格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

安倍政権こそ悪夢。全てを信用できない国にした宰相の重大な責任

2019-02-28 12:43:03 | 阿修羅


安倍政権こそ悪夢。全てを信用できない国にした宰相の重大な責任
https://www.mag2.com/p/news/387489
2019.02.22  新恭(あらたきょう)『国家権力&メディア一刀両断』 まぐまぐニュース

自民党大会での「民主党政権は悪夢」との発言が波紋を呼んだ安倍首相ですが、何もかもが信用できない国に成り果てた悪夢の元凶は安倍首相しかいない、とするのは元全国紙社会部記者の新 恭さん。新さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、その一例として「6割の自治体が自衛官募集に非協力的という悲しい状況を変えるため」という首相が持ち出した改憲理由等の「度が過ぎたこじつけ」を挙げ、現政権を厳しく批判しています。

安倍政権という「悪夢」

「毎月勤労統計」不正の調査報告書を読んだかどうか質問した野党議員に、安倍首相はこう答えた。

「総理大臣ですから、森羅万象全て担当しておりますので、日々様々な報告書の全てを精読する時間はとてもない」

どうやら、わが国の総理は、宇宙のあらゆる現象に目を配っていて、足元の重大事など、どうでもいいようである。

何のテレビ番組だったか、ある識者いわく。「民主党政権が悪夢なら、安倍政権はもっと悪夢かも」。

憲法解釈を好き勝手に変えたばかりか、権力維持のためなら決裁文書の改ざんや、統計の偽装など朝飯まえだ。

憲法解釈も、公文書も、統計も信用できない国に成り果てた。この悪夢の元凶を挙げるとすれば、安倍首相しかないのではないか。

あのウソつきで自分ファーストのトランプ大統領を、こともあろうにノーベル平和賞に推薦するなんて、とても普通の神経ではできない。

トランプ氏は得意満面に言う。安倍首相から受け取ったノーベル賞委員会あての手紙のコピーは美しい文面だったと。「私はあなたを推薦した。日本を代表し、あなたにノーベル平和賞が授与されるよう謹んで求めている」。

佐藤栄作氏がなぜ受賞したのかわからないのと同じように、安倍首相の考える推薦理由がわからない。

たとえ頼みの米大統領にお願いされたとしても、主権者たる国民に断りもなく「日本を代表して」とは、よく言えたものだ。われわれはトランプなんぞに媚びへつらいたくない。

とはいえ、外ではトランプやプーチンに擦り寄りながら、内では外交力を誇り、野党に居丈高なのが、安倍首相らしさといえる。

国会では、こんなことがあった。2月13日の衆議院予算委員会。本多平直議員は安倍首相が最近しばしば講演などで持ち出すエピソードについて、質問した。


本多 「下関の講演などで、父親が自衛官である少年が、お父さんは違憲なのかと言って涙を浮かべたのです、という話をされていますが、これは実話なんですか」

安倍 「実話であります」


自衛官の子供たちは今の現行憲法のもとで辛い思いをしている。これでは、あまりにかわいそうではないか。だから、憲法を改正して自衛隊を明記しなければならない。そう安倍首相は言いたいらしいのだ。


本多 「どこで、いつごろ、どういう方から聞かれた話ですか」

安倍 「あの、これはあの、防衛省から聞いた話であります。いま具体的に氏名を挙げることは差し控えたい」

本多 「私の実感と違うんですよ。私は小、中学校と、自衛隊の駐屯地のそばで育ちました。たくさん自衛官の息子がいて、こんな話が出たことがないんですよ。ほんとにこんな話があるのなら、その子供を説得しないといけないですよ。お父さんの仕事は憲法違反じゃないよと。自衛隊は憲法違反だと言っている政治家は誰ですか」



本多議員の言うことはもっともだ。災害救助に駆けつけ風呂まで提供してくれる自衛隊を蔑むようなことを言う日本人がいるとは思えない。ところが、安倍首相はいきなり感情をむき出しにして罵りはじめた。


安倍 「本多議員は私の言っていることを嘘だと言っているんでしょ、それ。それは非常に無礼な話ですよ。嘘だと言ってるんでしょ、あなたは。本当だったらどうするんですか、これ」


無礼だの、本当ならどうするだの、恫喝まがい。呆気にとられたような顔をしつつ、本多議員はこう切り返した。


本多 「議事録を見てください、私、嘘って言いました?いつどこで聞いたんですかと聞いているんですよ。例え話なのか実話なのか、と聞いているだけですよ」

安倍 「嘘だということを前提に言っている。そんなこと、私が嘘を言うわけがないじゃないですか。あまりにも全面的に人格攻撃じゃないかと思う」


作り話じみたものについて、たとえ相手が一国の総理大臣であろうと、いや、そうであればこそ、真偽を問いただすのが議員の務めである。

それを、人格攻撃だと非難し激昂するのは、尋常ではない。よほど痛いところを突かれているのだろう。

そもそも、たとえそんな話が事実であったとしても、憲法改正の理由にはならない。

だが、安倍首相の真骨頂は、不自然さなどおかまいなしの理屈をひねり出すところにある。

2月10日の自民党大会で安倍首相は以下のように新たな改憲理由を持ち出した。


残念ながら、新規隊員募集に対して、都道府県の6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態があります。地方自治体から要請されれば自衛隊の諸君はただちに駆けつけ、命をかけて災害に立ち向かうにもかかわらずであります。皆さん、この状況を変えようではありませんか。憲法にしっかりと自衛隊と明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか。


この発言に関する論点はいくつもある。

都道府県の6割以上が自衛隊員募集への協力を拒否している、というのはどういうことか。かりにそれが事実だとしても、憲法に自衛隊を明記すればその問題は解決するのか。違憲論争に終止符と言うが、どれほどその論争が活発に行われているのか、などだ。

まず自治体の協力の問題について。防衛省の認識はこうだ。

全国1,741の市区町村のうち、2017年度に住基台帳の個人情報を、紙や電子データで提供したのは36.3%、住基台帳の閲覧を認めているのが53.5%で、ほぼ9割の自治体がなんらかの協力を行なっている。

ところが、安倍首相にすれば、紙や電子データにして渡してくれるのがあたりまえで、閲覧程度では「協力拒否の悲しい実態」であるらしいのだ。

命をかけて災害現場に駆けつけるありがたい自衛官が、わざわざ閲覧して名前や住所を書き写す労力を余儀なくされるのはかわいそうだ。自治体に自衛隊への感謝の気持ちがないからそうなるのであって、その原因は憲法に明記されていないからに違いない。だからこそ今、憲法改正が必要なのだという理屈であろう。

だが、そんな問題だろうか。「国のために命をかけよ」と説く安倍首相の心中では、個人情報など軽いものなのかもしれないが、自治体は個人情報を守る法律や条例を重んじる立場上、たとえ自衛隊の要請といっても、簡単には応じられないのだ。

住民基本台帳法には、国や自治体が法令で定める事務の遂行に必要な場合に限り、台帳に記載されている個人情報のうち「氏名・生年月日・性別・住所」の写しの「閲覧」を認めると書いてある。「閲覧」は認められるが、それ以上の協力は法的にできないのである。

つまるところ、安倍首相は法律に違反してもいいから自衛官募集のためにサービスをするよう自治体に強要しているようなものだ。

どうして、こんな珍奇なことを首相ともあろう人が言い出したのか。朝日新聞に答えが載っていた。

あの櫻井よしこ氏が共同代表兼広告塔をつとめる日本会議系「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の大会が昨年12月5日に開かれ、チラシが配られたという。それに関する次の記述。


チラシには、東日本大震災で救助活動にあたる自衛隊員の写真とともに「災害救助を要請する自治体が、なぜか自衛隊員募集には非協力」とある。裏面では「全国六割の自治体が、自衛隊員募集に非協力的」とし、「自治体が円滑に業務を遂行するため、自衛隊の憲法明記を!」と訴えている。
(2月16日朝日新聞)


安倍首相はこれをそのまま借用したようだ。

先述したように、たとえ国の要請があったとしても、自治体が個人の情報を慎重に扱うのは当然のことである。自衛隊が憲法に明記されることとは問題が全く別だ。

違憲論争にしても、いったいどこで熱を帯びているというのだろうか。憲法学のうえでは厳密に条文が解釈されるため、自衛隊は違憲かと新聞社のアンケートで問われれば、違憲と答えざるを得ないこともある。

