格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

金融恐慌が起こる本当の理由

2009-01-31 20:41:05 | オルタナティブ通信

金融恐慌が起こる本当の理由
「現在の金融恐慌に対する処方箋」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/112303086.html


「厚生労働省元事務次官テロに続いて、全てのフリーターはテロに向かって激走する」、を参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/110375514.html






書物短評 : アンリ・ジャンメール 「ディオニューソス」 言叢社
      : 田中純 「アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮」  青土社



 東京タワーを横から見、写真を撮ると、ほぼ二等辺三角形に見える。「東京タワーは二等辺三角形である」、そう断言し、人間は安心する。二等辺三角形なら「人間は良く知っている」。二つの辺の長さが等しく、内角の和が180度である。

しかし、この断言は、上空から東京タワーを見た時、それが、ほぼ正方形である事を見逃し、その点には「眼を閉じている」。この部分については「認識が闇の中」である。さらに、この断言は、東京タワーが電波等の発信源となっている事も「知らない」。この部分については「認識が闇の中」である。

どのような深遠な哲学も、思想も、このような闇からは逃れられない。なぜなら、人間の認識は、言語であり、記号であり、1つのイメージであり、「自然そのもの」、「対象そのもの」では無いからだ。

 21世紀、経済の世界化・グローバル化によって、全ての自然物・製品が商品として貨幣によって取引される世界市場が成立しつつある。世界全体が商品として、1ドル、100ドルと言った数字=「記号」によって把握される事になった。しかし、通貨は記号であり、売買される「商品そのもの」「世界そのもの」ではない。そのため「認識が闇」の中にある、不可知の部分を持つ。

どのような精緻な経済学も、言語の集積体である以上、この闇から逃れる事が出来ない。この闇によって、経済学と経済政策は常に復讐を受け、失敗し、恐慌を引き起こす。

恐慌は、やがて戦争に行き着く。

 元々、数字には666が悪魔の印、と言った多様な意味が持たされていた(ニュートンは物理学の研究者ではなく、錬金術の研究者であった)。しかし、近代人は、こうした意味を全て切り捨て、東京タワーが正方形であり、電波発信源であると言う点は「見ない事」にし、数字の意味を単一化・単純化して行った。その事によって、複雑な思考を不要とし、「疑う事の出来ない単一の結論」を導き出す計算合理性を入手し、計算速度を手に入れた。コンピューターの出現である。

しかし、数字の織り成す計算合理性の扉は、その余りの単純さ故に、1ミクロンの厚さのアルミホイルで成型されている。その扉の向こうには排除された「世界、自然、人間そのもの」が閉じ込められている。

水深1万mに達した潜水艦のハッチが、水圧で破られるように、数字の合理性で動く市場経済は、必ず崩壊する。水深1万mまで潜水した事が原因であり、世界全体を簡素化し、数値化し過ぎた事が原因である。排除された世界、意味の集積が大き過ぎ、ハッチが「持たない」のである。

ハッチの崩壊と沈没を避けるには、水深100mまで上昇し、時には水を艦内に少量入れ、内外の水圧差をコントロールしなければならない。

 アメリカ中央銀行FRBを創立したウォーバーグ一族の異端児アビ・ウォーバーグ(ヴァールブルク)は、その才能ゆえに若くして、市場経済の「行く末を見切った」。貨幣・言語・記号の複雑な意味を「取り戻すため」、水深100mまで上昇するため、アビは美術史家となる。書物として残されている人類の歴史は浅い。しかし彫像等の美術品、遺跡、壁画であれば、書物よりも古く、古代まで遡る事が出来る。そのためアビは、美術史を選択する。

田中のアビ研究は、アビを通じ無数の古代美術について語りながら、未踏の人類史の闇を記述しようとする。市場主義・合理主義の破綻の末に現れる人類史の闇について語る時、美術評論の白眉は哲学に入って行く(p111)。

 ディオニューソスは、酒と酒宴の神として、農産物等の自然の恵み・豊穣の神として讃えられている。しかしジャンメールは、ディオニューソスを古代ローマ・ギリシアの美術品にまで遡り調査する事によって、そこに悪魔と呪いの神を見出す。地震・ハリケーン・洪水。古代、自然は人間にとって悪魔であり、災害で命を失った仲間からの呪詛の対象でもあった。人類が、地震に耐え得る建築物、治水技術を発達させ、余剰農産物を生み出し、それを酒として加工し楽しめる段階に達し、初めて、悪魔と呪詛の神は、豊穣の神へと姿を変え、穏やかな表情で描き出されるようになった。しかし、中世、近代社会でも、この柔和なディオニューソスの表情が時として半面柔和に、半面凶暴な悪魔として、左右非対称に描かれる。この双つの顔には、「古代に追放され、排除された意味」が蘇って来る。意味は複層化され、左右の顔面=悪魔と神、「対立物は対立したまま、統一される」。神は悪魔であり、悪魔は神である(注1)。

 ジャンメールと田中の仕事は、単に美術史の仕事ではなく、市場原理崩壊後の世界を直視している。それを追跡する事によって、余りに単純化された市場経済の「向こうに在る」、本来の人間世界・自然界を、かいま見ることが出来る。


 なお、CIAエージェントとして自民党創立資金を提供した右翼の児玉誉士夫は、第二次世界大戦中、中国で麻薬販売を行い、その財を築いた。その活動資金出資にはホテル・オークラに名前を残す大倉財閥を通じ、ウォーバーグ一族が関与していた。米国中央銀行FRBと自民党が同一資金源で成立していた事になる。また現在の皇太子妃・雅子一族の企業であり、水俣病で多数の日本人を虐殺した日本窒素肥料=チッソ社の創立資金は、大倉財閥を通じウォーバーグが供与していた。田中のウォーバーグ研究の中に、その一端が語られている事は興味深い。



*注1・・・21世紀の日本にとって、中国は「敵であり、味方であり」、ロシアは「敵であり、味方であり」、アメリカは「敵であり、味方である」。古代美術から「教育を受ける事によって」、21世紀の、リアルな現実が見えて来る。


*追補・・・「東京タワーは二等辺三角形である」、と断言し、正方形、電波発信源の面は「無かった事にし」、複層化した意味の世界から「逃亡する」ために、「世界はイルミナティ、ユダヤによって支配されている」と単純化して見せる逃亡者達は、当然、美術史等は、視野の外に置いている。「本当の事は、見なかった事」にしなければ、イルミナティ陰謀論、ユダヤ陰謀論は成り立たない。

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「かんぽの宿疑惑」を報道しないワイドショーの偏向

2009-01-31 16:15:00 | 植草一秀氏の『知られざる真実』
「かんぽの宿疑惑」を報道しないワイドショーの偏向
「かんぽの宿疑惑」はますます拡大し、ついに日本郵政の西川善文社長がオリックスへの一括譲渡方針を凍結することを表明した。オリックスへの「かんぽの宿」売却が公明正大に正当で最適な方法で決定されたのであれば、日本郵政は関係情報を全面開示して、所管の総務省の了解を取り付けるために全力をあげて行動するはずである。


所管大臣である総務相に十分な資料開示も行わないままに、一括譲渡方針の凍結を発表したことが、売却先決定の後ろ暗さを示唆している。


日本郵政は売却価格が「政府の財産評価委員会の評価額に近く問題ない」としているが、そもそも財産評価委員会の評価額が適正であるのかについての吟味が欠けている。


「かんぽの宿」についての政府の評価額算定では、試算評価額142億円に対して負債が49億円あることから純資産額を93億円としている。オリックスへの売却価格は109億円で、この純資産額93億円を上回っているから問題がないとするのだが、109億円と93億円が極めて近接した金額であることも見落とせない。


