格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

大阪G20と壮大なる国費投入の野党壊滅作戦<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-30 08:56:16 | 日本の風景

大阪G20と壮大なる国費投入の野党壊滅作戦<本澤二郎の「日本の風景」(3360)
<電通・新聞テレビを巻き込んだあっぱれ安倍晋三ショー!>
 この二日間は、梅雨の真っ最中で自宅から外に出ることもできない。仕方なく、目に悪いパソコンと生活しなければならなかったのだが、比例してインターネット上の報道記事と接触することになった。その結果、大阪G20が、巨額の国費投入の参院選向けの大掛かりな事前運動・安倍ショーであったことが判明した。枝野野党は、どこかに弾き飛ばされるかもしれない。あたかもそれは、電通と新聞テレビを動員した官邸による野党壊滅作戦そのものだった。深刻重大なことは、そのことに主権者が気づかない点にある。

<311の福島でなくて、大阪を選択した理由も判明>
 改めて311の東北・福島を念頭に、G20の開催地を考えてみると、日本政府の東北・福島復興が事実であれば、福島こそが日本で初めてのG20の開催地でなければならなかった。悲しいかな、放射能の福島を回避しなければなかった。

 想起するまでもなく、2020東京五輪は、放射能は解消したという大嘘とIOC委員買収で実現した。すなわち、放射能汚染を隠ぺいし、IOC国際五輪委員会を買収することで獲得したものであるが、それでも真実を隠ぺいするためにも、福島G20でなければならなかった。

 しかし、それは不可能だった。G20の参加者がそろわないという不安があった。仮に福島開催ともなれば、数千人の取材陣の一部は、東電福島の現場へと駆け込むだろう。そうなれば、第二のチェルノブイリ発覚である。
 かくして関東を通り越して、関西大阪での開催となったものであろうと推認できる。悪人はワル知恵が働くものである。悪く言うと、売国奴レベルの大阪G20であって、それはまじかの参院選での、自公3分の2議席確保作戦、すなわち改憲軍拡を目的とした日本大改造なのだ、ということが、くっきりと見えてくる。

<2020東京五輪の仏司法当局を完ぺきに封じ込める!>
 思い出すと、安倍のG20工作の最初の訪問先は、フランスはパリだった。王室をギロチンにかけたフランス革命の国である。誇り高いフランス人ゆえに、1%派のマクロン人気は低下している。

 なぜフランスだったのか。フランスの司法当局は、東京五輪の腐敗を徹底捜査している。やむなく買収の張本人の一人である日本IOC会長・竹田を更迭するしかなかった。したがって、これ以上の波及は、東京五輪返上しかない。

 筆者は、3月25日に十数年活用して、読者が数千人も見てくれているライブドアブログ「ジャーナリスト同盟」通信で、大義のない五輪を潔く返上すべきであると訴えた。すると、翌日から、このブログが何者かによって、使えなくさせられた。
 アベ官邸による初めてのネット言論弾圧に相違ない。

 今回のG20にマクロンは早々に東京入りした。政府は、天皇とも昼食をとるという破格の待遇を用意した。お分かりか、フランス大統領も買収した?のであろうか。これで森喜朗や石原慎太郎、安倍晋三への捜査は止まってしまった、と分析できるだろう。

<IOC会長も買収していた?>
 いや、腐敗はIOC会長の周辺にも及んでいた、との疑惑も持ち上がっている。なんとなんとG20に、ドイツからバッハ会長が姿を見せていたのだ。そのことをNHKネットが報じていた。
 念のため、共同通信と時事通信と朝日新聞のネット記事をチェックしたが、バッハの姿はない。

 昨日の首脳昼食会の場で、バッハが発言していたのである。東京五輪の宣伝である。不正腐敗の東京五輪を、これもいうなれば正当化させるための布石だったのだ。
 「バッハ工作は電通か。経費は五輪予算からでたものか。謝礼はモノか金か」と事情通は注目している。不正と腐敗がどこまでもまとわりつくアベ官邸であろうか。
 NHKは、G20の会場に東京五輪の最高責任者で安倍の後見人の森喜朗も姿を見せて、プーチンに何かの招待状を手渡していた、とも報じた。うさんくさいIOCである。

<欧州メディアにおもてなし記事を書かせ、即時事通信で宣伝>
 おそらく電通の仕業に相違ないだろうが、欧州の一部の新聞がG20のおもてなしを宣伝する記事を書かせると、それを鬼の首を取ったかのように、時事通信が昨日転載したのだ。
 こうした芸の細かさも、アベの野党壊滅作戦の一部を形成していたように分析できるのだが。
 そういえば、全体会合や個別の会合の冒頭部分をテレビで大写しさせていたのだが、冒頭発言は外交辞令だから、無知な国民にとって、貴重な安倍の宣伝ともなる。アベ礼賛の様子を2日間、茶の間に流し続けた。

<茶の間の日本人を狂わせる報道乱舞>
 この数日間で、国民は深刻すぎる年金や消費税10%のことを、すっかり忘れてしまった。偉大な自立できない日本の言論の成果である。「独立していない日本の言論」という国連の警鐘も、茶の間に届こうとしなかった。

 翻って、どうする枝野?責任は重い。複数区での野党共闘を実現すれば、大勝できる参院選挙であることは、わかりきっている。
 こんごも連合の1%派に操られてしまうのかどうか。もう一つは、選挙屋「ムサシ」による不正選挙の行方である。愚かすぎる枝野が、無党派の山を動かせることができるのか。
 杞憂であればいいのだが?
2019年6月30日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)






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包囲された日本レイプ文化<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-25 10:55:47 | 日本の風景


包囲された日本レイプ文化<本澤二郎の「日本の風景」(3355)
<ILO決起!追い詰められたTBS山口強姦魔>
 ジュネーブからすばらしいニュースが届いた。ILO(国際労働機関)総会で、性暴力全面禁止を、加盟国・労働組合・経済団体が圧倒的多数で採択した。職場でのレイプ事件は日常茶飯事の日本である。それに国連がストップをかけたのだ。画期的な快挙である。日本の司法当局の判断に影響する。当然であろう。追い詰められたTBS山口強姦魔と断じるほかない。