自衛隊の段階的解消を掲げる共産党ですら「政権を担ったとしてもすぐに手をつけるつもりはない」(志位委員長)と、あくまで現実路線だ。

日本人のほとんどは、自衛隊の必要性を認めているのではないか。だが、学問としての自衛隊違憲論は、存在する。それが、明治憲法への回帰を願う政治、思想団体に都合よく改憲の理由として利用されているのが現実だろう。

それにしても、安倍首相によるこじつけは度が過ぎている。

image by: 首相官邸 - Home | Facebook

新恭(あらたきょう) この著者の記事一覧

記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。その実態を抉り出し、新聞記事の細部に宿る官製情報のウソを暴くとともに、官とメディアの構造改革を提言したい。記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。







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経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など

2019-02-23 14:21:17 | 杉並からの情報発信


衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第四十七回目朗読 (2019.02.21)

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

第三節 経済の“ブラックバス”特殊法人の姿 (P131-159)

●子会社は儲かり、公団は大赤字 (P132-136)

「親」の日本道路公団本体は、先に示したように莫大な借金を抱えている。一
方で、「子」が潤う。公団は後に述べるような様々な関連事業を、事実上の天
下り会社である旧(財)道路施設協会に仕切らせている。その施設協会から公
団への年間納付額は、占用料としての六六億円(平成=年度)だけである。こ
れでさえ、私の国会での追及を受けて平成一〇年から値上げしたものだ。道路
公団が濡れ手に粟で儲かる事業をすべて回している「ファミリー企業」の実態
をみれば「官業は栄えて、国民が貧しさにあえぐ」という利権列島の実体が明
らかになる。

道路施設協会は、そもそも高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの
「占用許可」を受けるために公団、旧建設省、政界筋が示し合わせて設立した
ものであった。昭和四〇年五月、旧建設省は一片の道路局長通達を以ってこの
巨大利権構想を実行した。

この通達によって道路施設協会は、レストランや売店、ガソリンスタンドな
どのテナント料を横取りして急成長を果たすとともに、一気に多数のファミ
リー企業を発足させ、不動産業、道路の改修メンテナンス、パトロール、料金
収受、道路交通情報などを独占的に事業展開する巨大企業にのし上がった。こ
れらの企業の間では随意契約や丸投げが常態化している。つまり、競争相手の
ない、しかも、ほとんど税金を払わない、財団法人の営利事業という、普通の
国には夢想だにできない利権システムができ上がったのである。

協会や子会社の「公団一家」が食っている不当利得は巨大だ。直接出資の子
会社六七社(平成九年度現在)の平成八年度の総収入は六八〇〇億円。また、
施設協会がサービスエリアなどで運営を委託しているレストランなどの店舗の
売上高は約三四〇〇億円であった。しかも、これら子会社の多くは、営利を目
的としてはならない公益法人なのだから、ますます許しがたい。

道路公団とそのファミリー法人は政治家や政党へ多額の献金をしており、“
政治家のサイフ”と呼ばれている。

私は国会で道路公団の数々の問題とともに旧(財)道路施設協会の不当性を
追及してきたが、平成九年二月二四日の衆議院予算委員会では当時の亀井静香
建設大臣に対し「道路施設協会は天下りによる営利事業団体であるから廃止せ
よ」と迫った。これに対して、亀井大臣は問題を認めて「見直す」と答え、道
路施設協会は廃止されることとなった。

しかし実際に旧建設省がやったのは、「(財)道路サービス機構」と
「(財) ハイウェイ交流センター」 の二つに分割することだった。「競争
原理を取り入れるため」というのがその理由だが、もともと公益法人とは「不
特定多数の利益のために……営利を目的としない」ものなのだ。そこに「競争
原理」とはデタラメ以外の何ものでもない。

この分割の結果、それまでは役員は一六人で、そのうち旧建設省・道路公団
からの天下りが一三人であったものが、役員は合わせて三〇人となり、旧建設
省・道路公団からの天下りは一五人に増やされた。これが官僚天国のやり方で
あり、日頃、多数の政治家に鼻薬を効かせてあるからこういうことが平気でで
きるのだ。

旧建設省は平成一一年度中に日本道路公団の天下り団体である、旧(財)道
路施設協会が設立した公団ファミリー企業六三社の持ち株を売却した。これ
は、平成六年から八年にかけて、私が、「公益法人や特殊法人の出資(子会社
設立)は、不適法だ」と主張した結果、平成八年九月に「公益法人の出資を止
めるべし」との閣議決定がなされたことによる措置である。

私は、このとき、「公団のファミリー企業は、廃止・清算して、出資割合に見
合う資産を回収し、そのうえで、公益法人も解散させ、売却益を国庫に繰り入
れるべきだ」と主張した。なぜなら、特殊法人・公益法人のファミリー企業群
は、とりも直さず国民の税金と公団の随意契約による事業発注によって肥り、
巨大な資産を蓄積したものだ。しかも、道路公団は、莫大な借金を抱え、国民
の負担になる。それを、単に簿価で株を売却し、出資額だけを回収するので
は、国民の資産を二重に詐取することになるからだ。

案の定、危供したことを旧建設省と旧(財)道路施設協会は、実行したので
ある。二〇~三〇年前に三五億円を出資して作った六三社の株を彼らは、平成
一〇~一一年に六四億六〇〇〇万円で売却した。売却先は、取引銀行を除いて
すべて同族のファミリー企業。しかも、同一の会社の株でも譲渡先ごとに株価
が異なった。デタラメである。通常でもこうしたケースの株売却は、純資産方
式で行われる。純資産方式で行えば、平均一八五倍となる。金額にして六四七
五億円である。

つまり、指導・監督責任を負う旧建設省は、少なくともファミリー企業のた
めに、六四〇〇億円以上の公的財産を勝手に放棄したことになる。ちなみに、
株を引き受けたファミリー企業の経営者は、大多数が公団OBや旧建設省からの
“渡り鳥”である。旧建設省や旧(財)道路施設協会にしてみれば、「民間企
業では株の引き受け手がない」という。それはそうだ。天下りファミリーであ
るからこそ公団は仕事を出す。筆頭株主が純然たる民間であれば、その瞬間
に、ほぼ間違いなく仕事はこなくなり、会社は立ち行かなくなる。不正は、取
り繕えば取り繕うほど深みにはまる。もう一度仕切り直しをして、あくまで廃
止・清算するしかない。

建設官僚の退職金について、私が追及して明らかになったものの中に、平成
九年当時、道路施設協会の理事長を務めていた宮繁護氏のケースがある。宮繁
氏は建設省局長から国土庁事務次官となり、道路公団副総裁、同総裁、道路施
設協会理事長となった人である。彼は次官退職時に五五一二万円、道路公団退
任時に三六九〇万円、道路施設協会退任時に三七六〇万円、現職の予定される
退職金も含めると計一億五〇〇〇万円以上の退職金を受けとり、その間に一〇
億円前後の報酬や給与を受けてきたことになる。

ちなみに、私の質問で明らかになったものに元日銀総裁の松下康雄氏があ
る。松下氏は旧大蔵省(事務次官)から五八五六万円、日銀から三四〇五万
円、これに旧大蔵省から“天下った”旧さくら銀行の分を合わせると、退職金
だけで二億四〇〇〇万円以上となる。また日銀の三重野康・元総裁は日銀だけ
で一億八二二一万円の退職金を手にした。

このように毎年少なくとも何百億円という気が遠くなるような退職金が高級
官僚や役人OBに支払われているのも、天下り先の行政企業が止めどなく広がり
膨らんだせいなのである。

(続く)






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経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

2019-02-20 20:32:38 | 杉並からの情報発信


衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第四十六回目朗読 (2019.02.19)

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

第三節 経済の“ブラックバス”特殊法人の姿 (P131-159)

●世界一のゼネコン ― 日本道路公団 (P131-132)

高速道路建設は一般道路建設とともに巨大利権を生む公共事業の一つとし
て、政官の権益に支配されてきた。高速道路の建設・管理を担うのが、旧建設
省、現国土交通省が所管する日本道路公団である。ほかに首都高速道路公団、
阪神高速道路公団、本四連絡橋公団があるが、これら四公団は財務状況、経営
実態、そして天下り構造まで、その規模の大小を別にすれば同類である。

日本道路公団はその資本、資産、売上げ等、どこから見ても民間土木企業大
手の一〇倍を超える超ゼネコンである。公団の新規高速道路建設は、主に民間
のゼネコンに発注されるから、その意味からも道路公団はゼネコンの上に君臨
する超ゼネコンである。