政府の資産評価額は収益還元法から算出されたものであると考えられるが、売却条件における再譲渡制限は2年間でしかないとのことだ。2年経過すれば売却されることは排除されていないのではないか。雇用確保が条件とされているとのことだが、雇用についても2年以上の雇用継続が確約されているのだろうか。


売却対象は不動産であり、売却価格算出の最大の根拠が物件そのものの時価評価であるべきことは当然だ。2400億円の費用を投入した物件の売却価格が109億円であることについて、「不当に安い」との判断が生まれるのは極めて常識的である。


この「直感」から出発し、入札にかかる経緯を詳細に精査しようとする総務相の行動は、貴重な国民資産の売却という、国民の利益に直結する問題であるだけに、賞賛されても批判される理由は存在しない。入札にかかる経緯を詳細に精査したうえで、一点の曇りも存在しないことが明らかになれば、その時点で売却にゴーサインを出せば良いだけだ。


日本郵政は現状では株式を100%政府が保有する完全な国有会社である。ということは、日本郵政が売却しようとしている「かんぽの宿」資産は紛れもない国民資産である。国民資産の売却が不透明に実行されることが許されるはずがない。詳細を再調査したいとする総務相に対して向きになって竹中氏がなぜ稚拙な反論を繰り返すのか。竹中氏の不自然な行動に焦点が当たることになるだろう。


日本郵政は「入札を実施した」との形式ばかりを強調するが、問題は形式ではない。入札情報が広く一般に告知されていなければ、「実質的には」ごく一部の関係者だけで情報が共有され、広く一般に情報が行き渡る前に売却にかかるプロセスが進行した可能性がある。


オリックスの購入金額109億円が、日本郵政内部の純資産算定金額93億円をわずかに上回る水準に設定されていることが、まず注目される。公共事業における「談合」が摘発される際、その重要な状況証拠として、落札価格が最低落札価格を小幅上回っていることが指摘される。この金額は、オリックスが事前に日本郵政内部の純資産算定金額を知っていた可能性を示唆するものである。仮にその疑惑が表面化すれば、問題は「道義」の問題から「刑事」の問題に発展する。


また、日本の銀行が不良債権処理を進展させた際に、外資系の不良債権処理業者が「濡れ手に粟」の巨大利益を獲得した経緯と、今回の売却と通じる部分がある。


銀行が不良債権について、銀行内部で貸し倒れ引当金を積み立てて、不良債権の償却を終えてしまうと、銀行は償却後の不良債権評価額以下で不良債権を売却しても追加損失を計上せずに済む。例えば2400億円の債権があったとしよう。ところがこの債権が不良債権化して、銀行が評価額を90億円に修正してしまう。2310億円の損失処理を済ませてしまうのだ。


こうなると、銀行はこの2400億円の簿価の不良債権を90億円以上の価格で売却すれば利益を計上できる。銀行が不良債権を束にして内部で償却し、不良債権処理業者にこの不良債権を90億円+αで売却したとしよう。


外資系の不良債権処理業者はこの束になった不良債権を例えば109億円で買い取り、それぞれ形を整えて、市場で売却した。109億円で買い取った不良債権=担保不動産を例えば500億円で売却できれば差し引き約400億円の利益を懐にすることが出来る。


私は日本で外資系の不良債権処理業者を立ち上げた人物から直接事例を聞いているので、この事業が極めて収益性の高い事業であることを知っている。


企業が財務会計あるいは税務会計上の要請から資産の時価評価を行うことと、資産を売却する際に売却価格を算定する根拠となる基準価格を算定することは、まったく別の事項である。


日本郵政が財務会計上の要請から「かんぽの宿」の時価評価を93億円と算定し、それをそのまま資産売却の基準価格に設定したのなら、その行動は適正でない。日本郵政がこの程度の知識で経営を行っているとしたら、これは国民に対する背信行為になる。経営者を直ちに交代させる必要がある。


日本郵政は株式会社形態に事業運営の形態が変更されたが、現段階では日本政府が株式を100%保有する純然たる国有企業である。貴重な国民資産の売却にかかる事項は、当然、所管大臣、所管官庁、ならびに国会が厳しく監視しなければならない。


日本経済新聞、朝日新聞が総務相批判の社説を掲載し、また産経新聞は竹中平蔵氏の稚拙な反論を掲載した。


①2400億円を投入した国民資産が109億円で売却されようとしていること
②「ラフレさいたま」1施設だけで300億円近い資金が投入されていること
③首都圏9箇所の社宅施設も売却物件に潜り込ませられており、その時価評価だけで47億円にも達すること
などを踏まえれば、オリックスへの109億円での売却方針決定が極めて不透明であることは、誰の目にも明らかである。


 こうしたなかで、さらに驚くべき事実が明らかになった。2007年3月に旧日本郵政公社が売却した鳥取県岩美町の「かんぽの宿」が土地代を含めて東京の不動産開発会社に1万円で売却され、半年後に鳥取市の社会福祉法人に6000万円で売却されたことが明らかにされた。


 これが日本郵政の「かんぽの宿」売却の実態である。


 この問題は、テレビの報道番組が飛びつくべき話題である。日本郵政は100%政府出資の国有企業である。「かんぽの宿」は紛れもない日本国民の貴重な資産である。その貴重な国民資産が、小泉竹中政治と密接な関わりを持ってきた人物が率いる企業に破格の安値で売却される。


 2400億円の資金が投入された全国の70施設に47億円の時価の社宅が付け加えられた物件が、たったの109億円で売却される。「ラフレさいたま」は単独で300億円もの資金が投入されている。その映像など、テレビ番組のために用意されたものと言っても良いほどだ。


 そこに鳥取と鹿児島で1万円売却のニュースが浮上し、鳥取の施設は売却の半年後に6000万円で転売されていたことが明らかになった。


 まさに格好の「ワイドショーねた」である。「わたしのしごと館」を繰り返し報道したように「ラフレさいたま」が実況放送されるのが自然の成り行きだろう。


 ところが、テレビ朝日もテレビ東京も、日本テレビなどは、問題を大きく取り上げない。


 マスメディアは昨年なかばから、「偽装CHANGE集団」に報道の焦点を合わせている。現在は渡辺喜美氏がその中心に位置する。日本経済崩壊の第一級戦犯の竹中平蔵氏に対して、異常なまでの反論機会提供の偏向報道も展開されている。


小泉元首相-中川秀直氏-渡辺喜美氏-竹中平蔵氏-高橋洋一氏-江田憲司氏-田原総一郎氏-屋山太郎氏-三宅久之氏-北野武氏-テリー伊藤氏などが連携して、「偽装CHANGE集団」を形成している。


「偽装CHANGE集団」への偏向報道と「かんぽの宿疑惑報道」とでは、報道の方向が逆行してしまう。これが、「かんぽの宿疑惑報道」が著しく抑圧されている理由だろう。朝日、日経などの報道姿勢も著しく偏向している。


中日新聞(東京新聞)が全国紙で初めて妥当な論説記事を掲載した。「偽装CHANGE報道」と「かんぽの宿疑惑報道」の偏向した対照に注目する必要がある。
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オバマ大統領の「景気刺激策」

2009-01-30 19:04:05 | オルタナティブ通信

オバマ大統領の「景気刺激策」


「大統領オバマを『作り出した、デッチアゲ劇』」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/111748054.html

「日本、迎撃ミサイル実験『成功』の深層」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/73617435.html

「ゴルバチョフ=オバマ大統領の地下道」、を参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/112213076.html




 ヨーロッパにおける自動車販売数が頭打ちになり、北米での販売が急上昇中になれば、自動車会社の経営陣は、当然、ヨーロッパでの販売網の縮小・撤退を考え、北米販売網の拡充と優秀な営業マンの北米「集結・投入」を実行するであろう。