<法務検察・警察の甘すぎた対策に釘>
 日本の法務検察・警察は、依然として戦前の男尊女卑の風土に埋没して、近代民主主義の人権平等に覚醒していない。その特別な世界が、強姦・レイプを容認するかのような政治と文化の日本である。
 一見、紳士ぶっている文化人・教師・坊主を装っている輩が、存外、強姦魔なのだ。政治屋は言うまでもない。言論人も例外ではない。ネット社会にもいっぱいいるため、これの情報発信力は弱い。

 性犯罪に対する対応は、恐ろしく甘い法治だ。刑罰が軽すぎる。たとえ裁判になっても、男性判事は犯人を救済して平然としている。日本の刑事警察は、女性虐待事件に真正面から向き合っていない。
 肝心の女性の代表である国会議員が、ここから逃げてしまっている。戦後の近代民主主義も、自立しようとしない女性のリーダーによって、放棄されている。憲法の人権主義にも、対応が甘い。
 日本の男尊女卑は、男だけでなく女性にも問題がある。これに反論できる日本人はいない。たとえいても匿名である。

<やくざ放任の日本政治に厳しい国際社会>
 日本の政治は、今回のILO採択をどれほどの重みでとらえているだろうか。安倍晋三や山口那津男など自公の政治屋は、間違いなく無視している。これは「小さな声」ではないにもかかわらず。

 筆者は、2014年4月28日にやくざ浜名のドーカツによって殺害された「木更津レイプ殺人事件」の被害者のK・T子さんのことを、多分、生涯忘れることはない。これほどの悲劇を、近くで目撃したことがなかったからでもある。
 三本指の入れ墨やくざ浜名にレイプ・性奴隷を強いられ、格子無き牢獄で太陽も拝めなくさせられた。彼女は、戦争遺児の平和主義者だったこと、その限りで信仰の世界にのめりこんできた美人栄養士ゆえに、妻にデーサービス「かけはし」を営業させ、そこに配下のヘルパー吉田を使って誘い込んだやくざ浜名の悪逆非道な殺人事件を、正義のペンが許さない。
 そこから覚醒したジャーナリストとして、同じような悲劇の女性がゴマンといる日本列島を、放任する日本政治・レイプ文化に対して、限りなく怒りを覚えるものである。

 やくざ退治が喫緊の日本政治の課題であると叫んできたが、これに文句をつける日本人はいない。いたら堂々と名乗れ、と言いたい。
 日本の警察力をとことん嘆くばかりである。木更津の殺人鬼は今も生きているのだから。これを放任している信仰者の団体も、である。これも恐ろしい。倫理が宗教からも消滅していることに、ひたすら驚愕するばかりだ。

 そんな日本に、国際社会が目を向けたのだ。すばらしい動きである。高く評価したい。日本のレイプ文化を退治することが、何よりも重要である。さすれば、政治も大きく変わるだろう。

<抵抗する財閥を露呈したILO総会>
 ILO総会で発覚した真実は、日本財閥が性虐待・レイプ文化の日本から目を背けたことである。財閥の表向きの団体である経団連が、この歴史的な投票場面で棄権したのだ。これは大ニュースである。

 やくざ暴力団と連携しているのは、政治屋ばかりではない。やくざ・暴力団に餌を撒いてきたのは、財閥である。この真実を教えてくれた御仁は、平和軍縮派の宇都宮徳馬さんである。
 財閥に飼われている犯罪集団が、財閥ゆえに、やくざの飯の種であるレイプ禁止のILO採択に抵抗したものだ。この財閥の傀儡政権が今の自公内閣で、支援する言論界が、読売・産経・日経・NHKと民放各局ということになる。

 伊藤詩織さん事件を報道した欧米マスコミに対して、これを1行も報道しない日本の新聞なのだ。腐ってしまった日本を象徴している。

<「スプリング」「ヒューマンライツ・ナウ」「ボイス・アップ・ジャパン」も決起>
 だが、欧米の波は嵐となって列島にも襲い掛かってきている。これも評価できる。昨夜、朝日デジタルが、これまたうれしいニュースを伝えていた。

 レイプ文化の被害者が、グループを結成、署名運動をしていたのだという。性犯罪に重罰を求める5万人近い署名を、法務省に届け出たというのだ。
 これも快挙である。自立する女性の台頭を裏付けている素晴らしいニュースだ。「スプリング」「ヒューマンライツ・ナウ」「ボイス・アップ・ジャパン」という3団体である。
 アメリカで発生した#Mee Too運動に影響されたものであろう。国際的なレイプ文化退治のうねりが、日本にも生まれていることになる。

 彼女らの代表が、これから国会に、地方議会に議席を持つのである。本物の日本改造を約束するだろう。武器弾薬の自公政治を根底から破壊する力を秘めている。

<伊藤詩織さんの勇気に感謝>
 この素晴らしい自立する女性の強姦阻止運動は、日本の戦前戦後史になかった動きである。文句なしの画期的な運動体である。

 彼女らは、間違いなく無党派の眠っている女性の心を捉まえるはずである。戦前戦後を通しての、偉大な日本政治改革の旗手に相違ない。
 日本の希望でもある。その契機をつくってくれたであろう、伊藤詩織さんに感謝感激である。改めて彼女の勇気をたたえようと思う。

 「木更津レイプ殺人事件」の被害者のK・T子さんは、いまだ地獄で呻吟しているようだが、彼女こそが伊藤さんの勇気を一番喜んだ日本人であると指摘・叫ぼうと思う。
 時代は変わる。歴史は動く。日本列島も地殻変動している。そこでうごめく日本人の精神も変革する。日本は変わっていく。自公の改憲軍拡をとどめを刺す2019年にしたい。

 議会・国会議事堂は病んだままだが、主権者はじっとしていない。いま女性の自立が始まっている!無条件で喜びを分かち合いたい。
2019年6月25日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)