国の道路建設計画としては一万四〇〇〇キロメートルの「高規格道路」があ
るが、そのうち一万一五二〇キロメートルは日本道路公団による高速道路(予
定路線)である。そして、そのうち六六〇〇キロメートルはすでに完成し運用
されている道路で、九〇六四キロメートルまでは施工命令が出ている。

つまり、二四六四キロメートルを建設中というわけだ。ちなみにこの中に
は、首都高速や阪神高速、本四連絡橋、アクアライン、その他都道府県の道路
公社が建設する高速道路は含まれていない。

旧建設省は当初、高速道路は完成後三〇年で償還して公団から国に引き渡
し、料金も無料になると説明していた。しかし、その後、総延長距離をどんど
ん延ばし、通行料も再三値上げし、償還期間も平成七年六月に四〇年に延ば
し、平成二年四月には四五年に延ばした。道路審議会は高速道路の耐用年数を
五〇年と見ているから、これでは永久にタダになることはない。というよりも
実際には、このまま行けば料金はもっと上がり、通行量は減り、破綻してしま
うのである。

日本道路公団の事業規模は予算ベースで年間五兆五二六七億円である(平成
二年度)。

内訳をいえば、支出面では、建設費などに二兆二六〇億円を使うほか、借入
金(元本)返済のために二兆二六二〇億円、利子支払いのために一兆三七〇億
円の合計三兆二九九〇億円を元利返済に使っている。これに対して収入は、科
金収入が二兆二一四三億円しかないから、財投などから二兆九四八三億を新た
に借り入れ、政府から三六四一億円の資本金・補助金を受け入れて、辻褄を合
わせている。こんな財務状況なのに道路公団は道路を造り続けているのだ。

積もり積もった日本道路公団の借金残高は平成一三年度末で二七兆円に達
し、しかも毎年約九〇〇〇億円ずつ増え続けている。利息だけで毎日三〇億円
が排ガスのように消えている。

(続く)






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新自由主義に対抗 反米の牙城となったベネズエラ 歴史的背景を見

2019-02-20 20:13:11 | 杉並からの情報発信

新自由主義に対抗 反米の牙城となったベネズエラ 歴史的背景を見る

2019年2月14日 長周新聞

https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/10894

ベネズエラを含むラテンアメリカは、16世紀にスペインやポルトガルによって征服され、カリブ海では先住民がほぼ全滅して、それに代わる労働力としてアフリカから黒人奴隷が連れてこられた歴史がある。19世紀以降はアメリカが米墨戦争でメキシコの半分を、米西戦争でキューバとプエルトリコを奪いとり、その後も軍事介入をくり返して「アメリカの裏庭」にしてきた。さらに1950年代からは、そのアメリカが世界最初の新自由主義の実験場にしようと策動してきた地域である。長年にわたって残酷な搾取と抑圧、軍事政権による弾圧を経験してきたラテンアメリカの人人は、アメリカからの独立と民主主義を求めて立ち上がり、2000年代には反米左翼政府を次次と誕生させた。

新自由主義の実験場としての歴史は、1970年代のチリに始まる。

1970年、チリの大統領選で人民連合のアジェンデが勝利し、それまでアメリカが支配していた世界一の規模の銅鉱業をはじめとして、同国の経済の主要部分を国有化する方針を打ち出した。権益の喪失を恐れたアメリカは、CIAを送り込んでチリの軍隊を訓練したうえ、1973年9月11日に将軍ピノチェットにクーデターを起こさせ、アジェンデを殺害し政権を掌握した。同時に数万人の市民を拘束し、そのうち数千人をサッカースタジアムなどでみせしめに処刑した。

続いてピノチェットは、ミルトン・フリードマンらアメリカのシカゴ学派をチリに招いた。フリードマンらは、50年代からチリの留学生を教育しては新自由主義の伝道者としてラテンアメリカ全域に派遣して、政権転覆後の経済運営を周到に準備していた。

フリードマン

フリードマンは「ショック療法が必要」といって、銀行をはじめ500の国営企業の民営化、外国からの輸入自由化、医療や教育を中心にした公共支出の削減、パンなど生活必需品の価格統制の撤廃などをおこなった。公立学校はバウチャーとチャーター・スクールにとってかわられ、医療費は利用の都度の現金払いに変わり、幼稚園も墓地も民営化された。軍事政権がおこなった最初の政策の一つが学校での牛乳の配給停止だったが、その結果、授業中に失神する子どもが増え、学校にまったく来なくなってしまう子どもも少なくなかったという。

それでも新自由主義は「チリに奇跡をもたらした」ともてはやされ、フリードマンは1976年にノーベル経済学賞を受賞した。

しかし、それから10年たった80年代半ば、チリの対外累積債務は140億㌦にまで膨れ上がり、超インフレが襲い、失業率はアジェンデ政府下の10倍となる30%に達してチリ経済は破綻した。1988年には45%の国民が貧困ライン以下の生活を強いられる一方、上位10%の富裕層の収入は83%も増大した。

70年代にはチリに続いてアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルにもアメリカの支援を受けた軍事政権が成立し、新自由主義の実験場となった。アルゼンチンで軍事政権がまずおこなったのは、ストライキの禁止と雇用主に労働者を自由に解雇できる権利を与えることだった。多国籍企業を歓迎するために外資の出資制限も撤廃し、何百社もの国営企業を売却した。

これらの軍事政権が民衆の反抗を押さえつけるために共通してとったのが、反体制派を拉致して「行方不明」にするやり方で、その背後ではCIAが暗躍していた。アルゼンチンの軍事政権下で行方不明になった人は3万人にのぼり、そのうち8割以上が16~18歳の若者だったといわれる。

そして軍政の下で、大量の輸入製品を国内市場にあふれさせ、賃金を低く抑え、都合のいいときに労働者を解雇し、上がった利益は何の規制も受けずに本国に送金できたので、もっとも恩恵を受けたのはGMやフォード、クライスラー、メルセデス・ベンツなどの多国籍企業だった。

80年代の中南米 累積債務危機とIMF管理

1980年代に入ると、1982年のメキシコの債務返済猶予宣言を皮切りに、ラテンアメリカでは累積債務危機が爆発した。地域全体の累積債務の総額は、1975年の685億㌦から、1982年には3184億㌦へと急膨張した。

ここでIMF(国際通貨基金)や世界銀行がラテンアメリカ諸国に押しつけたのが、構造調整計画と呼ばれる新自由主義政策だった。それは債務返済を最優先にさせるため、国内産業保護、外資の規制、社会福祉政策などを撤廃させ、規制緩和、自由化、民営化を各国に強制した。公務員の削減や社会保障支出の削減、増税や公共料金引き上げがおこなわれた。公共企業の民営化・外資への売却や貿易の自由化が進められた。

その結果、80年代にはほとんどの国で経済成長がマイナスになり、国民経済は破壊された。80年から89年の間に、この地域の一人当たりの所得は15%低下し、都市部での最低賃金はペルーで74%、メキシコで50%低下した。失業者の総数は全労働者の約44%に達した。

「失われた10年」と呼ばれたこの80年代をへて、90年代に入って米ソ二極構造が崩壊するなか、アメリカはラテンアメリカへの新自由主義政策に拍車をかけた。1990年、米大統領ブッシュが米州イニシアチブ構想を打ち出し、94年には米州自由貿易圏構想を発表した。

だが、厳しい緊縮政策と民営化によって失業者は増大する一方、対外債務は減るどころか増加の一途をたどり、ラテンアメリカ全体で7000億㌦をこえた。1999年、この地域の貧困人口は43・8%にのぼり、改革の恩恵は一握りの富裕層に偏り、植民地時代にさかのぼるきわめて不平等な社会構造があらわれた。

ベネズエラを見てみると、ペレス政府(1989~1993年)は、累積債務問題の解決といってIMFと合意書を交わし、緊縮財政政策を実行した。公共料金の大幅引き上げ、各種補助金の縮小・廃止、基礎生活物資(コメ、小麦粉、粉ミルク、医薬品など)の価格統制の廃止・自由化、付加価値税の導入などが短期間に進められ、国民生活に打撃を与えた。

ペレス政府は1990年、政府管理下にあった三つの銀行を売却し、91年にはVIASA航空と国営電気通信会社CANTVを民営化した。CANTVに対しては、米電機メーカーGTEや電話会社AT&Tなどが地元企業と連合をくみ、出資比率40%で経営権を獲得した。