 2008年度の、米国軍事産業の兵器販売総額は「公式」で340億ドル。闇取引を含めると2700億ドル強=日本円で27兆円。この大不況の中、GM等、自動車産業が倒産の危機に瀕する中で、軍事産業は「売上げ前年比45%増」と言う「快挙」を成し遂げている。文字通り米国最大の「成長産業」である。

その中で、最も売上げ「上昇率の著しい地域」が、アフガニスタンである。

「イラクから米軍を引き上げ、アフガニスタンに米軍の主力を『集結・投入する』」。

このバラク・オバマ大統領の、発言は、「どういう事か?」。

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「かんぽの宿疑惑」竹中平蔵氏の稚拙な反論Ⅱ

2009-01-29 19:13:44 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

「かんぽの宿疑惑」竹中平蔵氏の稚拙な反論Ⅱ
「かんぽの宿疑惑」について、1月19日付産経新聞が掲載した竹中平蔵氏による稚拙な反論に対して、鳩山総務相が1月20日の閣議後記者会見で反論した。竹中平蔵氏は鳩山総務相の反論に対して1月27日に再反論した。しかし、その内容は1月19日の主張の繰り返しで、反論としての体をなしていない。


竹中氏は
①「かんぽの宿」は日本郵政の「不良資産」であり、資産処分等の経営判断については、民間の経営者に任せるべきだ、
②宮内氏は「2003年以降の」郵政民営化論議には関わっておらず、正式な売却の手順に従ってオリックスが「かんぽの宿」一括譲渡の決定を受けたのであり、「出来レース」の批判は妥当でない、
と主張する。


まず、竹中氏は「かんぽの宿」を「不良債権」と表現するが、「かんぽの宿」は「不良資産」ではない。全国70箇所の「かんぽの宿」は、全国の風光明媚な優良な観光地に立地する豪華な宿泊施設である。「かんぽ」はこの70箇所の施設を2400億円の資金を投入して入手した。


70施設に含まれる埼玉県の「ラフレさいたま」だけでも、用地費と建設費用は合計で278億円に達する。用度品を加えれば300億円の巨費が投入されている。


社民党の保坂展人議員がブログに「ラフレさいたま」の写真を掲載くださったが、豪華絢爛(けんらん)な施設は、いまも十分、利用に堪え得るものである。


週刊誌報道によれば、一括売却には70箇所の「かんぽの宿」に加えて、首都圏の9箇所の社宅施設が含まれているとのことだ。この9箇所の社宅施設だけでも、土地代のみの時価評価が47億円にも達するとのことだ。


これらの全施設がわずか109億円の安値で売却されることに対して、疑問を抱かぬことの方が、はるかに不自然である。竹中氏は「かんぽの宿」が年間50億円の赤字を計上していることをもって「不良債権」と表現しているが、赤字の大きな原因は、減価償却費が大きいことにもあると考えられる。


取得費用が2400億円にも達することが巨大な減価償却負担を生んでいるのではないか。減価償却費用を差し引いた収支でどの程度の赤字が生まれているのかを見なければ、適正な判断は不可能である。竹中氏は企業経営のこのような初歩的な知識さえ保持していないのではないかと推察される。


減価償却費を差し引いてもなお赤字であるのは、利用料金が低く設定されているか、業務にかかる経常費用が過大になっていることが原因と考えられる。もともと「かんぽの宿」は福祉向上を通じる利用者への利益還元を目的に創設されたものである。その目的を満たすことから利用料金が低く設定されている。収支を改善するための利用料金の見直しや経常費用見直しを実行すれば、「かんぽの宿」の赤字を日本郵政が保有している期間に圧縮することも可能であるはずだ。


「かんぽの宿」は断じて「不良債権」でない。きわめて貴重な、巨額の国民資金が投入された創設された資産である。したがってその売却に際しては、当該資産が適正な価格で売却され、国民に不利益を与えないように、最大の努力を注ぐことが強く求められる。


NTTやJRの民営化に際して株式を民間に売却する際、国民に対して十分な時間を確保し、情報を十分に提供して株式売却が実施されたはずだ。また、売却時期についても、市場環境を勘案して、株価が不当に低く設定される局面では株式売却が延期されたこともあった。


貴重な国民資産を売却するのであるから、国民の不利益が発生しないように、万全の対応が取られることは当然である。その当然の対応を日本郵政が取っていない可能性が存在することが問題とされているのだ。


巨大な資産価値を持つ「かんぽの宿」および「9箇所の社宅施設」が合計109億円で売却されるのは、常識的な判断基準に照らして、あまりにも不自然である。ここに問題が顕在化した原点がある。


竹中氏は「資産処分等の経営判断については民間の経営に委ねるべきだ」と主張するが、日本郵政は民間企業ではない。100%の株式を日本政府が保有する歴然たる国有企業なのである。この国有企業の資産売却について、所管大臣が疑義を差しはさむことは当然であるし、国会が問題として取り上げることも当然だ。


巨大な資産価値を保有する貴重な国民資産が不当に低い価格で、規制改革に関与した人物が代表を務める企業に払い下げられようとしているから、問題が顕在化している。


①問題となっている「オリックス」が株式の過半を外国人が保有する外国企業であること、
②「かんぽの宿」売却についてメリルリンチ日本証券がアドバイザーとして選定されていること、
③オリックス会長の宮内義彦氏が総合規制改革会議議長を務めた経歴を有し、「規制改革は最大のビジネスチャンス」を持論としていると伝えられ、『小泉改革を利権にした男』と題する著書が出版されてもいる。宮内氏が会長を務めるオリックスが一括譲渡の売却先に選定されたこと、
を踏まえて、所管大臣が譲渡方法の選択や入札の詳細を精査しようとすることは、順当である。


 1月22日付記事にも記述したが、形式上は「競争入札」の形態が取られたとしても、入札情報が十分に広く告知されず、実質的に「出来レース」であったとの疑惑を払拭できないのだ。


 メリルリンチ証券とオリックスとの関係、オリックスに対する支配権を有しているとされる米国の投資ファンド・サーベラスとメリルリンチ日本証券の関係など、チェックしなければならない事項は多い。


 重要なことは、国民の貴重な資産を売却するのであるから、情報が広く公開され、透明性の高い方法で売却が実施されることなのである。竹中氏は形式論だけを主張し、国民の利益を極大化するために不可欠な論点を素通りしている。


 向きになって稚拙な反論を繰り返すことが疑惑をさらに強めていることに竹中氏は気付いていないのだろうか。日本郵政の資産売却には、不自然で不透明な部分があまりにも多い。マンション用地の売却についても再調査が必要になった。竹中氏は自らパンドラの箱を開けて墓穴を掘りつつあるのではないかと推察される。


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思慮を欠く小泉元首相一院制提言

2009-01-28 16:53:17 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

思慮を欠く小泉元首相一院制提言
衆参両院の統合による一院制移行を目指す自民党有志の議員連盟(会長・衛藤征士郎元防衛庁長官)の総会で、1月16日、同連盟顧問の小泉元首相が「この議連を一院制への原動力にしたい」とあいさつした。同連盟は次期衆院選での自民党の政権公約(マニフェスト)に盛り込むため、4月をめどに提言をまとめる方針を決定した。
 総会では、同連盟会長の衛藤氏が提示した、
(1)議員定数を現在の両院合計722から500に削減
(2)選挙制度を都道府県単位の大選挙区制度に変更
(3)2019年に移行
の案をたたき台に議論を進めることを決めた。


民主党元参議院議員である平野貞夫氏がメルマガ記事「小泉元首相らの気狂い騒ぎに直言する」で指摘するように、国会議員を3割削減する提言は、「不況に苦しむ国民にとって、役に立たない国会議員や政党を懲らしめる格好の主張」である。