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再びTBS山口強姦魔<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-23 13:28:48 | 日本の風景


再びTBS山口強姦魔<本澤二郎の「日本の風景」(3353)
NEW!2019-06-23 09:00:25
テーマ:ブログ

再びTBS山口強姦魔<本澤二郎の「日本の風景」(3353)
<司法による逮捕状を握りつぶした警視庁刑事部長の行方>
 日本にはいたるところに強姦魔がいる。TBS山口強姦魔に限らない。悲劇的なことは、被害者が沈黙して、自ら性凶悪犯を見逃しているレイプ文化にある。国民すべてが認知しているが、すべてが沈黙している。唯一の例外が、伊藤詩織さんで、騙されて襲い掛かった強姦魔を警察に訴え、警視庁の高輪署が徹底捜査、それを東京地方裁判所判事が評価して、犯人の山口強姦魔に対して逮捕状をだした。この過程に誤りはない。正当な犯罪捜査と裁判所の判断である。

 ところが、逮捕寸前のところで、警視庁刑事部長が逮捕状の行使を止めて、なんと握りつぶし、改めて捜査一課に無罪捜査を強いた。これは途方もない刑事訴訟法違反事件である。国家公務員法にも違反する大罪である。それだけではない、三権分立という憲法の根幹を破壊する行為だ。
 結果、刑事部長の中村は警察庁へと大出世した。森友事件で嘘をついて、国税庁長官に大出世した佐川と同じである。

 毎日のように連絡をくれる事情通は、伊藤さんとの面識は全くない。筆者もそうであるが、この重大犯罪を黙認したりすることは、決して許されるものではないと叫んで、筆者のお尻をたたく。要は、この事件こそが、この国の今を、鋭く映し出している。暴政の一角を露呈しているといっていい。

 法治国家を破壊した違法行為を中村に指示した黒幕が、首相官邸である。誰もが、安倍と菅の悪政を象徴する事件だと認識している。

<三権分立の破壊行為に沈黙する最高裁と議会と言論>
 権力が一本にまとまると、独裁の始まりである。人々が知らない間に強権的独裁・ファシズムに呑み込まれて、身動きできなくなる。今がそうで「100年安心」の年金制度が、当の昔に破損して、2000万円ないと95歳まで生きられないと政府審議会が公表して、老いも若きも大半の国民が右往左往している。

 どうするか、武器弾薬の爆買いをやめる、財閥の500兆預金を吐き出させればいいのだが、このことを議会人も政党も、学者文化人も声を上げようとしていない。

 10%消費税どころか消費税をなくして、富者から吐き出すのである。これしかない。そうすれば、弱者がジタバタすることもない。そのような政党と議会人を選べばいい。選挙目前ではないか。

 話が横道に反れてしまったが、独裁政権は無法無天、何でもやる、法治を破壊する。TBS山口強姦魔もみ消し事件こそが、その典型的な事例である。
 これに法の番人である最高裁が沈黙している。議会・政党も。そして「自由の言論」を吹聴する言論界が沈黙している。

 特定秘密保護法・集団的自衛権の行使による自衛隊参戦法制・共謀罪の成果の前に、沈黙している日本の現在である。自由で民主主義が消滅してしまった日本であろう。
 
<出世した中村という行政官は国家公務員法違反>
 伊藤詩織さん事件は、この国の法治が機能していないことを露呈している。中村は、たかが行政官にすぎない。司法官では全くない。それでいながら、犯罪を、女性最大の敵である強姦魔を救済して、世界に衝撃を与えている。

 行政官が司法の分野に介入することができる日本を、だれが想定したであろうか。中村の犯罪がどこまで続くのであろうか。法の下の平等が泣いている日本である。
 日本国民のすべてが中村の今後を注視している。同時に、彼を操る官邸の黒幕の行方にも。

 それでも、この国の前途は、主権者たる国民が、必死になって担わなければならない。伊藤詩織さんは、救世主の一人になるかもしれない。予言しておく。
2019年6月23日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)








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笑っちゃう米国務省報告書<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-23 13:20:57 | 日本の風景


笑っちゃう米国務省報告書<本澤二郎の「日本の風景」(3352)
NEW!2019-06-22 09:01:12
テーマ:ブログ

笑っちゃう米国務省報告書<本澤二郎の「日本の風景」(3352)
<レイプ文化の日本が人身売買阻止で高得点!?>
 安倍内閣が特定秘密保護法を強行した2013年ごろまでの筆者だと、昨日日本の新聞が報道した米国務省の人身売買データを、喜んで評価したかもしれない。しかし、2014年4月28日のやくざ浜名による「木更津レイプ殺人事件」を徹底取材して、日本の恐ろしくも悲しいレイプ文化の真実を理解してから、認識を新たにした。日本は人身売買最悪の国であって、米国務省の日本高得点報告書は、欺瞞に満ちたものであると断罪したい。

<属国史観の政治的配慮の大嘘データ>
 嘘の連発を、この6年間の日本人は見せつけられてきた。首相を支える公明党は、狐とタヌキが支配する化け物政党であることも判明している。
 ワシントンの主は、健全なマスコミの計算で、大嘘の回数が天文学的であることも報道されている。
 日米の政府機関も右にナラエだ。「バレなければ何でもする」と清和会OBは、以前から指摘している。政府与党機関で働いてきた人物の分析である。その判断は軽くない。

 今回の米国務省の人身売買の実情報告は、日本問題に限ると、いうところの
日本属国史観を反映したものである、と指摘できるだろう。それはワシントンの成果でもあるからだ。大嘘のデータである。日本の女性や日本で生活する外国の女性は、油断をすると、強姦・性奴隷を強いられる対象である。