価格自由化によって物価が2~3倍に高騰する一方、所得税の最高税率や輸入自動車の関税を引き下げた。89~98年のインフレ率は年平均53%にのぼった。貧困層が1982年の33・5%から、99年の67・3%へ増大し、そのうち半数以上が極貧層だった。1989年のバス運賃の大幅引き上げをきっかけに国民の不満が爆発し、1000人をこえる犠牲者を出したといわれるカラカソ大暴動が発生した。

バス料金の大幅値上げを契機にしたカラカソ暴動

新自由主義反対のシンボルとなったチャベス政府

こうして新自由主義に反対するたたかいがラテンアメリカ全域に広がるなかで、1999年2月のベネズエラを皮切りに、2003年にブラジル、エクアドル、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビアで、2004年にはウルグアイで、新自由主義と米州自由貿易圏を支持する親米政府があいついで打倒され、反米左翼政府が誕生した。

なかでもラテンアメリカにおける新自由主義反対のシンボル的な存在になったのが、1998年の大統領選で、40年続いた二大政党制を打ち破って誕生したベネズエラのチャベス政府である。

チャベスは、腐敗した寡頭支配層を批判して、これまで政治から疎外されてきた大衆の政治参加を訴え、またアメリカの支配からの独立、新自由主義反対、富の平等な分配と貧困の撲滅を訴えて、広範な大衆の支持を獲得して大統領に当選した。チャベスはこの変革をスペインの植民地支配からのラテンアメリカの独立を訴えたシモン・ボリバルの名を冠して「ボリバル革命」と呼んだ。

チャベスは大統領に就任すると、国民投票で憲法制定会議を設立し、ボリバル革命を掲げた新憲法を制定した。それによって政策決定の過程に国民が直接参加できるようになり、議員のリコール制が導入された。大企業や大地主の農地が農民に分配され、国民には食料、教育、医療、職業が保障された。石油資源は国家の管理下におかれ、領土内に外国軍隊が入ることは禁止された。

ベネズエラの主要産業は石油であり、輸出総額の約80%、国庫収入の約50%、国内総生産の25%を占める。80年代以降、多くの基幹産業部門が民営化されるなか、ベネズエラ石油公社は国営企業として残ったものの、米多国籍企業と結びついた大企業が経営権を握っていた。チャベス政府は経営陣を刷新し、政府が管理運営権を完全に掌握した。

チャベス政府は直接民主主義を制度化し、政治に国民を参加させることをめざした。全国各地に200~400世帯を単位とする共同評議会をもうけた。共同評議会は予算を持ち、条例をつくることができ、地元の事柄について決定を下すことができる。また、教育、医療、食料助成、社会サービス、土地改革、環境保護などの社会開発計画への住民参加を制度化した。低所得者向けの住宅建設や医師の派遣、安価な基礎食料品の供給、低所得者向けの無料の食堂の運営、識字教育、失業者の職業訓練などがとりくまれた。

こうした改革によって、GDPは2002年の920億㌦から2006年には1700億㌦と、4年間で倍近い増加となった。財政赤字やインフレが大きく改善され、失業率も1999年の16%から2006年には9・6%へと下がった。

米国排除して地域的統合へ

ラテンアメリカのたたかいは、アメリカがNAFTA(北米自由貿易協定)を南北アメリカ大陸に拡大しようとした米州自由貿易圏構想を各国の反対で頓挫させ、ラテンアメリカ諸国民自身の力による真の地域的統合に向けたとりくみを発展させた。

チャベス政府は、加盟国がアメリカとFTA(自由貿易協定)を結んだ3国グループ(G3。他の2国はメキシコとコロンビア)やCAN(アンデス共同体。コロンビアとペルーが対米FTA調印)から脱退し、2007年に南部南米共同市場(メルコスル)に加盟した。

チャベス政府は石油資金を外交の武器に使い、同盟国キューバには好条件で石油を輸出するとともに、キューバからは医師や教師などの人材を多数導入して国内改革の力にした。2006年にはブラジル、アルゼンチン、ボリビアとともに、ベネズエラの石油と、同国およびボリビアの天然ガスを南米南部まで送るパイプライン網建設計画を打ち出し、アメリカの石油メジャーに対抗してラテンアメリカのエネルギー統合をめざした。

また、アメリカが牛耳る米州開発銀行に対抗して、南米開発銀行を創設する構想を打ち出した。こうしたラテンアメリカ自身の立場を内外に知らせるため、キューバ、アルゼンチン、ウルグアイなどに働きかけて、2005年7月に国際テレビ放送網「テレ・スル」を発足させた。こうしたことはアメリカの南北アメリカ大陸支配に大打撃を与えた。

戦後、アメリカは主権を持つ独立国の内政に干渉し、カネと軍事力で政府を転覆させ、新自由主義政策を押しつけるというやり方をくり返してきたが、それはことごとく失敗している。独立と民主主義を求める人人のたたかいに、さまざまな紆余曲折は避けられないが、そのたびに力を増していくことを押しとどめることはできない。







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第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など

2019-02-19 19:33:53 | 杉並からの情報発信


衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第四十五回目朗読 (2019.02.18)

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

第二節 特殊法人は法的には幽霊だ (P122-130)

●借金のツケは国民に回される (P129-130)

旧総務庁は平成二年五月、特殊法人の一部について財務調査の結果を公表し
た。それによると、本州四国連絡橋公団については、道路事業だけで七二〇〇
億円以上の債務超過となっている。瀬戸内海の狭い区間に三ルートもの橋を架
けているので収支率が極めて悪い。一〇〇円の収入を得るのに二〇〇円以上の
経費がかかり、利子が利子を生んでいるのである。

石油公団も二百数十の探鉱事業のうち採算ラインにあるのが数個しかない。
石油探鉱会社に出した財投の残高一兆五〇〇〇億円のうち七七〇〇億円以上は
回収困難ということだ。

もちろん、政府がこれまで出し続けてきた税金四兆一七〇〇億円は、まるで
何事もなかったかのように掘った穴に消えてしまう(実際は、とっくに利権に
消えている)。

核燃料サイクル開発機構(旧動燃)は一兆六〇〇〇億円の欠損金が累積して
いる。鉄建公団や空港公団の赤字も見通しは暗い、という。旧総務庁から報告
のあった九法人とも、まともなものはない。

国鉄清算事業団は平成二年三月末日をもって解散した。そのさい残された二
七兆円の累積債務は全額が一般会計に付け替えられた。そのうち三兆円だけは
たばこ税の増税分で償却することになったが、残り二四兆円は全額国民にツケ
回しされた。

いま、道路公団や都市基盤整備公団は「第二の国鉄」といわれている。それ
ら特殊法人の赤字のツケは、国鉄の前例にならって国民に回される可能性が強
い。特殊法人の借金残高は認可法人を含め三四四兆円であり、その金額は年々
歳々膨らみ続けている。

ここであらためて強調しておきたいのは、特殊法人の借金は国の借金以外の
何ものでもないということである。なぜならば、公庫、公団、事業団といった
特殊法人は国会の議決で設置された国の政策遂行機関であり、国の出資金や補
助金で運営されているからである。

特殊法人には財政投融資から毎年二五兆円もの融資がなされ、その利払い金
や出資金として毎年四兆円以上の国費が注入されている。そのうえ、国鉄清算
事業団をはじめとする特殊法人の清算金や欠損金は現実に国民の負担に転嫁さ
れている。

しかも、恐ろしいことに、特殊法人は一般企業のように倒産することがない
ため、借金はどこまでも際限なく膨らみ続ける。こうした事実だけからでも、
特殊法人というものが、いかに巨大な利権装置であるかがわかる。それだけ
に、じつは政と官にとって、何としても守らねばならない砦なのである。

節を改め、代表的な特殊法人について具体的な活動をみてみよう。

(第二章 第二節 終わり)






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衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

2019-02-16 21:45:05 | 杉並からの情報発信


推奨本朗読】衆議院議員石井紘基著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第四十三回目朗読 (2019.02.14)

第二章 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など (P112-186)

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

第二節 特殊法人は法的には幽霊だ (P122-130)

●法が法を破壊している (P126-128)

これらの「公法法人」は実際、数千にもおよぶ子会社、孫会社、系列公益法
人などを作ってビジネスを展開している。いうまでもなくこれらの株式会社や
財団法人などは、商法や民法によって存立する「私企業」「私的団体」として
都合よく扱われている。

