恭子
今回は市民によるメデイアの話しをご紹介します。
NPJ(ニュース・フォ・ピープルーイン・ジャパン)は、弁護士や学者が市民の立場で立ち上げた。「インターネット市民メデイア」。
ホームページを通じ、マスメディアで報道されない平和や人権に関する出来 事、運動などの情報を市民の視点で発信します。
普段、マスメディアを通じて得られる情報が、政府や大企業の影響下の情報であることを危惧して、3年前から始まったものです。
ホームページを開くと、質・量ともに豊富な情報が得られます。
私の立場から特に紹介したいのは、「弁護士の訟廷日誌」というコーナー。
ここでは、社会的に問題となる事件について、担当弁護士が現在進行形で情報発信しています。
社会的に問題となる事件の裁判は、最初と最後だけが報じられることが多いのですが、実は、現在進行形の事件こそ知らせて、運動につなげたいというのが、発信者の願いです。
受け手の市民も、進行形の事件に触れる方がそれに関わる機会が持て、有意義です。
また、最近は、労働組合、環境団体等、市民運動の側がネット上でたくさんの情報を発信しています。
ところが、ネットを開いた市民にその情報へたどりついてもらうには一工夫必要です。ネットも商業主義に侵され、自発的に検索しない限り,「平和」「人権」などのテーマにはたどりつきません。市民運動それぞれがネットでつながり合い、情報から次の情報へと案内することが重要です。
NPJでは、「注目ニュース」、「お勧めブログ」などのリンクを張り、情報から情報につながる仕組みもつくっています。これにより、市民メディアへと
ハシゴすることが可能です。
今後も、市民発信のメディアが充実し、広がることを期待します。
(おおさか・きょうこ弁護士)
赤旗日曜版