ロシアVS米国と言う、陰謀論者の間違え
ロシアは、カザフスタンのテンギス油田から、黒海の石油積み出し港ノボロシスクまで、1580kmのパイプライン建設を完了させ、稼動を開始している。
一方、老朽化した油田の再開発に忙しいアゼルバイジャンのバクー油田からも、既にグルジアを経由し、このノボロシスクまでのパイプラインが完成し、稼動を開始している。
このパイプラインは、外貨稼ぎのための、ロシア経済の「生命線」となっている。
この「生命線」は、米国国務長官コンドリーザ・ライスが、かつて取締役であったシェブロン石油、ロックフェラーのエクソン・モービル、ロシア政府、カザフスタン政府の共同経営によって動いている。
ロシアの「生命線」が、こうして米国資本によって半ば、動いている。
今後、ロシアと米国の対立によって、新たな冷戦が開始され、第三次世界大戦が準備されると言う、陰謀論者の「国際政治学的・図式整理」は、こうした水面下でのパイプライン事業の一体化が、何も見えていない所から出てくる。
「自分に敵対する人間を全てイルミナティの手先」などと感情的に罵倒するインチキ陰謀論のような妄想ではなく、原油という「物質の動き」が現実を決定し、動かす。