わが日本という国は、国が設立し、国民の税金で運営されている「公法法
人」が、その金を私企業などの私的所有団体に持ち出し処分することを、ある
法律によっては禁じ、別の法律によっては認めている1そういう国なのであ
る。まさに、特殊法人などを通じて法が法を破壊していることになる。

特殊法人の経理は正確には誰にもわからない。どんなに借金が膨らもうと不
良債権に漬かろうと、責任を問われる者がいない。民間企業のように「株主」
に監視されることもないし、行政機関として議会で承認される必要もない。

たとえば、都市基盤整備公団からマンションを買った一七〇〇人(世帯)ほ
どの人々が現在、公団の住宅販売のやり方が詐欺的商法だと裁判に訴えている
が、公団の方は「国の政策」なんだ、詳しいことをいう義務はない、と反論し
て通ってしまう。

特殊法人には経営そのものに対する責任の主体がない。企業のように個人責
任が問われない。一方、国会で国の機関が詐欺的行為で国民を騙していいのか
と追及されると、「契約書を取り交わした。受託の価格は売り手と買い手の合
意で決まる」などと「私的契約の自由」や「市場原理」を持ち出してくる。時
と場合によって、行政機関のようにも振る舞い、民間企業のようにも振る舞う
ことができるのだ。

関連法令はそれぞれの特殊法人を持っている省庁が所管しているので、自分
に都合のよい勝手な法解釈がまかり通ってしまう。つまり、族議員と官庁だけ
の思いのままになる存在なのである。

政府は特殊法人の不透明財務と借金残高のとほうもない増大に対する批判を
かわすため、平成一三年度から「財投債」「財投機関債」を発行し、「市場」
からの資金調達を行うことにしたが、この措置は笑止千万である。

私は、この悪あがきを国会でも批判してきたが、案の定、一三年秋になって
もさっぱり財投機関債(個別の特殊法人が発行する債券)の引き受け手がつか
ない。投資家は、「元本回収のリスクを評価できない」「破産法の摘要もない
団体である以上債権は保証されない」と腰を引いている。当たり前のことであ
る。幽霊の発行する借金の証文を受け取る者はいない。

またそうした事情のうえに、借金の山、不良債権の蔵となっている特殊法人
の債券など、自由主義市場経済であれば成り立つはずがないのだ。しかし、そ
れでも官庁は関係機関に一兆円余り引き受けさせたようだ。これぞまさに、
オール無責任の官制経済、護送船団国家の極みである。

(続く)








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この政権は何でもやる 統計偽装は国家的犯罪の疑惑濃厚

2019-02-16 09:02:38 | 杉並からの情報発信


この政権は何でもやる 統計偽装は国家的犯罪の疑惑濃厚

2019/02/15 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247580

アベノミクス偽装は首相案件(C)日刊ゲンダイ

「不景気も 統計一つで 好景気」

「合わぬなら 作ってしまえ 偽統計」

「成長率 どれだけ盛れるか 腕次第」

14日の衆院予算委員会で立憲民主会派の小川淳也議員が読み上げたのは、総務省のツイッターへの書き込みだ。

総務省は今月1日から、「統計の日」の標語を募集しているが、統計偽装問題が発覚したことで大喜利状態になっている。

「為政者の 望み通りに 数いじる」

「政権の ウソを支える 虚偽統計」

「ウソ統計 総理が言えば ウソじゃない」

「統計の 捏造改竄 誰のため」

これらの書き込みから分かるのは、実際よりも統計の数値を良く見せるため、官邸主導で国家ぐるみの偽装が行われたと国民が感じていることだ。さらに言えば、安倍政権なら、こうした不正に手を染めても不思議はないという不信感を抱いている。

なにしろ、公文書も改ざんしてしまう政府なのだ。それも、首相の答弁に合わせて事実を隠蔽した疑いが持たれている。文書やメモが出てきても認めず、「あったこと」も「なかったこと」にしてしまう。都合の悪いファクトから目をそらし、文字や数字をいじって現実の方を歪めようとする。そういう政権のイカサマは、モリカケ問題で嫌というほど見せつけられてきた。

「毎月勤労統計」の問題も、厚労省が組織ぐるみで不正調査を隠蔽していた疑惑から、官邸主導のアベノミクス偽装だった疑いに発展してきた。これまた「首相案件」だった状況証拠が次々と出てきたのだ。

■モリカケ問題と同じ構図

予算委の質疑を通じ、2015年9月に「毎月勤労統計」の調査対象となる事業所を入れ替えるにあたって、事前に安倍の秘書官が厚労省に「問題意識」を伝えていたことが明らかになった。また出た、首相秘書官!

加計学園問題では、経産省出身の柳瀬唯夫秘書官(当時)が、15年4月に加計学園の獣医学部新設を巡って、愛媛県の担当者らと官邸で面会。やりとりを記録した愛媛県の文書に「本件は、首相案件」などとの発言が記載されていたが、国会では「記憶にない」とスットボケ続けた。

この時期の官邸では、よほど「首相案件」がはやっていたのか、同じ年の3月末、厚労省から「毎月勤労統計」について事前説明を受けていたのが、財務省出身の中江元哉秘書官(現財務省関税局長)だ。賃金に関する数値改善の可能性などについて「問題意識」を伝えていたという。

「秘書官の耳に入るということは、役所では“総理ご関心事項”と言うんですよ」と指摘したのは、財務省出身の大串博志議員(立憲民主)である。実際、秘書官が説明を受けた直後から、統計の見直しが一気に進んだのだ。

「役所の忖度なのか、官邸が直接・間接の指示をしていたのか、いなかったのか。いずれにせよ、秘書官が動き、アベノミクスで上がるはずの賃金が上昇しないという懸案は解消されていった。モリカケ問題とまったく同じ構図です」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

“総理のご意向”が働いたのではないかと追及された安倍は、「勤労統計について指示したことはまったくない」と強調。14日の予算委に閣僚の補佐役として出席していた中江関税局長は、小川から「問題意識」発言の真意などを問いただされたが、「関税局長として出席している。所管外のことは差し控える」と言い、数回にわたって答弁を拒否した。
公文書も統計も信じられない国は終わっている

野党の求めで、中江関税局長は15日にも「元秘書官」の立場で予算委に出席することが決まったが、どうせ何も話しはしない。だからこそ、与党側も参考人招致に応じたのだ。黙って首相を守れば、出世の道と、輝かしい天下り人生のご褒美が待っている。

「官僚人事を握った官邸に権力が集中し、首相が『こうする』と決めたら、ルール違反もいとわずに役所が全力で望みをかなえるイビツな行政になってしまった。厚労省の統計不正問題も、04年から始まったとされるズサンな調査と、18年からの調査方法変更は別問題です。調査方法の変更によって、統計上の賃金が上振れし、それを根拠に『景気がいいから』と、消費税10%への増税が行われようとしている。納税者からすれば、やりきれない話です。納税する気もなくなります」(山田厚俊氏=前出)

見逃せないのは、統計上の賃金が低く出ることに首相秘書官が「問題意識」を表明した15年は、自民党の総裁選が9月に行われ、安倍が無投票再選を決めたことだ。直後に打ち出した「新・3本の矢」で、「GDP600兆円」という数値目標を掲げた。そして、10月の経済財政諮問会議で、麻生財務相が「毎月勤労統計」の調査手法に文句をつけ、「具体的な改善方策を早急に検討していただきたい」と発言。ちょうど、アベノミクス後の数字が悪化した頃だった。思うように賃金が上がらないことにイラだっていたのだ。 

それから、トントン拍子で“統計改革”が進められていく。16年の「経済財政運営と改革の基本方針=骨太の方針」には、成長戦略としてTPPなどとともに「経済統計の改善」が挙げられ、厚労省は統計委員会に調査手法の変更を諮問、同委員会も承認した。かくして実質賃金は上振れ、GDPもカサ上げされ、アベノミクスの成功を偽装するかのような統計が発表されることになる。

■GDPプラス速報も信用できない

「政府が発表する統計は、公正で正しいものだと信じられてきました。だから、それを基に議会審議や政策立案が行われるのに、今や国家の土台がヒビ割れて、大きな亀裂が入っている状態です。公文書も統計も信じられない国なんて、国際社会からも信用されません。保身と功名心のために国家の基幹を歪め、政府の信用を失ったことは、安倍政権の最大の罪だと思う。国家的犯罪ですよ。徹底追及が必要です」(政治学者・五十嵐仁氏) 

国家の足元が揺らいでいるというのに、天皇の謝罪を要請した韓国の文喜相国会議長や、白血病を公表した競泳の池江璃花子選手の話題がテレビを席巻。そんな中、14日午前のテレビ画面に「速報」のテロップが流れた。