提言は、現在の「ねじれ国会」に不満をつのらせている国民に結構支持を受けているが、平野氏はこの点について、「これがきわめて危険な政治の兆候であることが、マスコミ・有識者にわかっていないことが、日本の悲劇である」と指摘している。


「カナダde日本語」の美爾依さんも、1月17日付記事「1月の麻生内閣支持率と一院制」で、
「本来は、国民の僕である政治家の数を減らすことは、ますます官僚のやりたい放題になるわけで、全く賛成できない。これまでも、小泉の言うことに従ってきて、恐ろしい目にあっている国民が小泉の言うことに耳を傾けるとは思わない」、
「衆院選では一院制を主張する小泉チルドレンはみな落選させるべきだ」、
「議員数が722から500に削減されるということは、地方の議員数が減り、いまでさえ、地方の声が届きにくいのに、この上議員数を減らしたら、ますます届きにくくなる。逆に東京、大阪、神奈川などの大都市に議員が集中し、ますます都心と地方の格差が広がることになる」
と述べて、小泉元首相提案を批判している。


米国の「大統領制」に対して日本の政治制度は「議院内閣制」と呼ばれる。11月28日の党首討論で麻生首相は「議院内閣制」を「議会制民主主義」と間違えたが、日本では議会が内閣総理大臣を指名して内閣が組織される。この内閣が行政権を担う。


一般に「大統領制」における大統領は強大な権力を有すると理解される。大統領は国民から直接選出されており、強いリーダーシップを発揮しうる。大統領は議会決定に対する拒否権なども保持している。


しかし、「政治権力」に対する抑制力の面から捉えると、米国の大統領制が「権力を抑止する」側面を強く持つのに対して、「議院内閣制」は「権力を創出する」側面を強く持つと理解されている。


それはなぜか。


「大統領制」では大統領選出と議会議員選出が独立している。大統領が所属する政党が議会で多数を確保するとは限らない。オバマ政権の発足時点では民主党が上下両院で過半数を確保しているが、比較的珍しいケースである。


「大統領制」は強い権限を持つ大統領に対して、議会に大統領の権力を牽制(けんせい)する役割を担わせているのである。大統領制は「権力を抑制する」側面に配慮した制度である。


これに対して、「議院内閣制」では、通常、議会多数派から内閣総理大臣が選出される。議会の多数派と内閣総理大臣の所属会派は一致することが通常である。内閣の提案は議会で承認され、政治の運営が円滑に進む。「議院内閣制」は「権力を創出する」側面を強く持つ。


内閣総理大臣は裁判所の人事権を有している。したがって、内閣総理大臣が保持する権限を最大に活用すると、三権を掌握することも不可能ではなくなる。小泉元首相は自分の意見に反対する自民党議員を党から追放し、刺客を放つ行動を取った。民主主義政党の党首としての行動を逸脱していたと言える。


議院内閣制の下で「権力濫用者」が首相に就任することが、「民主主義の危機」とも呼べる極めて危険な事態を引き起こすことが判明した。


「権力を創出する」側面を強く持つ「議院内閣制」を採用する国では、何らかの形で「権力を牽制する」仕組みを備えることが重要である。


2005年9月の総選挙で国民は自民党に多数の議席を付与した。国民全体が集団催眠にかかったような、異常な状況下で自民党は多数の議席を確保した。マスメディアが集団催眠に大きく貢献したことも見逃せない。「権力を濫用する」首相は、電波をも支配し、政治権力に有利な情報操作を実行した。


一院制下の議院内閣制が採用されると、このような局面で、政治権力が暴走することを防ぐことができなくなる。国民が常に冷静に、最適な投票行動を示す保証はない。集団催眠、集団ヒステリーに陥れば、2005年9月のような選挙結果がもたらされることも生じ得る。


2007年7月の参議院選挙で、国民は参議院の過半数を野党に付与した。国民は2005年7月の投票行動が誤りであったとの意思を表示したのである。たった一度の選挙結果に国の運命をすべて委ねることには極めて大きなリスクが付きまとう。


こうしたことを踏まえると、議院内閣制を採用している日本が、二院制を採用していることは賢明である。特定の政治勢力に強い政治権力を付与するに際して、一定の時間的猶予が国民に与えられるからだ。


現在、衆議院では自公が、参議院では民主、共産、社民、国民の野党が過半数を確保している。次期総選挙で国民が野党に強い政治権力を付与しようとすれば、国民は野党に衆議院の過半数を付与するだろう。野党に強い政治権力を付与する選択をしなければ、野党に過半数の議席を付与しないだろう。


たしかに、現在のような「衆参ねじれ現象」の下では、政治の意思決定が遅れやすくなる。しかし、それは「政治権力の暴走を防ぐコスト」である。政治権力は議会で圧倒的多数を確保すれば、憲法改正を実現できる強大な力を保有することになる。憲法改正などの問題で誤りは許されない。


権力が暴走し、国民が不幸の地獄に引き込まれることを防ぐために、一定の安全装置を備えることは賢明な選択である。


一院制が実施されれば、政治が極端から極端に振れることが誘発されやすくなる。選挙がごく短期間の熱病的な空気の変化に大きく左右される現実を踏まえても、一度きりの選挙に国の運命をすべて委ねてしまうことは危険である。


衆参ねじれ現象を、時の政治権力に対して、野党の意向を十分に汲み取って政治を運営することを、国民が要請している局面と理解するべきである。福田首相も麻生首相も主権者である国民の意思を踏みにじる行動を示して窮地に追い込まれている。国民の6-8割が反対する政策を強行実施すれば、その咎(とが)は必ず自分に帰ってくる。


「衆参ねじれ」から次にどう進むか。それを選択するのは国民だ。次期総選挙で国民が野党に衆議院の過半数を付与するなら、それは覚悟の選択である。一時的な熱病による選択ではない。野党は国民の選択を受けて、本格政権を樹立する正当性を確保する。


「カナダde日本語」の美爾依さんが指摘するように、国会議員の数を減らすことの弊害を考慮するべきだ。膨大な無駄を生んでいる「天下り」は根絶するべきだが、国民にとって最も重要な機関である国会の機能強化を考えるべきだ。無駄を排し、重要な事項に資源を集中して配分する、メリハリが重要である。定額給付金政策を検討する際にもこの視点が問題になる。


参議院を有効に活用する知恵が求められている。


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日本にファシズムを拡大させようと画策する者達の正体

2009-01-27 23:12:28 | オルタナティブ通信

日本にファシズムを拡大させようと画策する者達の正体


 インターネット上で、オバマ大統領を暗殺すると公言していた「白人至上主義」団体の男が、米国で逮捕された。男は「黒人がアメリカ大統領になる事は許さない」と絶叫し、また黒人・ユダヤ人等への人種差別発言の書き込みをインターネット上で繰り返していた。オバマへの賛否は別として、米国社会の底流に、汚泥のような人種差別感情が蓄積しており、そこから発生する有毒ガスが爆発寸前状態になっている事が、こうした事件から見えて来る。

 米国には「黒人帰還運動」とも称される運動が存在する。黒人を「全員アメリカから追放し、アフリカに強制送還しよう」と言う運動であり、「アメリカを白人だけの国家にしよう」という白人至上主義の人種差別運動である。この運動の「主張の通り」になれば、オバマ大統領はアフリカに「強制送還され」、大統領としての地位も剥奪されなくてはならない。なぜなら、白人至上主義者達によれば「黒人には人権が無いのであり、選挙権も被選挙権も無く、オバマには選挙に立候補する権利が、元々無いのであり、オバマが大統領になったことは違法行為」と言う事になるためである。