<ルースベネディクトの文化論のままの男尊女卑の日本>
 日本敗戦後の70年前の米国人・ルースベネディクトの不朽の名著「菊と刀」は、今日の日本文化そのものを鋭く言い当てている。
 日本の男尊女卑は、現在も政府機関や民間の企業や組織・地域で生きている。民主主義の阻害要因である。女性の地位に多少の変化があっても、封建制の文化はこびりついたままだ。
 指摘するまでもない。天皇家の宗教である神道は、女性を巫女(みこ)という、言い換えると「売春婦」のような地位にさらしたままだ。不当な差別は、いたるところで生きている。
 ルースベネディクトが断罪した「半封建性」は、そのままといっていい。殺人に相当する強姦レイプに沈黙するだけの女性ばかりの日本なのである。そのことを「木更津レイプ殺人事件」で思い知らされた筆者である。

<悲劇的恩恵を受けるやくざ強姦魔と米兵>
 自立しない、自立できない日本人女性を覚めた視点で分析すると、その恩恵を受けている野蛮人は、覚せい剤を常用する入れ墨やくざと、米兵特に沖縄の海兵隊員である。
 沖縄は米軍基地による危険な場所を強いられているが、女性は米兵の強姦事件に恐怖の日々を送っている。日本属国の最前線は、まずは女たちが向き合わされている。歴代の政府と警察は、目をふさいできたわけだから、その罪は計り知れないほど大きい。

 やくざは女性をレイプした後、性奴隷として一生涯、歓楽街で働かせて、左うちわの人生を送っているのである。それを容認する日本の政治と警察である。これは、まことに深刻である。「木更津レイプ殺人事件」の取材で思い知らされてしまった。

 すべての日本人女性は、入れ墨を見ただけで体が硬直して、身動きできなくなるのは本当である。これに凶器とドーカツが加わる。その悲劇的場面を撮影して、女性の健康な人生を、一生涯奪ってしまう。
 性犯罪で生きるやくざはというと、強いものの陰に隠れて生きているため、警察は見て見ぬふりである。戦後、女性を強姦して逮捕されたやくざは、これまでのところ一人もいない。やくざの強姦事件は完全犯罪なのだ。

 日本の歓楽街は、やくざにレイプされた、悲劇の女性たちによって支えられている、悲劇の世界なのだ。そこへと日本に来るアジアの女性も、送り込まれている。

<「木更津レイプ殺人事件」の被害者の怒り>
 2014年にやくざ浜名に殺害された「木更津レイプ殺人事件」の被害者のK・T子さんの悲劇的運命を目撃して、初めてその恐怖にたじろいでしまったジャーナリストである。
 社会部記者であれば、おおよその見当のつく重罪であるはずだが、それが活字や本になることがなかった。このことがまずもって脅威である。「無知は犯罪」なのである。
 第一、偉そうにふるまっている政治家や官僚や新聞記者が、やくざレベルの強姦魔であったりすることを、否定できない日本である。それは警察官や教師や医師にも言える。この世の男性すべてが強姦魔?しかも、被害者が沈黙してくれる完全犯罪の可能性が強い。
 恐ろしいほどのレイプ文化の日本であって、米国務省の人身売買阻止の優等生の日本では、全くない。
 
<伊藤詩織さんの出番ですよ!>
 その点で、いまの日本人女性で注目される人物は、TBS山口強姦魔を刑事告訴した伊藤詩織さんである。彼女は、もっとも勇気ある女性として国際的にも評価されている。
 「木更津レイプ殺人事件」の全容を知ったジャーナリストとして、詩織さんの勇気をほめたたえたい。強姦魔を救済した真犯人であるアベと菅の違法行為を、永久に消し去ることはできない。
 自立する女性が政治改革の核心を握っている。体制派が一番恐れる存在が、自立する日本人女性なのである。

 【ワシントン時事】米国務省は20日、人身売買に関する国別の状況をまとめた最新の年次報告書を公表した。その中で日本に関して、人身売買阻止に向けた「最低限の水準を完全に満たしている」と評価し、昨年に続き4段階のうち最高ランクに位置付けた。
 日本は、未成年による援助交際や接客サービス「JKビジネス」などが問題視され、2017年まで13年連続で上から2番目のランクに据え置き。昨年初めて最高ランクに引き上げられた。
 最新の報告書は、日本が未成年を使った性風俗の取り締まりを進めているほか、外国人技能実習制度に絡む違法行為防止に向け「監督強化に取り組んでいる」ことなどを評価。一方で、同制度参加者を募る国外組織が法外な手数料を徴収しないようにする関連法の規定について「十分に運用されているとは言えない」と指摘した。

2019年6月22日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員) 










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「くだらない」<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-21 10:00:42 | 日本の風景


「くだらない」<本澤二郎の「日本の風景」(3351)
<血税166億円の祭祀、祭祀の政教分離違反>
 信頼した人権派弁護士に、何かを問うと、言下に「くだらない」と一蹴されたものであるが、いまの日本には、このくだらないことが多すぎる。多くの日本人がそうであるように、天皇制に無関心を決め込んできたが、春先から始まった皇位継承という奇怪な宗教儀式なる祭祀は、まさに「くだらない」典型であろう。口には出さないが、国民の多くはそう感じている。
 空前絶後の借金大国の日本である。天皇交代は1日で十分であろう。それを半年以上もかけて、しかも血税166億円を投入する。実にくだらない。日本は古代の卑弥呼の時代に生きている証を、世界に発信している?

<皇室の失墜と前近代の日本を象徴>
 「166億円を貧困世帯に配れないものか」と誰しもが思っているに違いないわけだから、本当に「くだらない」のである。
 皇室を押しつぶそうとの国家神道の陰謀なのか、と考え込む日本人もいるかもしれない。
 よく宇都宮徳馬さんは「50、60は鼻たれ小僧。男盛りは真っ八十」と言っていた。平成の天皇交代劇をすっかり忘れてしまっているのだが、今は時間的にも余裕があるため、一連の祭祀なる政教分離違反の儀式を「くだらない」と言下に一蹴することができる。

 まるで、戦前の国家神道に生きる日本そのものではないか。岸信介を尊敬した森喜朗の「神の国」を印象付けたいのであろうが、逆効果もいいところであろう。新聞テレビが宣伝しようが、国民の心は笑って、かつ嘆いている。
 半年もかけての交代劇が、この地球に存在しようか。これ一つ見ても前近代を象徴していて「くだらない」のである。