内閣府が発表した18年10~12月期のGDP速報値が、実質で前期比0.3%、年率換算で1.4%増になったというニュースだ。

2四半期ぶりにプラス成長に転じたというが、これだけ統計のインチキが明らかになっているのに、どうやってこの数字を信じろというのか。コトここに至っても、政府発表の数値に何の疑問も呈さず速報する大メディアは、大本営発表というほかない。

日刊ゲンダイ連載コラムでジャーナリストの高野孟氏も
<政府が発表する統計というのは多かれ少なかれ“大本営発表”というか、政府の都合のいいように操作されたものだと思ったほうがいい>と書いていた。

数字は嘘をつかないと言われるが、権力者と詐欺師が数字を悪用するのは世の常だ。統計は国家の意思で動く。ましてや、このイカサマ政権は何でもやる。

世論調査では、景気拡大を感じられないという声が8割に達する。GDPの数値がプラスに転じても、われわれ庶民には何の恩恵もない。ほくそ笑むのは安倍だけなのだ。








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世直し老人党による活動

2019-02-14 08:36:39 | 階級闘争
世直し老人党による活動



名古屋より庶民革命、イタリアの五つ星運動を始めます。3年前名古屋で市会議員リコール運動を始めた仲間による活動です。是非御支援・ご協力お願いします



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今度は嫌韓批判で炎上も、ブレない石田純一が安倍政権の圧力を笑い飛ばす

2019-02-13 22:38:10 | 阿修羅


今度は嫌韓批判で炎上も、ブレない石田純一が安倍政権の圧力を笑い飛ばす! 内閣官房から「桜を見る会」に出るな、の電話が
https://lite-ra.com/2019/02/post-4539.html
2019.02.10 嫌韓批判で炎上も…石田純一はブレない リテラ

    
    週刊金曜日(2月1日号)


石田純一がまた、ネトウヨから攻撃を受けて炎上している。原因は、ニュースサイト「デイリー新潮」に掲載された連載コラムで、石田が感情的な嫌韓論に警鐘を鳴らしたことだった。

 石田はまず、元徴用工の問題やレーザー照射の問題について、〈日韓問題はたがいに感情的になっているかぎり解決しない。メディアもことさら嫌悪感情を煽らないでいただきたい〉としたうえで、元徴用工の問題について、「日韓請求権協定で韓国の請求権は放棄されているので、この問題は解決済み」と突き放す日本側の姿勢にこう再考を促した。

〈1965年当時の韓国は朴正煕大統領による軍事政権下で民意が抑えられていた。だから、韓国人の国民感情としては、その時代に解決済みだといわれてもなかなか納得できない。そして強制労働や、劣悪な環境の労働に対する反省や謝罪は、やはりなかった。〉

 また、石田は、安倍政権の韓国への対応と、アメリカやロシアに対する対応の違いについても疑問を呈した。

〈ロシアのプーチン大統領やラブロフ外相から「北方領土はロシア主権下にあると認めることが平和条約交渉の前提だ」なんて言われても言い返せないし、トランプ大統領にねじ込まれるまま何千億円分も武器を買う弱腰の総理が、韓国にだけ強い態度に出るというのは、いかがなものか〉

 何から何まで石田の言う通りだろう。韓国国民の声に耳を傾けることなく、強硬に「この問題は解決済み」との回答を繰り返すだけでは、永遠に徴用工問題は解決されないだろうし、安倍政権がアメリカやロシアに対する隷属的外交とは対照的に、韓国に対してだけは不必要なまでに強く出ているのは、どう考えてもおかしい。その背景には、自分の支持層である右派へのアピールと、統計不正や沖縄サンゴ移植の問題など次々と湧いて出る政権の問題から国民の目を逸らさせ、支持率を上げようという意図があるのは明らかだ。

 ところが、韓国バッシング一色に染まる現在の日本社会では、石田のような理性的な発言はもはやタブーとなりつつあり、彼のコラムは即座に、安倍応援団やネトウヨから総攻撃を受けた。

 たとえば、高須クリニック院長の高須克弥氏は、石田のコラムに対して〈朝鮮半島の国はもともと中国王朝の冊奉国です。DNA が目覚めたのです。理を説いても無駄だと思います。DNA には勝てません〉などとツイッターに投稿した。

「そういうDNAだから理を説いても無駄」とは、医療に従事する者とは思えない差別発言であり、レイシスト丸出しの暴言だが、ネットでは高須院長への批判はあまりなく、冷静な正論を口にした石田だけが炎上している状態なのだ。

 なんとも暗澹とさせられる言論状況だが、しかし、石田純一がこうした攻撃に屈することはないだろう。石田はこれまでも、安保法制反対デモに参加するなど、安倍政権の政策に反対する姿勢を示す度に激しい非難・攻撃を受けてきた。

 たとえば「週刊新潮」(新潮社)2015年10月15日号で、石田は「テレビ番組を3つキャンセルされました。35年の芸能生活で、こんなのは初めてです。CMもひとつなくなったし、広告代理店を通して、厳重注意も2、3社から受けました。“二度と国会議事堂にデモに行くな”“メディアの前で政治的発言をするな”ってね」と語っており、安保法制反対のデモに参加しただけで、芸能生活に大きな支障をきたしたとも証言している。

 都知事選について会見したあとも、テレビ局は石田が出演するCMを差し替えたり、放送予定の番組を休止させたりと過剰な対応を行い、あげく所属事務所が「11日の会見をもちまして、今後一切、政治に関する発言はできなくなりました」などという信じがたい発表をしたこともあった。

■石田純一「行政の長がマジに怒ってヤジを飛ばす。文化偏差値が非常に低い」

 しかし、あまり知られていないが、石田はこうした不当な攻撃を受けたあとも、ブレることなく発言をし続けてきた。

 昨年10月には日本ペンクラブのシンポジウム「『憲法と表現の自由』の現在と未来」に登壇。「日本国憲法は傑作であり、名作」と称え、「日本国憲法よりも優れた憲法を制定する能力や政治状況がいまの日本の政治家にあるかどうか。僕の答えはNO」と断言した。そして、2012年の自民党改憲草案について「無能力と不見識ぶりに唖然とした」と厳しく批判。基本的人権や表現の自由が失われること、緊急事態条項の危険性、憲法が縛る対象が国家権力から国民に変わってしまっていることなど、自民党改憲草案の問題点を指摘していた。

 最近も「週刊金曜日」(金曜日)2019年2月1日号にも登場。旧友である教員・ライター藤原孝弘氏のインタビューに応じ、安倍政権や忖度するメディアを厳しく批判している。さらに石田は叩かれてもなぜ発言し続けるのか、その真意についてもあらためて語っている。

「行政の長(内閣総理大臣)がマジに怒って、「早く質問しろよ」とかヤジを飛ばしちゃう。文化偏差値というものがあるとすれば、日本は非常に低いんじゃないか」
「あれ(引用者注:福島第一原発事故)を総括しないで原発を再稼働している。ヤバイでしょ」
「安倍さんは原発に反対する小泉元首相に「無責任だ」と言ったけど、どちらが本当に無責任かは一目瞭然」
「今の政治家は旧体制の支配者層の3世4世が多いので、憲法改正もそっちのほうに戻りたいんだな、と思います。自民党は結党以来、自主憲法制定を党是としてきたにもかかわらず、60年かかって出してきた憲法草案は不見識で無教養で、できが悪い。」

■麻生財務相の「ナチスの憲法」発言を正したらディレクターに「困ります」

 石田は、安倍政権を忖度するメディアに対しても厳しい目を向ける。テレビ朝日の早河洋会長は石田が夕方のニュース番組『スーパーJチャンネル』のキャスターを務めていたときの報道局長だったと明かしたうえで、こう疑問を呈した。

「(テレビ朝日会長の)早河さんはいまやよく安倍さんと一緒に食事をされていますね。米国で三大ネットワーク、五大ネットワークのトップが政権トップとご飯を食べていますか。日本は先進国といえるのですかね。」

 安倍首相と会食を重ねているメディアはテレビ朝日に限った話ではない。多くのメディアが政権と癒着するなか、石田自身、テレビ局の忖度と圧力を目の当たりにしたという。麻生太郎副総理兼財務相が「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうか」と発言した問題についてコメントした際の経験をこう語っている。