この「黒人帰還運動」を長年中心となって担ってきたウィリス・A・カートは、「IHR=インスティテュート・フォー・ヒストリカル・レヴュー」、直訳すれば「歴史修正主義」研究所とでも言う組織の創立者の1人であり、その資金提供者、中心人物である。カートは、複数の人間によって創立されたIHRより、より直接的に自己の主張を反映できる別組織として「リバティ・ロビー」と言う組織を運営しており、その事実上の機関紙が「スポットライト」と言う、タブロイド版の新聞である。

日本における、「ユダヤ陰謀論」「イルミナティ陰謀論」を主張する人間達は、この「スポットライト」を主要な情報源とし、この新聞に登場する「論客」の文章を「日本に翻訳紹介する事」で「生計を立てて」いる。

1980年代から、日本における「ユダヤ陰謀論」「イルミナティ陰謀論」の代表的論客であった宇野正美は、ウィリス・カートの人種差別・白人至上主義の組織の名前の通り「リバティ研究所」という組織を経営している(注1)。また2009年現在、その著書の中で「ユダ公」等とユダヤ人に対する蔑称を平然と使う「ユダヤ陰謀論」「イルミナティ陰謀論」の代表的論客は、「スポットライト」の論者達と「連絡を取りながら、その論者達の翻訳本を量産し、同時に日本でも「歴史修正主義」を名乗る「学会」なるものを経営している(注2)。

 ウィリス・カートは元々、米国の白人至上主義組織ジョン・バーチ協会に所属していた。この組織は、ジュースの製造企業として有名なウェルチ一族のロバート・ウェルチが創立した組織であり、第二次世界大戦中は、このジョン・バーチ協会に所属するキリスト教原理主義教会の宣教師達が、「布教目的と称して」多数、中国に渡り、米国OSS(現在のCIA)の対中国・諜報員(スパイ)として活動した。第二次世界大戦中、未だ内戦中であった中国大陸の、共産党支配地域に日本のゼロ式戦闘機が墜落した際、このバーチ協会のキリスト教原理主義教会宣教師が、「中国共産党首脳への太いパイプ」を利用し、その戦闘機を入手し、米国本土でゼロ戦を研究し、米国空軍の対日戦術が形成された事は有名である。

ジョン・バーチ協会は、事実上、キリスト教原理主義教会と一体であり、米軍・CIAの「下部組織」であり、「中国共産党政府幹部への太いパイプ」によって米国の対アジア・中国戦略の「要」を担って来た。

このジョン・バーチ協会出身のウィリス・カートの「日本支部」として活動しているのが、日本の「ユダヤ陰謀論者」「イルミナティ陰謀論者」達である。宇野正美はキリスト教原理主義教会の宣教師であり、現在「スポットライト」経由等で入手した「ユダヤ陰謀論」の翻訳本を量産している「イルミナティ陰謀論者」が、その翻訳本の原版の存在を最初に「教示してもらった」情報源も、キリスト教原理主義教会の宣教師である。

このキリスト教原理主義教会は、「日本人を始めとした有色人種は、劣った人種であり、核戦争で絶滅すべきである」と強硬に主張している。

 なぜ、この団体はアジア人=有色人種を、核戦争で滅ぼし、「戦争を起こそうとしているのか」?

ジョン・バーチ協会の資金源は、ハリー・ブラッドレー財団から「支出されており」、この財団は、米国最大規模の軍事産業ボーイング社、その傘下企業ロックウェル社の「下部組織」である。米国最大規模の、この「兵器製造会社」は、戦争による兵器販売の利益を「脱税目的で」、この財団に「帳簿上、移し」ている。このハリー・ブラッドレー財団の下部組織であるジョン・バーチ協会、そこから枝分かれした「リバティ・ロビー」と、その機関紙「スポットライト」が、ユダヤ差別、黒人差別を煽り、世界規模でのアジア・アフリカ・ラテンアメリカの有色人種「絶滅戦争実行」を、「強く主張する理由」は、ここにある。

この組織の機関紙を「日本に翻訳紹介」しているのが、日本の「ユダヤ陰謀論者」「イルミナティ陰謀論者」の正体である。

 軍事産業ボーイングの下部組織であるハリー・ブラッドレー財団は、同時に、ブッシュ前大統領の政策を決定していた「ネオコン派」の機関誌「ナショナル・インタレスト」(アーヴィング・クリストル編集)の最大資金源でもあった。

日本の「ユダヤ陰謀論者」「イルミナティ陰謀論者」達は、911テロ、イラク戦争等を「表向き批判」していたが、その「教則本=スポットライト」と、イラク戦争を実行した「ネオコン派」の、資金源は同一であった。

 「スポットライト」は、先述の「米国の黒人を全員アフリカに強制送還しよう」という主張を行うと同時に、「第二次世界大戦では、米国は、ナチス・ドイツ=アドルフ・ヒトラーを支援し、同盟国となるべきであった」と繰り返し主張し、「そうすれば現在、ユダヤ人、黒人、有色人種(日本人含む)は絶滅され、世界には白人だけの平和な社会が実現していた」と、ナチスを賞賛する記事を繰り返し掲載している。

また「スポットライト」は、76年1月19日付で、「オーストリアで、国際会議が開かれ、本紙の記者が取材した所によると、その会議では、ユダヤ人、有色人種が団結し、世界中の政府を乗っ取るための陰謀工作が立案された」と報道した。この新聞が得意とする「ユダヤの陰謀」「イルミナティの陰謀」である。しかし、この国際会議の主催者から抗議を受け、後に、この記事を書いた「スポットライト」紙の記者は、「この会議には、『スポットライト』からは誰も取材に行っていない事、自分がデマを書いた事を認め」、謝罪を行っている。

「スポットライト」紙は、アウシュビッツの強制収容所におけるユダヤ人虐殺を、「そのような事は、元々、存在しない」と主張し続けている。それは「ユダヤ人の、デッチ上げた、ユダヤの陰謀」であると言うのである。そして「アウシュビッツで使われたチクロンBガスは、猛毒ではなく、ノミ・シラミの害虫駆除用であり、人間には無害であった」、と繰り返し主張している。一方で、「スポットライト」紙は、「アウシュビッツで、猛毒のチクロンBガスが使用されていたら、ユダヤ人の屍体を運ぶドイツ兵にも当然、死者が出る。猛毒のチクロンBガスを、使用できるはずは無い」と主張している。

「スポットライト」紙によれば、チクロンBガスは、猛毒であると同時に無害であり、このガスはアウシュビッツで「害虫駆除」に使用されたが、「アウシュビッツで使われた事は無い」と言う事になる。

85年7月、このガス室問題に関して、ロサンゼルス州高等裁判所は、「デマ情報を流し、関係者に心理的傷害を与えた」として、「スポットライト」紙に、9万ドルの賠償金支払いを命じている。判決は、確定している。

また76年、「政治家についてのデマ報道を流した」選挙妨害で、「スポットライト」紙は連邦政府によって罰金支払いを命じられている。「スポットライト」は、この罰金に異議を申し立てず、従順に「デマを流した罪を認め」罰金を支払っている。

 そして、「スポットライト」は、過去に何度と無く「黒人へのリンチ殺人を行っている」黒人リンチ組織KKKを、「賛美・賞賛する記事」を、繰り返し掲載している。一方で、「スポットライト」には、政府によって認可されていない「高価な抗がん剤=インチキ薬」の広告、「コールガールを自宅まで派遣します」という売春斡旋の広告が、しばしば掲載されている。またメキシコ等から米国に不法入国した人間達向けに「偽造身分証明書を販売します」と言った広告も「スポットライト」には、ひんぱんに掲載されている。