<くだらない右翼の五輪劇>
 311放射能汚染を隠し、嘘をついて、かつ関係者を買収して獲得した2020東京五輪に大義はない。「くだらない」のであるが、これを推進した連中は、みな右翼のくだらない人物ばかりである。
 ヒトラーのベルリン五輪を見習っての東京五輪に相違ないが、とても拍手する気にはなれない。NHKを先頭にして五輪宣伝に躍起となっているが、これまた、実にくだらない。
 NHKも落ちるとこまで落ちてしまった。

 166億円と五輪経費を、東北復興や54基の原発廃炉や、貧困家庭救済に使うまともな善政が全く聞こえてこない。政治も落ちるところまで落ちてしまっているのである。

<史上最低の首相を支える国家神道と創価学会の異様>
 古代と前近代が混在する21世紀の、現在の日本である。違うだろうか。
 確か古代の天皇でも「民のカマドの煙」に注目していたという。現在、それも見られない。
 史上最低の首相とは、清和会OBの断固たる主張であるが、支えているのは国家神道の復活を夢見る靖国派である。いまは日本会議という秘密の右翼団体で身を包んでいる宗教勢力であるが、祭礼で無知な庶民をかき集めることはできても、選挙での集票力は弱い。

 補完する勢力が創価学会という、これまた新興宗教団体である。これでもって3分の2議席を確保して、武器弾薬で「強国」を目指している政権だ。実に、くだらない野望なのだが、当事者は本気のようだから困る。
 財閥は願ってもない、これに熱心なのだ。軍国主義は財閥を太らせる妙薬だ。歴史の教訓は、彼らには通用しない。

 史上最低の首相は、米国の死の商人から武器弾薬を爆買いして、結果として日本を衰退させている。同時に、多くの国民を貧困化させている。

 誰が見ても、考えても、実にくだらない悪政・暴政である。
 彼らにとって幸いなことは、野党がまた、くだらない点である。バラバラ大好き政党ときている。

 ここにきて金融庁の金融審議会という専門家会議が「姥捨て山」の日本を裏付けた報告書を公表した。やくざまがいのギャンブル投資で2000万円を稼げ、と発破をかけた。
 そのための党首討論を開催したものの、たったの45分。3分の2の壁である。くだらない党首討論でしかなかった。

 くだらないまま、沈没する日本に、起始再生策はあるのか。占いの宗教勢力から、まずは政治の主導権を、理性と道義・正義・法治の主権者が取り戻す必要があるのだが。無党派が覚醒するのかどうか。若者に期待したい。








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福祉革命へ解散だ!<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-17 18:39:39 | 日本の風景


福祉革命へ解散だ!<本澤二郎の「日本の風景」(3347)
<うちわで解散風起こし自公維の改憲軍拡勢力吹き飛ばせ!>
 日本は、このままアベ自公維の改憲軍拡路線で沈没してしまうのであろうか。財閥1%の傀儡政権に屈して、戦争国家へと突進してしまうのであろうか。こうした現在の日本の危機的惨状を目の前にして、姥捨て山の日本を象徴していよう。この機会に提言したい。人々が街頭に出て、うちわで解散風を吹かせて、一気に政権を交代させ、福祉国家革命を実現するのである。韓国は確かローソクだったが、日本はいまの季節はうちわで、解散風を吹かせて、自公維を退治する時だろう。ネット世代に叫ぼうと思う。福祉革命の時である。

<オスプレイ・F35で沈没させられる前に決起、決起!>
 武器弾薬で国民を守ることはできない。
 70年前の歴史を紐解けば、小学生でも理解することができる。なにも70年前に戻って、国家神道や教育勅語・大日本帝国憲法を引きずり出す、自公維の政治は、愚の骨頂である。

 国民の3割、4割が貧困層に突き落とされて、福祉から排除されている。日本を代表する財閥企業のトヨタでも、終身雇用を拒否している。
 国民は一生働いても、それでも2000万円の赤字生活を余儀なくされる。実際は、4000、5000万円も不足するわけだから、もう長寿無縁どころか、食うや食わずの人生が待ち構えている。
 厚労省の基本データを分析した金融庁審議会の報告書である。「消えた年金」は、いまだに解決していない。新たに「2000万円の赤字」と試算した公文書は、それでも低めの数字だ。
 どうするか。報告書は「ギャンブル(投資)で稼げ」と、途方もない警鐘を鳴らした。勇気ある金融審議会の提言だが、現状からすると、合点するほかない。

 他方で、危険な「オスプレイ」や「F35」、はたまた「イージス・アショア」の爆買いのアベ内閣である。死の商人向けの、血税軍拡予算を強行してきた自公内閣である。武器弾薬に沈没する日本は、いまや絵空事ではない。
 ネット世代の若者が、このことにようやく覚醒したようだ。
<「2000万円赤字」にネット若者が数千人規模の街頭デモ>
 昨日、日刊ゲンダイのK記者は、いつもながら鋭い指摘をしながらコメントを求めてきた。
 ネット若者が、ネットに情報発信したら、数千人が街頭に飛び出した。この新現象をどう見るのか。極右の政府と議会は、野党の国会追及から逃げ惑うばかりのアベを、3分の2の絶対多数で押し切っている。この不当極まりないアベを、事実上見守るばかりの情けない議会だ。

 人生100年の今日から将来を見据えると、そこに希望はない。真っ暗闇もいいところだ。どうするか。
 最近の欧州議会選挙で環境派が大きく伸びた。原因は16歳の女性の決起が引き金となった。フランスの反政府デモも、若者が主体となっている。イギリス、ドイツからロシアまで、行動する若者が政治を動かしている。