「番組中で、すっと終わりそうになったから、『すいません、ナチスの憲法というのはないです』『麻生さんは多分誤認されたんじゃないですか』と言ったんです」

 石田は、ナチスは憲法を作ったり改憲したのではなく、全権委任法によってワイマール憲法を骨抜きにしたと解説しようとしたのだという。ところが、歴史的事実を語っただけのこの発言が、問題視された。

「番組終了後に、ディレクターが飛んできて「石田さん、そういう発言は困ります」と言われました。カンカンになって怒ってきたと」

 ちなみに、ここで「カンカンになって怒ってきた」相手について、石田は「わからないけどたぶん麻生事務所か自民党」と答えているが、この一件をきっかけに、「それから在京のテレビ局にはあまり呼ばれなくなった」とも語っている。

■「桜を見る会」の招待状が来たのに、内閣官房から電話が来て「ダメ」と

 こういった圧力を受けると普通の人であれば、政権批判からフェードアウトするか、もしくは逆に、政権の恐ろしさに震えて取り込まれることすらある。

 しかし、石田はそうはならなかった。実は、石田純一と安倍首相は共に1954年生まれで同い年(石田は1月生まれで安倍首相は9月生まれなので、学年的には石田のほうが1つ上)。同い年の人同士で集まった「昭和29年会」を通じ親交があり、1993年に安倍首相が最初の衆院選挙に出た際には、請われて自民党山口県連の婦人部が集まっている集会に参加したこともあるという。

 そんな縁もあって、実は石田は今も安倍首相主催の「桜を見る会」にも招待されているのだという。前掲「週刊金曜日」で石田は、桜を見る会をめぐってこんな裏話も語っている。

「実はいまこんなに安倍政権を批判しているけれど「桜を見に来てください」とか安倍さんから招待状が来ます」
「でも、内閣官房から後で電話がきて、ダメ、といわれる。安倍さんには当時から違う意見をはっきりと言ってたからね。雰囲気が悪くなる、とみんなに嫌な顔をされながら。29年会は、いまでもやってるみたいだけれど、俺は呼ばれなくなりました」

 石田は、「戦争は文化ではありません」という名言を残した、安保法制をめぐる国会前デモでのスピーチで「アメリカはもちろんわれわれの友だちで同盟国ではあります。でもやはり間違ってる、違ってる、なんかそういうことは友だちでもちゃんと言えなくちゃおかしいと思います」と語っていた。

 石田はまさに「友だちでもちゃんと言えなくちゃおかしい」を実践していたわけだ。

■ネトウヨに攻撃され、街で保守親父に絡まれた体験を笑い飛ばす石田

 もちろん、石田自身は、こうした政権批判を続けている限り、自分への風当たり、圧力がずっと続くいことはわかっているはずだ。実際、「週刊金曜日」のなかでもこんな経験を明かしていた。

「『週刊新潮』の連載が1年で終わって、いまはウェブのほうで。ネトウヨとかが乗り込んできて喧々諤々となったりしますね」
「ホテルのバーとかでイケてない親父たちにからまれるわけですよ。『石田君、君は間違っているよ。中国に攻められたらどうするんだ』と。『それは個別的自衛権で対処できますよ』って言い返しますが」

 しかし、圧力をかけられ仕事を降ろされ、ネットでネトウヨに攻撃され、街で保守親父に絡まれても、それでも石田はめげることはない。それどころか、いたって前向きだ。

「(都知事選で出馬が取りざたされた時)おまえなんか、2000%当選しないよ、と松本人志さんに言われた。いま、シンプルにできることはないかと考えると、情報の提供、視点の提供かな、と思う」

 飄々としているようにみえる石田だが、戦争のない平和な世界を実現するために、自由で民主的な社会のために、芸能人である自分に何ができるか、どういう場でどういうタイミングで何を発言するべきか、常に真剣に考えている。そのクレバーさと本気、そして覚悟を、メディアも少しは見習ったらどうだろう。 

(編集部)









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『日本は「GDP世界第3位」の経済大国なのに 1人あたりGDP

2019-02-13 22:24:38 | 杉並からの情報発信


デービッド・アトキンソン氏は『日本は「GDP世界第3位」の経済大国なのに 1人あたりGDPは先進国最下位(世界第27位)で生産性は先進国でいちばん低い』と指摘するがその原因は一体何なのか?(No1)

その答えは、この間朗読してきた故石井紘基衆議院議員の著書『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』の中に書かれている!

その答えを簡潔に言えば、日本は政治家と官僚が支配する『官製経済国家』であり『資本主義の仮面をかぶった効率の悪い社会主義国家』であり『国民のカネが政治家と官僚に食い尽くされている』からである。

▲そのことを具体的な記述で見てみよう!

衆議院議員石井紘基氏著『日本が自滅する日「官僚経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』(PHP2002年1月23日発行)

第一節 日本は官製経済の国だ (P112-121)

①事業、開発のための法律が300 (P112-113)

わが国は“官制経済”の国だ。いや、社会主義経済の国といってもいい。金
を上から下へと流しこみ、途中で政官権力が掬(すく)い上げる“流しそう麺
”式の社会主義的計画経済の性格がきわめて強いのである。

その第一の根拠は、法的な側面である。今日、わが国には「事業」「開発」
「整備」等のための法律が約三〇〇を数えるに至っている。このほとんどは一
九六〇年代以降制定されたかまたは改訂されたものである。わが国の全ての法
律の数が一六〇〇に満たないことを思うと、いかに政治・行政が経済行為に介
入し、実質的に市場を支配しているかがわかる。

しかも、政令、省令、通達などによる事業展開はさらに膨大な量にのぼるば
かりか、それぞれの法令や規則の中に無数の事業が盛り込まれている。今日、
省庁が直接指揮をとる経済プロジェクト、経済関係事業の数がどれほどの量に
なるのかは、ほとんど想像を絶する。個々の事業を紙に書き出しただけでも、
一省庁あたりダンボール何箱という単位の話である。

横浜国立大学の花田頼明名誉教授は、わが国の権力による経済支配の手法に
ついて「日本の場合には許可制や免許制を取り、これらを通じて行政が関連企
業を自分の世界に抱き込んで、一方では命令や行政指導を通じて規制しなが
ら、他方では抱き込んでいる企業や業界を育成し保護していくというやり方を
取っている」と指摘している。彼はこれをアメリカと対比して「アメリカでは
もともと規制はなく自由放任主義的に競争させることから出発しています」、
自由競争の弊害に対しては「独立行政委員会をつくって、そこで審判という方
法で行き過ぎを是正し……抑えていくというやり方をとっている」と説明して
いる (『ジュリスト』一九九四年五月一日号)。

つまり、アメリカでは、まず、市場があって、その上でルールが作られる
が、日本では逆だというのだ。

②GDPに占める公的需要は極端に大きい

・わが国経済の規模を国内総生産(GDP) で見れば五一〇兆円(平成一二年
度=2000年度名目)だが、このうち、一二一兆円は「政府消費支出」および「公的資本形
成」といった、政府による直接の買い物、すなわち「公的需要」 である。こ
れには特殊法人の建設・設備投資以外の支出や公益法人、第三セクターなどの
事業に係る支出は含まれていない。このため、GDPに占める公的需要の全体は
もっと大きいと推定される。

・また、国による歳出は一般会計と特別会計を合わせた純計で約二六〇兆円、
地方公共団体の支出は(国とのやりとりを除いた)純計で九〇兆円である。し
たがって、国と地方を合わせた一般政府の支出は三五〇兆円となる (平成一
二年度=2000年度)。

(注山崎):日本のGDP五一〇兆円(平成一二年度=2000年度名目)に対する一般政府支出三五〇兆円の割合は68.6%となる

・ちなみに国家予算とGDPの関係を国際的に対比してみると、フランスの場
合、国家予算三一兆円に対してGDPが一六三兆円、イギリスは国家予算四五・
六兆円に対してGDPが一六四兆円、ドイツは連邦政府予算四〇兆円に対してGDP
が二四〇兆円(以上、一九九九年)と、いずれも中央政府の予算規模は、GDP
の三〇%以内である。付加価値の規模を示すGDPと政府歳出との関係を国際比
較してみればGDPに対する政府歳出比率の異常な大きさは浮き彫りになる。

・つまりわが国の経済では、政府に関連したおカネにかかわる部分が異常に大
きく、市場経済活動の成果は極めて小さい。

③資本主義の仮面をつけた社会主義

市場経済にとってもう一つ恐ろしいことは、わが国ではGDPに近い額の郵
貯・簡保・年金の積立金が政府資金として運用されており、しかも、この内二
〇〇兆円を超える巨額の資金が債券や株式など有価証券市場に投入されている
ことである。