不法入国した「有色人種」が偽造身分証明書で米国に定住すれば、「スポットライト」の主張する「有色人種を排除した白人だけの社会」と正反対の方向に米国は向かうが、この新聞にとって「広告収入」の方が、主義主張より「大事」と言うことが、ここに明確に出ている。

 なお、軍事産業からの資金提供により、このナチスの賞賛を続ける「スポットライト」等の経営者の年収は400万ドル=約4億円となっている。

これが、日本における「ユダヤ陰謀論者」「イルミナティ陰謀論者」達の、「情報源の正体」である。



*注1、注2・・・宇野正美「ヒトラーの逆襲 -日本の未来はゲルマンとユダヤが握っている」ネスコ、p287において、宇野は自分の「リバティ研究所」が米国の人種差別組織「リバティ・ロビィ」の日本支部であり、宇野が日本支部長である、と明言している。

この宇野の「リバティ研究所」のメンバーである、デイル・P・クラウリー2世は、キリスト教原理主義教会の宣教師であり、同時に、米国の「リバティ・ロビィ」と日本を行き来し、相互の「連絡役」を担当している。

また宇野が「翻訳した」事になっている、「ユダヤの陰謀の内幕の暴露物」である、ポール・ゴールドスタイン、ジェフリー・スタインバーグ著「ユダヤの告白 ー日本経済を裏側から見る」 エノク出版、は事実上、訳者と著者3人の共著であると思われるが、ゴールドスタイン、スタインバーグの2名は、リンドン・ラルーシュ発刊である米国の人種差別団体・極右団体の機関紙「EIR」の、諜報(スパイ)部長として、「EIR」に名前が明記されている。

この「EIR」は、日本で「歴史修正主義」を名乗る「学会」を経営している「ユダヤ陰謀論者」「イルミナティ陰謀論者」の機関紙、著書等にも、「スポットライト」と共に、ひんぱんに引用されている。
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山形知事選野党勝利「真正CHANGE」へ力強い一歩

2009-01-26 20:09:56 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

山形知事選野党勝利「真正CHANGE」へ力強い一歩
総選挙の前哨戦(ぜんしょうせん)として「与野党全面対決」の構図で戦われた1月25日投開票の山形県知事選で、無所属新人で民主、社民両党が支援した吉村美栄子氏(57)が自民党支援の現職で再選を目指した斎藤弘氏(51)を破り、初当選を果たした。


自民党王国の山形県での与野党全面対決の知事選で、自民党が支援した現職候補が敗れたことで、次期総選挙に向けて政権交代を求める国内全体のうねりが一段と高くなるのが必至の情勢になった。


敗れた斎藤弘氏は現職2期目の選挙で、敗北は異例である。加藤紘一元幹事長ら同県選出の三名の自民党衆院議員ほか、自民党県議の大半が支援に回った。公明党は自主投票を決定したが、選挙戦終盤では公明党も斎藤氏支援に動いた。


選挙戦終盤には民主党の小沢一郎代表が現地入りして「山形から政権交代を」と訴えた。選挙は終盤まで激戦だったが、当初は斎藤氏が優勢と見られていた。激戦の選挙区に足を運び、勝利を確保するところに小沢代表の強さが如実に示された。麻生政権にとっては極めて打撃の大きな結果になった。


当選した吉村氏は斎藤氏が実行してきた行財政改革の路線を行き過ぎた改革と批判し、「経済性が優先された県政を転換し、対話のある温かい山形を実現する」と訴えた。


小泉政権以降の自公政権が推進してきた「市場原理主義経済政策」、「財政収支改善を優先して国民生活支援を切り捨てる政策運営姿勢」が有権者によって否定されたものと理解できる。


次期総選挙の争点は以下の三点だ。
①「弱肉強食奨励」VS「セーフティネット重視」
②「官僚利権温存」VS「官僚利権根絶」
③「対米隷属外交」VS「自主独立外交」
である。


麻生首相が2011年度の消費税増税にこだわった結果、
④「消費税増税」VS「消費税増税阻止」
の争点が加わったが、実際に選挙戦に入ると、この4番目の争点がクローズアップされる可能性が高い。


新たに公表された毎日新聞および日本経済新聞の世論調査では、麻生内閣の支持率がさらに低下して2割を下回った。不支持率は日経新聞が76%、毎日新聞が65%の高率に達した。


麻生首相は1月25日の大相撲千秋楽の表彰式に参加し、朝青龍に内閣総理大臣杯を授与した。その際、麻生首相は「内閣総理大臣朝青龍明徳殿」と読み上げ、麻生首相が朝青龍関に首相の座を禅譲するのではとの憶測が蔵前では取り沙汰されているとも言われているとか。


小泉政権以降の自公政権は「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の利益だけを追求する政策運営を続けてきた。一般国民の生活は破壊され尽くされてきた。個人所得税は増税され、年金や医療保険の保険料が引き上げられ、医療費の本人負担も大幅に引き上げられた。また、「障害者自立支援法」や「後期高齢者医療制度」が導入され、生活保護政策が圧縮されるなど、経済的弱者に対する冷酷な政策が推進されてきた。


派遣労働の製造業への解禁など、「資本の論理」に沿う労働行政が推進された結果、労働者が生存権を脅かされるような事態が生み出された。


「官(僚)」、「(大企)業」、「外(国資本)」の利益追求「政(治)」を「電(マスメディア)」支配による世論操作で推進してきた「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の利権政治を刷新することが求められている。


政治の刷新は「本格的な政権交代」でしか実現しない。「本格的な政権交代」こそ、2009年の「日本版CHANGE」である。


自公政権は「官僚政治」そのものである。自公政権が「天下り」を根絶することは不可能である。小泉政権、安倍政権、福田政権が公務員制度改革を掲げても、「天下り」に手を入れることをしなかった。安倍政権、福田政権で行革相を担当した渡辺喜美氏も「天下り」を温存する制度改正を誘導した。


次期総選挙で自民党が惨敗する可能性が濃厚になるなかで、「悪徳ペンタゴン」は「次善の策」を模索し始めた。それが、民主党を巻き込んだ政界再編、大連立構想である。


既得権益を守ろうとする勢力は、とにかく与党の一角に何としても留まることに目標水準を引き下げた。


そのための戦術が渡辺新党の創設である。渡辺喜美氏が主張する「天下りの根絶」も「定額給付金の撤回」も民主党などの野党が主張してきたものである。渡辺氏が民主党の政策支持に方針を変更するなら、自民党を離党してそのまま民主党に入党すれば良いだけだ。


行革相に就任しながら、何の成果もあげられなかったことを反省するなら、三年くらいは謹慎する程度の真摯(しんし)さが求められる。


ところが、この渡辺氏をマスメディアがヒーローとして扱い、渡辺新党を全面支援する様相を示している。渡辺新党は民主党分断を狙っているように見える。


そこまで作戦が成功しない場合でも、次期総選挙で民主党、社民党、国民新党の野党三党に過半数を確保させなければ目的を達成する。この場合、渡辺新党がキャスティングボートを握ることになり、既得権益維持に動くだろう。


テレビ朝日番組「TVタックル」が渡辺新党の広報番組と化している。渡辺新党は「小泉一家」、「小泉チルドレン」、「脱藩官僚の会」、「民主党内市場原理主義者」、「自民系知事」の連携によって創設される可能性が高いが、「TVタックル」は完全にこの五つのグループのためのプロパガンダ番組になっている。