 そして日本でも「2000万円赤字」人生に対して、政治革命にネットの若者が目覚めたものだろう。「川崎殺傷事件」や元農水事務次官に殺害された息子らの運命などを重ね合わせると、とうの昔に日本の福祉は崩壊してしまっている。
 行動する若者が、街頭に飛び出す理由であろう。彼らに「うちわを持て」といいたい。これで解散風を起こして、野党を一本化、福祉革命を推進する平和革命なのである。
 日本に希望の灯をともす偉大な平和革命である。
<反自公維勢力を結集して「福祉9条国家」の実現へ>
 内閣支持率50%は、新聞テレビの政府に寄り添う願望の数値であろう。昨夜、初めて世論調査という突然の電話を受けた。録音電話がポンポンと質問、それに受話器の番号で応答する、きわめていい加減なもので、政治に素人だと本音で即答することなど出来ない。
 世論調査のいい加減な正体を初めて知って納得した。

 若者の福祉革命は、いうなれば9条国家・平和軍縮路線である。血税を武器弾薬から排除して、福祉に切り替えるだけでいい。
 どうするか、改憲軍拡路線の自公維を打倒するのである。信濃町が覚醒すると、よりはっきりと福祉革命は人々の思いで実現する。安心して老後も生きられる日本である。
 言及するまでもなく、武器弾薬国家の先行きは、戦争するアメリカが見本である。9条は断固としてNOを突き付けている。
<「ゆりかごから墓場まで」の日本へ>
 北欧に開花した「ゆりかごから墓場まで」の福祉国家を参考にする必要などない。日本国憲法は、そこへと国民を呼んでいる、優れた世界最高の憲法である。外交を平和主義に切り替えることで可能である。
 これこそ人類の悲願実現で、国際社会から尊敬と信頼を手にすることができる。若者よ、立て!である。
2019年6月17日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)







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2年前の「枝野幸男ブーム」と今の「山本太郎ブーム」。何が同じで何が違うのか

2019-06-17 08:35:20 | 阿修羅


中島岳志の「野党を読む」
(3)山本太郎 
2年前の「枝野幸男ブーム」と今の「山本太郎ブーム」。何が同じで何が違うのか
島岳志 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授
論座 2019年06月16日