そもそも資本主義経済の動脈ともいうべき内外の金融市場に対して大量の政
府資金を動員することは、自由・自然な生きた市場を撹乱する。血管に血液型
の異なる血液を輸血注入するに等しい行為である。否、危険な非加熱製剤の輸
血といってもよいであろう。

政府により金融市場に出される資金のうち、国際金融市場に当てられる資金
量はざっと五〇兆円である。内訳は外為特会二八兆円、財政融資資金四〇〇〇
億円、郵貯特会四兆六五〇〇億円、簡保特会四兆一五〇〇億円、年金資金運用
基金一兆二六〇〇億円、簡保事業団(金額非公開だが、郵貯特会から一五兆
円、簡保特会から一〇・五兆円受け入れる預託金の約三分の一と推測)八兆
円、農林中金七兆円(農林中金は現在は特殊法人でないとされているが、法律
により特別に設置された官企業)、その他である。

各国とも一定の外貨準備等により、国際金融市場への調整介入政策をとるこ
とはある。しかし、それは国家的な緊急かつ不測の事態への調整手段ないしは
外交的必要性によるものである。それにしても自由競争と市場経済を前提とし
たルールは守られなければならない。最大の金融大国たるアメリカの場合で
も、政府の外貨準備高はせいぜい七兆円程度(六六二億ドル)に過ぎない。こ
れを見てもわが国は世界に特異な資本主義の仮面を着けた社会主義国(国家資
本主義) であることがわかる。

こうした政府の巨額の(借金)資金による国際証券市場への進出という財
政・金融構造こそ、国内はもとより世界の金融市場を歪め、日本が世界経済の
破壊者となる可能性を高めている。今後、郵貯、年金等の自主運用が進めばま
すます危供される。

④政府系金融はオール民間の1.25倍の規模

わが国経済の異常さを、具体的に金融事業についてみてみよう。

わが国金融事業全体の中で政府系(行政)金融が占める量と割合はどれくら
いだろうか。日銀の資金循環統計をはじめとする公表データで集計すると、民
間の都銀、地銀、第二地銀、信金、信組、その他の貸金業の融資総額は図表2
-1の通り約五二〇兆円である。

これに対して行政による金融事業の規模は融資残高約六五〇兆円、つまり、
民間金融の一・二五倍に達している(図表2-2)。しかも、官は民間金融機関
の運営を細かく干渉する。つまり、わが国の民間銀行は、仕事を取り上げら
れ、規制され、かわりに公的資金という人工呼吸器をあてがわれているのに等
しい。

⑤不動産事業の11%hは官企業が独占

「官」 の進出が「民」を衰退させている例として、さらに不動産・住宅事業
を挙げよう。「官」 の雄であり、規模においては世界一のディベロッパーで
ある都市基盤整備公団の不動産部門の事業費支出は、一兆二三〇〇億円である
 (総資産一七兆五六九〇億円)。そしてこの公団の直接の子会社における不
動産事業の合計は、一八三〇億円である。さらに、各省庁の傘下にある特殊法
人・公益法人、その子会社が土地取得事業などを行っている (平成一二年
度)。

たとえば、(財)民間都市開発推進機構の土地取得事業費は一五〇〇億円、
(財) 日本勤労者住宅協会は六四五億円、(特)地域振興整備公団が三二〇
億円などだ。また、(特)雇用・能力開発機構の住宅事業は三八二億円、地方
住宅供給公社は七一〇〇億円、地方土地公社は一兆一〇〇〇億円、その他運輸
施設整備事業団なども相当額の事業展開を行っている。ちなみに、地方土地公
社は都道府県と指定都市及び市区町村に一五九四社あり、保有土地は金額ベー
スで八兆三〇〇〇億円である。「官」 の企業の場合、性格上 「売り」 
「買い」 「賃貸」 のいずれかに偏る場合があり、正確な数字の計上は困難
であるが、その事業規模は年間およそ三兆五〇〇〇億円と推計される。これに
対して民間不動産会社の (売上げ)事業総額は、「財務金融統計月報」 
(財務省) によると約三二兆三七〇〇億円である。

したがって、全不動産事業の約一一%が行政企業によって占められているこ
とになる。

⑥市場原理が機能しない経済

それにしても、日本はいつからこのような、市場が機能しない国、政と官が
結託して利権をほしいままにして民を圧迫する国になってしまったのだろう
か。来生(きすぎ)新・横浜国立大学教授の『産業経済論』(ぎょうせい、平
成八年)によりつつ、振り返ってみよう。

国家と市場、権力と市場の関係について考え抜かれた著書によれば、敗戦か
らの復興過程では、希少な外貨のコントロール権を行政が握り、それを最終的
な担保として強権的な政治主導型の経済運営が行われた。国内的にも、重要な
物資については官僚主導の計画経済が行われた。

高度成長経済も基本的には政官主導による重工業主体の産業政策が追求され
たが、この時代までの政策は今日の直接介入とは異なっていた。権力といえど
も、産業との協力の下に、あくまで産業そのものの発展を目指す「誘導」「育
成」がキーワードだった。

したがって、この過程では政官主導とはいえ、経団連や商工会議所の財界
リーダーたちが日本丸の船頭となっていた。他方では中小企業が活力を発揮し
た。だからこそ「経済は一流」といわれ、市場経済体制が花開くかに見えたの
だ。

戦後経済でもっとも重大な転換期は、その後の一九七〇年代であった。この
時期以降の日本経済について来生氏は「市場を支える勢力が完全に経済運営の
主導権を獲得しっつある時代」とみているが、それは誤りだと私は考えてい
る。市場から後退し、自立的な企業同士の民主的かつ公正な競争による自由経
済体制を築くべき政治・行政権力が、むしろ力を増したのだ。

この時期、政官権力は正面から民に対抗するのではなく、新たな協調を求め
たようにも見える。しかし、実際は、そうしたポーズをとりながらも、一方で
行政指導、経営規制を拡大し、他方で自ら行政企業(官企業) の大群を率い
て市場に侵入していった。それだけでなく権力は、自ら法令にょり産業ごとの
開発プロジェクトを打ち出し、大規模な事業経営を展開した。

こうして、市場は、「政官の行政経済」に侵蝕され、自主性と主体的活力を
殺(そ)がれ、権力に対して完全に敗北した。政治家と官僚が結託した支配
は、一九八〇年代後半以降、どんどん強められていった。そして、ついに、日
本経済は市場原理が機能しないものとなったのである。

資本主義経済で「必然」とされた寡占化、過当競争、失業、恐慌などを克服
するものとして、二〇世紀にケインズ経済学が登場した。不況が深刻な恐慌に
至らないよう、政府や中央銀行が時宜を得た景気対策や金融政策などを発動
し、それによって資本主義経済は息を吹き返した。

政府の経済政策は独占の制限、労働・雇用対策、税政策などにもおよび、そ
れとともに中央銀行による金融政策の重要性も高まった。日本の公共事業政策
が効果を発揮した時期もあった。

主要国首脳会議(G8)や主要七カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)など、政
府の経済政策を国際的に調整するシステムも確立されていった。

しかし、こうした政府による経済政策や国際的相互作用も、それが有数であ
り、意義あるものであるためには、その国の経済が自由競争を原理としたもの
であり、資本主義経済の本質を維持していることが前提条件となる。かりに、
その国が金融においても産業においても、自由競争の要因が薄い国になったと
したら、あるいは、経済活動に拡大再生産の資質が失われた国だったとした
ら、あらゆる経済対策は景気や雇用問題を解決する力を持たない。一九九〇年
代の日本経済が陥ったのは、まさにこうした病弊なのである。政府は公共事業
などで、「史上最大規模」の“景気対策”を重ねる。日銀は金融機関に対して
「借りてくれ」と懇願するようなウルトラ金融緩和政策をとる。しかし、財
政、金融の両面でいくら力んでも、景気はよくならない。その理由は、経済そ
のものの存立基盤が失われているからなのだ。

このように、わが国を非効率な社会主義経済にしてしまった機構面での大き
な要因は、特殊法人や公益法人を中心とする“行政企業群”、略して“官企業
”である。以下、節を改め、特殊法人とはどんな性格のものであるか、主要な
特殊法人は、どんな活動をしているか、そして、公益法人とはどんなものか、
をみてゆくことにしよう。

(No1終わり)




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