この番組に登場する民間人は、ほとんどがこれらのグループの「御用言論人」である。反対勢力には、ほんの申し訳程度の発言機会しか与えていない。


テレビ朝日では「サンデープロジェクト」および「ワイド!スクランブル」などが渡辺新党に対する偏向報道を展開している。


他方、日本経済新聞系列のテレビ東京が「週刊ニュース新書」で偏向報道を展開している。同番組は昨年秋以降、竹中平蔵氏、中川秀直氏、東国原宮崎県知事、渡辺喜美氏をゲストとしてスタジオに招いている。渡辺喜美氏については、昨年12月27日、本年1月10日に番組で取り上げた上で、1月24日に本人出演を実施している。


司会の田勢康弘氏は渡辺氏を絶賛するだけで、ジャーナリストとして渡辺氏に批評を加える姿勢を完全に失っている。テレビ局の報道スタンスが影響しているにしても、あまりにもお粗末な、田原総一郎氏並の番組運営振りである。


マスメディアは政権の移行が生じる場合に、それを自公政権から自民と民主による連立に誘導しようとし始めている。しかし、自民党あるいは偽装自民勢力が政権内部にとどまる限り、本格的な政治の転換、利権政治の刷新を期待することはできない。


民主、社民、国民を軸にする政権を樹立し、完全な政権交代を実現することが必要である。民主党は「資本の論理」を離れて、「労働者=一般国民の論理」を基軸に据えることを明確にした。「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の利権を排除して「一般国民」の幸福を追求する政治を確立することが求められている。


民主党の山岡賢治国対委員長を攻撃するニュースが報道されているが、「悪徳ペンタゴン」は利権維持を目的に、手段を選ばぬ野党攻撃を仕掛け、「偽装CHANGE新党」を軸に、さまざまな揺さぶりを演じてくると考えられる。


国会議員削減、二院制廃止提案などの動きも「くせ球」の一類型である。あらゆる陽動作戦の本質を洞察し、本格的な政権交代実現に向けて総力を結集しなければならない。


山形県知事選挙結果に表れているように、「CHANGE」を求める国民の声は一段と強まっている。「偽装CHANGE」ではなく「真正CHANGE」を実現しなければならない。


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オバマ大統領のボスの思考パターン

2009-01-26 19:52:08 | オルタナティブ通信

オバマ大統領のボスの思考パターン



拙稿「米国次期政権の世界戦略」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/82443432.html


「毒入りギョウザの犯人」より続く。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/93404258.html




書物短評 エドガー・ウィント 「ルネサンスの異教秘儀」 晶文社



 本書はルネサンス美術についての書物である。つまり米国大統領バラク・オバマの外交戦略について書かれた書物である。

近代学問の全ての源流になったとも言える中世ヨーロッパ・キリスト教神学。そのスコラ哲学の思考方法が、プラトン哲学、オルフェウス教、ゾロアスター教等に「因数分解」可能である事を本書は説得力を持って語っている。

キリスト教は、古代の諸宗教・哲学の「ツギハギ」である。それをゴマカシ、全ての始原が、キリスト教であり、キリスト教の「神」であるかのように見せかけるために、バチカンは宗教会議を繰り返し、証拠となる古文書を廃棄し、隠匿して来た。

そのためキリスト教を根源にまで遡るには、文書による証拠が存在しない。そこで様々な遺跡、生活用具、教会内部の宗教儀礼の備品、美術品を分析し、そこにバチカンが異端として排除してきた思考方法を見出し、それこそがキリスト教を「形成してきた事」を証明する必要に迫られる。

 ここで美術史は、政治権力が封印して来た「ヨーロッパ・アメリカによる世界支配原理」であるキリスト教の秘密を暴露する、「反権力の営み」となる。

 アフリカのライオンは、シマウマを食べる。「力関係」では圧倒的に、ライオンの勝ちである。しかしシマウマを食べ尽くし、「皆殺し」にしてしまうと、ライオンは食糧不足で種の絶滅の危機に立たされる。ライオンは決して自己の勝利を誇るために、シマウマを「大量虐殺」はしない。勝者は敗者を、「決定的に敗北させず」生かしておく。その事によって勝者も、「生き延びる事が出来る」。

勝者は決して「勝利宣言せず」、勝利に酔いしれず、敗者は滅亡するほど敗北せず、十分に豊かに生存を享受する。勝敗の「結論は永久に出ない」。

このライオン、シマウマ、2つの種は、対立したまま、自然界の秩序の中で「統一」されている。

勝敗は決せず、永久に対立・抗争が続く。「対立物は対立したまま、統一される」。

 様々な美術品において「男であると同時に女であり、男性器と女性器の両方を持つ人間」が描き出され、王様にして浮浪者の人間が描き出される思考方法は、ここから出て来る。

この思考方法を「矮小化し、単細胞化」すると、善と悪が2分し、善は常に善であり、悪は常に悪であり、最後は善が「必ず勝利する」と言う、キリスト教が出て来る。善は善であり、悪は悪であり、善が勝利する=「結論が明白に出る思考形態である」。

 「問題を提起し、その結論を提出する」。「結論が明白に出る」この思考方法の下では、「独裁者が社会を支配する」。正しい結論が決まっている以上、その結論を出した人間は「絶対的に正しく」、皆が、その意見に従うしか方法が無い。ここでは「正しい結論を出した独裁者」に、皆が従う社会が形成される。

近代科学の、この思考方法は、キリスト教から「もたらされ」、アメリカ合衆国は絶対的に正しいのだから、それに逆らうイラク・サダムフセインは絶対的に悪であり、戦争を起こし滅ぼし処刑して良い事になる。

 そのアメリカ一国支配(独裁支配)の時代は終わろうとしている。

キリスト教神学の支配に対し、美術史を武器に、この「問題提起、結論提出型」の思考方法の解体に挑む著者ウィントは、イコノロジー研究の始祖パノフスキーの弟子である。パノフスキーが、ギリシャ(ロシア)正教内の美術品、イコン研究に向かったのは、ロシアに、バチカンとは異なるキリスト教の源流思考が残っていたためである。

「途中から」キリスト教を国教とした古代ローマ帝国は、後に東西に分裂し、西ローマは早々に滅亡し、東ローマ帝国はビザンツ帝国と名前を変えた。その末裔として、1917年、ロシア革命で滅びるまでロマノフ朝ロシア帝国には、キリスト教化以前の文化・宗教が色濃く残って来た。バチカンは宗教儀礼について、しばしばギリシャ正教に問い合わせ「教えを請うている」。正統派の権威はロシアにあった。

ボスの権威と地位に「嫉妬したバチカン」と、ロシアの資源・美術品に「目がクランダ」ロスチャイルドによって、その使徒レーニンに使命が与えられ、ロシア共産主義政府が樹立された70年余りの「中断を経て」、2008年、プーチンはロシア帝国の復活を画策し始めている。その思考方法は、キリスト教の短絡思考ではない。「対立物を対立したまま、統一する」思考方法である。

プーチンは、日本、中国、アメリカと友好関係を持ちながら、平然と友好国に戦争を「ケシカケル」であろう。ロシアは、日本と戦争しながら同時に、日本に兵器と軍事用燃料を提供し、日本に核ミサイルを撃ち込みながら、日本がロシアに撃ち込む核ミサイルを日本に売るであろう。そこには何の矛盾も無い。「敵は味方であり、味方は敵である」。

ライオンが、シマウマを食い殺しながら、決して、シマウマを絶滅させないように、日本と戦争を行いながら、日本を滅ぼさないように兵器と燃料を与える。

永久に闘争を続ける事が大事である。永久に続く戦争は、永久に続く軍事産業の利益である。

 一方、キリスト教化以前の思考方法をユダヤ教タルムードから学んだ、オバマ大統領のボス=ズビグニュー・ブレジンスキーは、世界を米国・ヨーロッパ・アジアに分割し、「相互に永久に紛争と闘争を行わせる」事で、バランス・オブ・パワーによる世界秩序を形成しようと考えている。