■山本太郎ブームはなぜ巻き起こるのか
 いま「山本太郎ブーム」が起きています。
 山本さんが各地の街頭で行う演説会は、瞬く間に黒山の人だかりができます。山本さんが話す内容は、グラフや数字を使った統計資料を基礎とする経済政策が中心で、1時間を優に超えるレクチャーに近いものです。しかし、人は減らない。むしろ雪だるま式に増えていきます。
 このうねりは一体何なのか。
 約2年前、「枝野幸男ブーム」が起きました。「枝野立て」という声が各地で起き立憲民主党が立ち上がると、あっという間に野党第一党の議席数を勝ち取りました。
 「山本太郎ブーム」と「枝野幸男ブーム」は何が同じで、何が違うのか?
 両者に共通するのは、「一人で立ち上がる姿」です。大きな流れに抗し、勝算を度外視して立ち向かう姿勢は、多くの人の共感を呼びます。大きな塊から飛び出し、安定した場所を捨ててでも、国民の選択肢を作る行動に、人は期待を寄せます。
 今回の参議院選挙に向けて、立憲民主党は「物語」の設定がうまくできていないように見えます。同じブームを同じ主人公・同じ内容で巻き起こすことは不可能です。新たな「物語」を作らなければ、国民の期待を集めることは難しいでしょう。
 一方で、山本さんは「物語」の設定に成功しているように思えます。山本さんは6年前の参議院選挙でも、東京選挙区から立候補し、ブームを巻き起こしました。一見すると、今回はこの時のリバイバルのように見えますが、単なる6年前のコピーでは、現在のようなブームは起きません。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_2.jpg
Tシャツにジャケット姿。大きな身ぶりで訴える山本太郎氏=2018年10月9日、千葉・船橋駅
■自民支持層を切り崩す「消費税廃止・減税」
 何が6年前と違うのか。なぜ今、山本太郎に注目が集まるのか。
 その理由は山本さんが今回強く訴えている「消費税廃止・減税」にあります。
 後で述べるように、山本さんは街頭に立ち続ける中から、原発問題の根っこには労働問題があり、その先に全国民に関わる経済問題があるという認識に至ります。そして、全国各地で生活苦に陥っている人たちの痛みに触れ、リアルな「お金」の問題を最重要課題に設定していきます。
 そして今、自民党支持者も山本太郎支持へ流れているのです。
 朝日新聞のWEB版に興味深い記事が載っています。山本さんが2月に民間業者に委託して独自で行った世論調査によると、「新党を立ち上げたら支持しますか?」という問いに対して「支持する」と答えた人のうち「自民支持層と立憲支持層がともに約15%を占めた」というのです(河合達郎『山本太郎氏、ひとりからの挑戦 野党に化学反応起こすか』朝日新聞オンライン、2019年6月1日)
 山本さんはどこから票を引きはがしているのか?
 それは2年前に立憲民主党を応援した人だけでなく、同じぐらいのボリュームで自民党支持層から共感を集めているのです。
 自民党支持層の中には、景気対策を重視し、「反緊縮」を支持するビジネス界の人たちがいます。しかし、それ以上に山本さんの主張は、苦境にあえぐ農家や中小企業、商店主など旧来の自民党支持者たちに支持されています。
 ここには2年前に立憲民主党に吹いた風と、異なった要素が含まれているように思います。山本さんは一般的に、左派的な政治家と見なされますが、実際は保守的な庶民層に届く熱量をもった政治家です。これから選挙戦が過熱化し、テレビなどで山本さんの姿と主張が取り上げられると、安倍政権に不満を持つ保守層に支持が拡大する可能性があります。
■山本太郎の「ヤンキー気質」
 なぜ、山本太郎という政治家は保守的な庶民層の心を動かすのか。
 それは、彼の「ヤンキー気質」にあると私は思います。
 彼自身が様々なインタビューで語っていることですが、中学生の頃は各所で悪さをした「ヤンチャ」な子だったと言います。実際、彼の母親は、次のように語っています。
 ワルだったんですよ。その頃、娘にも言ってたんですけど、この
コは絶対、将来刑務所行きやからって。あんた結婚したころ、太郎
が刑務所から出てきて、お金せびりに来ると思うけど、絶対渡した
らあかん!って。(山本太郎『母ちゃんごめん普通に生きれなくて』
TVぴあ、1998年)
 山本さんは高校時代の素人参加のバラエティ番組出演がきっかけで芸能界デビューしますが、「勉強がイヤで芸能界に入ったようなもん」だったと言います。(『山本太郎 闘いの原点』ちくま文庫、2016年)
 そして、俳優として具体的に「不条理への怒り」「損得勘定を超えた気合」などを内包する「心優しいワル」を演じ、評価を獲得しました。「デビュー時から肉体を駆使してきた」と言うように、彼は演ずる対象と時に一体化し、行動力を身につけていきます。(「本当の芸能人なら声を上げてファンを守れ!! 行動する俳優 山本太郎」『金曜日』2011年11月4日号)
 精神科医で『世界が土曜の夜の夢なら――ヤンキーと精神分析』(角川書店、2012年)などの著書がある斉藤環さんは、山本さんについて「自らの“情緒”に対して忠実な人」と評し、その側面と「反知性主義」の組み合わせが「きわめてヤンキー的」と指摘しています(「太郎からの手紙」『金曜日』2013年11月22日号)
 彼は、政治家になる過程で勉強を重ね、円形脱毛症になるまで頑張りました。しかし、社会に対しては、次のように言います。
 僕が目指す社会は、究極は、頑張らなくても生きていける世の中で
す。もう、「これトチったら俺の人生終わりだな」みたいな世の中は
やめにしたいんですよね。そういう状態が続く人生は地獄ですよね。
「まぁいいか」みたいな余裕が欲しい。
 何をもって頑張るかは個人差があるので、それを測るのは難しい。
でも、頑張れない時に頑張ってもロクなことがないから、ゆっくり休
んで、それを国が支えて、そろそろ力が湧いてきたという時に頑張っ
てもらう方が、ずっと生産性は高いですよ。だって、無理しても壊れ
るだけだもん。
 だから、「いいよ、頑張らなくても」という世の中になればどんだ
けいいか。今はあまりにも地獄すぎると思うんです(山本太郎、(取材
・構成)雨宮処凛『僕にもできた!国会議員』筑摩書房、2019年)
 一体、山本太郎という政治家は何者なのか。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_1.jpg
街頭で訴える山本太郎氏。演説の大半を経済対策に費やした=2019年5月29日、東京・北千住駅
■政治へのきっかけは原発事故
 山本さんが政治に関与し始めたきっかけは東日本大震災による原発事故でした。
 彼は、この時まで「何かあった時、自分は助かるかもしれない」と思っていたそうです。自分は芸能界で活躍する人間であり、税金も多く払ってきた。だから、他の人よりも優先的に助けてもらえるという「選民意識みたいなもの」があったと言います。
 しかし、これが一気に崩壊します。自分は切り捨てられる側の人間であると痛感し、「税金、高いなと思いながらも、そこそこな額を真面目に収めてきたのに切るんですか」と思ったと言います。(前掲『山本太郎 闘いの原点』)
 この時、彼の中に「猛烈に「生きたい」という感情が湧きあがってきた」と言います。(「「生きたい」という思い、自分への憤慨、そして政府への怒り 三位一体の原動力」『マスコミ市民』2012年3月)
 そして、この思いが怒りに変わっていきます。
 本格的にスイッチが入ったのは、「国が子どもの被曝に対しても20ミリシーベルトという基準値を与えた時」でした。「子どもたちの命も守らないような国」には「未来がない」。「未来を諦めた国」なんてどうかしている(『山本太郎 闘いの原点』)。そう思った山本さんは、声を上げようとしました。
 しかし、立ちはだかったのが芸能界という壁でした。
 俳優として芸能界で生きていくためには、特定の政治勢力に加担するような政治的発言はタブーで、「シガラミや利害」が絡んでいます。自分の思っていることを言えば、俳優としての仕事を失うのではないか。そんな自主規制が働きました。