永久に続く戦争によって、戦争は軍事産業による世界経済のエンジンとなり、冷戦であれば各地域での「徹底的な国内管理体制」の創出に寄与する事になる。また戦争が永遠に続く事によって「世界人口は適正規模に減少」し、食糧・エネルギー問題、二酸化炭素排出量問題も解決し、環境保護が実現する。

絶え間なく続く戦争によって人口・食糧・エネルギー・環境問題は解決する。それがズビグニュー・ブレジンスキーの思考方法である。

「人類を絶滅させる事が、人類存続の唯一の方法である」。虐殺は存続である。戦争の永久継続が、バランス・オブ・パワーによる世界平和である。戦争は平和である。



 なお、ロシア革命後、西側のスパイが多数、共産主義ソ連に入り込み、ロシア正教の美術品を購入し「保存してきた」。共産主義によって破壊・封印されようとする「思想・秘儀」を、自分達だけは「確保し伝授を受けよう」として来た。この美術品、「秘儀の確保者」の代表がロスチャイルドであり、ソ連に入り込んだスパイの代表が、雑誌「フォーブス」のフォーブス一族である(注1)。

そして、この秘儀の「収集・分析・分類」に当ったのが、ロスチャイルドの盟友=米国中央銀行FRBの創立者ウォーバーグ一族である。その活動は、著名な美術史家アビ・ヴァールブルク(ウォーバーグ)に印されている。ウォーバーグは、本書の著者ウィントの第二の師匠である(注2)。



*注1・・・この対ロシア諜報活動によって、フォーブス一族には根強くロシア復活・ロシア防衛を待望するグループが出現し、そのリアクションとして反米主義を強硬に主張する結果になる。日本で「評論家」として活動する元フォーブス・アジア太平洋支局長等が、その代表例である。

*注2・・・E・H・ゴンブリッチ 「アビ・ヴァールブルク伝」 晶文社

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密かに進む日本の核兵器開発

2009-01-25 08:17:30 | オルタナティブ通信

密かに進む日本の核兵器開発


「ロシア軍の北海道上陸作戦・・・イスラエルのガザ進撃のエネルギー源」より続く。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/112940911.html




 中曽根康弘.元首相が科学技術庁長官時代に.極秘に始めた.日本政府の核兵器開発は.既に実用化段階に入っている。

この日本の核兵器開発には.イスラエル企業の在日法人である日本パナメトリクス株式会社等が協力して来たが.近年.日本が.米国を無視し.独自開発路線に走るのではないかと.米国のイスラエルロビー=イスラエル支持派が動き出している。

日本が米国に依存せず核兵器を実用化する場合.米国イスラエル・ロビーが最も懸念しているのが.ロシアと日本が協力するのではないか.という点である。

 そのため.イスラエルの核兵器軍事産業の技術者養成と.情報将校(スパイ)養成の母体となっているテルアビブ大学カミングス・ロシア東欧センターと.密かに交渉を続けて来た.日本の外務省の.「優秀な」ロビイスト達は.様々な理由を「捏造され」.多くが既に.外務省をクビになっている。米軍スパイ軍事組織.アメリカ陸軍第500軍事情報大隊の「勝利」である。

 日本本土を舞台とした.米国とロシアの「情報戦争」は.激化の一途を.たどっている。

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うつ病と無差別通り魔殺人の深淵

2009-01-24 17:48:50 | オルタナティブ通信

うつ病と無差別通り魔殺人の深淵


「厚生労働省元事務次官テロに続いて、全てのフリーターはテロに向かって激走する」、

http://alternativereport1.seesaa.net/article/110375514.html


「現在の金融恐慌に対する処方箋」より続く。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/112303086.html




書物短評 : キャスリーン・コーエン  「死と墓のイコノロジー」   平凡社



 14C~16Cのヨーロッパの墓には、死者の肉体が腐敗しガイコツになって行く、無気味な彫刻=「トランジ像」が彫り込まれている。

フランスのルイ12世等の国王の墓石に、なぜ、このような不気味な彫刻が行なわれたのか。

当時のヨーロッパ人達は、国王の墓に、そのような彫刻を行う事は「失礼、無礼」とは思わなかったのである。「人間は、いつか死ぬ存在であり、どれ程、権力と富を持っていても、最後は死に、醜いガイコツになる」。国王=権力者も、その家族も、このように自分たちの富と権力を「内心、嘲笑していた」。社会全体も、富と権力を、そのように考えていた。従って王族、社会全体が、このような彫刻を墓に行う事を「是」と考えていた。

 中世ヨーロッパでは、王権は世襲され、「富と権力は一時的なもの」という考えは形式のみであり、実態的には、王族の世襲で富と権力は永続して行った。

しかし古代にまで遡ると、王は「定期的に皆にリンチ殺人」される事が義務となっている社会が散在する。権力の永続化が、こうして阻止され、王は殺され、神の下に行く事で、その「偉人性」を完結させる。王が余りに善人で誰も殺そうとしなければ、王は自分から自殺し、その役割を完結させる。

社会全体のシステムが、「この世の富と権力は一時的なもの」と語っていた。

社会のシステムの中に「死」が、明確に組み込まれていた。

 そこでは、人間は、現世に執着しないため、現世の「利便性」は追及されない。

科学技術によって生活の利便性を高めようとは考えない。

近代社会に入り、「この世の富と権力は一時的なもの」という考えが失われ、現世への執着が強くなる事によって、科学技術は発達した。

人間が「死すべき生き物である」という自覚を無くした時から、科学技術の発達が始まった。

 近代社会は「死の無自覚」から始まった。未開の古代・中世社会の「無知」から脱出し、知識と文明の近代が始まったのでは全く無い。

古代・中世の「死の自覚」の知識を、失い、忘却し、「無知の暗闇に落ち込む事」によってこそ、現代社会は始まった。

 王の死、家族の死、知人の死、自分の少年時代の終わり=死、青年時代の終わり=死を示す社会的儀式・システムにより、日常生活に「死の自覚」が織り込まれている社会。そこでは死の自覚の度に、富と権力は否定され、批判され、富者=権力者が貧者・民衆を支配し、暴力を加え、侮辱する事への強烈なタブー=禁止が、社会全体に焼き付けられる(注1)。

この死の儀式の間、人間は、富者・貧者といった社会秩序から解き放たれ、自由になり、そこで「擬似的に死を体験し、その中で生と死、社会、自分の人生の意味」について沈思黙考、再考する。

 このシステム・儀式は、近代社会では失われた。

そこでは、富者・貧者といった社会秩序から解き放たれ、自由になり、「擬似的に、あるいは本当に死を体験し、その中で生と死、社会、自分の人生の意味」について沈思黙考、再考しようとする「闇に向かう強烈な力」、デモーニッシュな力が、社会システムに認知されない「非合法で破壊的な暴力性を持って」、人間個々人を捕らえる。ウツ病、引きこもり、自殺、無差別通り魔殺人である。

 近代社会が古代・中世に置き忘れてきた知識、現代社会の無知によって、今、社会は「復讐を受けている」。





注1・・・数十兆円の貯蓄を持ちながら、わずか数百億円の「コストカット」のために派遣サラリーマンを解雇する、数百万円の貯金がありながら、わずか3万円のために多くの人間を失職させ路上生活へと「放り出す」現代の日本企業と、それを合法化した日本政府の「派遣業法」が、こうした「人間存在そのものへの侮辱」を典型的に示している。




参考文献

フィリップ・アリエス 「死と歴史」  みすず書房

    同      「死を前にした人間」  みすず書房

    同      「図説 死の文化史」   日本エディタースクール出版部

エルンスト・カントーロヴィッチ 「王の二つの身体」 上下  ちくま書房 

ピエール・クラストル 「国家に抗する社会」  水声社

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