 山本さんは、言うべきことを言えていない自分への苛立ち・ストレスを溜め込み、自問自答します。
 「今、声を上げないってことは、推進派と同じじゃないか」「お前、本当にそれで自分を許せるのか? 後悔しないとでも思ってるのか?」
 そんなとき、2011年4月8日に孫正義さんがツイッターでつぶやきました。
 「皆さんは、原発賛成・反対?」
 山本さんは、これに「反対!」と返します。その瞬間、「内側から何かがどっと溢れてきて、なぜか涙が止まらなくなった」と言います。
 初めて「宣戦布告」した瞬間、堰を切ったように涙が溢れました。
何かを失うかも知れぬ不安、後悔の涙じゃない。これまで、本当の自
分を押さえつけ、言うべきことも言えずにいた。声を上げた瞬間の涙
は、本当の自分を取り戻した、解放の涙でした。(「独占インタビュー 
俳優・山本太郎 原発マネーに汚染されたテレビと芸能界へ」『週刊
現代』2011年8月6日号)
 山本さんは、「やっと人間に戻れた」という感覚を持ち、反原発運動に参加する意思をもちました。そして、その週末、高円寺で行われた反原発デモに参加。ここで一人で悶々としていた気分が吹き飛び、肩の荷が下りたと言います。そして、思いを共有する人たちと意思表示をする自由を味わい、感動します。
 それから本格的に各地の反原発運動・デモに参加するようになっていきました。
■芸能界に働く自主規制
 しかし、彼が前進すればするほど、俳優としての仕事に支障が出るようになります。
 社会問題は企業と繋がっており、CM出演に支障が生じます。テレビ番組もスポンサーによって成り立っており、広告収入が減るようなことは避けられます。その結果、政治発言をするタレントは忌避され、業界内の自主規制が加速します。
 さらに、所属事務所に様々な抗議・嫌がらせ電話がかかってくるようになりました。そして、ついにマネージャーから出演予定だったドラマについて「反原発発言が問題になっており、なくなりました」というメールが届きました。
 この時の心境を、山本さんは「本当にこんなことがあるんだなとショックでした」と語っています。(「独占インタビュー 俳優・山本太郎 原発マネーに汚染されたテレビと芸能界へ」『週刊現代』2011年8月6日)
 山本さんは、このままでは事務所に迷惑がかかると考え、10年以上所属していた事務所をやめてフリーになります。すると、「仕事関係では実際、収入が十分の一になりました」(「緊急インタビュー 未来に向けて生きる学びを:山本太郎さんに聞く(第2回)」『高校のひろば』83号、2012年)。
 知り合いに頼んでテレビ局などに営業をかけてもらうと「ちょっと今、山本は出せないでしょう」という反応が返ってきたと言います。(野呂美加、山本太郎対談「“生きたい”という本能が原動力 仕事があっても命がなきゃ意味がないと思いませんか?」『婦人公論』2011年12月7日)
 それでも山本さんは、反原発運動から遠ざかりませんでした。それは「子供を助けたい」「子供から未来を奪ってはいけない」という思いが強かったからだと言います。
 やっぱり自分の人生を振り返っても、いつが輝いていたかってい
うと、断然子供の頃なんですよ。自分を取り巻いている世界の広さが
どんどん分かってきて、好きな人が現れて恋が始まってという、あの
わくわくする感じ。「どの年齢に帰りたいですか?」って聞かれたら、
きっと多くの人は子供時代とか思春期を思い浮かべる気がするんです。
(『山本太郎 闘いの原点』)
 では山本さんは、どのような子供時代を送ってきたのか。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_4.jpeg
街頭で訴える山本太郎氏。新たに立ち上げた「れいわ新選組」をアピールした=2019年5月229日、東京・北千住駅
■母子家庭で育ったこと
 山本さんは母子家庭で育ちました。父は、1歳の時に亡くなったといい、「父の存在はぼくの中にはいっさいない」と語っています(岩切徹「現代の肖像 俳優 山本太郎 ”脱原発”役者の軌跡」『アエラ』2012年12月3日)
 彼を育てた母親は「パワフルで正義感が強」い人で、「日常的にも自分より弱い立場の人には、手を差し伸べろっていうことはすごく言われ」たと言います。山本さんは、母の存在から大きな影響を受けて育ちました(『山本太郎 闘いの原点』)
 母はフィリピンの貧しい子供たちを支援するボランティア団体のメンバーで、山本さんも子供の時から何度もフィリピンに行って、仕事を手伝わされました。
 母は次のように語っています。
 東南アジアに行くと、バクシーシ(喜捨)じゃないけど、いろん
な町や村で日本から持っていった食べ物とかデザートを、子供たち
に実際に配らしたんです。慈悲の心とか、優しさを培うために。施
す方が、自分の内に徳を積めるというか、してもらった人がたとえ
一時でも幸せを感じれば、自分も幸せな充実感で満たされる。それを
子供たちに教えたかったんです(『山本太郎 闘いの原点』)
 母は学校の規範から自由。夏休みが終わっても、家族で海外から帰ってこないこともありました。一方で家では「鬼軍曹」。ヤンチャな山本さんは、繰り返し厳しくしかられました。子供の時は「うっとうしい」と思っていたそうですが、社会に出るころにはその思いが「尊敬と感謝」に変わったと言います。
 子供の頃の山本さんは、とにかく勉強が大嫌い。小学校の時に「このままじゃ、高校に行けません」と先生に言われ、私立の中学校と高校のつながった学校に通うことになります。そして「今までの僕の学校人生において、担当してくれた先生には平等に迷惑をかけた」と言います。(「緊急インタビュー 未来に向けて生きる学びを:山本太郎さんに聞く(第2回)」『高校のひろば』83号、2012年)
 そんな彼にとって転機になったのが、『天才・たけしの元気が出るテレビ!』の「ダンス甲子園」に素人として出演したことでした。ここで彼の個性に人気が集まり、世間に注目される存在になりました。
 しかし、その過激なパフォーマンスを問題視した所属高校の校長は彼を呼び出し、「テレビの活動を続けるのか、それとも学校やめるのか」と迫ります。山本さんは職員室から母に電話をすると、母から「太郎の人生だから、自分で本当にやりたいことをやりなさい」と言われ、電話口で大泣きしました。
 そして、芸能界にデビュー。俳優として活躍するようになります。
■天皇への手紙
 具体的に政治家への道を歩み出したのは、東日本大震災の翌年(2012年)でした。2012年12月に衆議院議員総選挙への出馬を表明し、東京8区から無所属で出馬しますが、この時は落選しました。
 しかし、2013年7月の参議院議員通常選挙に東京都選挙区から立候補し、65万票を超える票を獲得して当選。2014年の衆議院選挙後には、政党要件を失っていた「生活の党」に入党し、「生活の党と山本太郎と仲間たち」という政党名に改めます。2016年には「自由党」に党名変更。
 そして、今年離党。新党「れいわ新選組」の立ち上げに至ります。
 その間に起きたことで話題になったのは、「天皇への手紙」でした。2013年10月31日、園遊会に出席した山本さんは、明仁天皇に書簡を直接手交しました。これが大問題になり、山本さんは厳しい批判にさらされます。
 この時、山本さんは次のように語っています。
 お手紙には、原発の再稼働については一切書いていません。子供
たちの被曝、原発労働者たちの理不尽な処遇、それとこのことも含
めて秘密にされてしまう秘密保護法によって、戦前と同じ状況に向
かっているという心の叫びをしたためました。陛下に何かを求める
というよりも、自分自身の心の叫びでした。
 今回の行為については猛省しています。(『週刊現代』2013年11
月23日号)
 山本さんには、明仁天皇に対する「敬愛の念」があったと言います。それは国民への気遣いや言葉の端々に表れる「権力者を戒めるようなニュアンス」、そして「開かれた皇室」への共感に基づいていたと言います。彼は騒動ののち、明仁天皇を「「父無き子の父」のような存在」と語っています。(「天皇への直訴事件のその後 「手紙」についての偏向報道に反論する」『創』2014年1月)
 ここには天皇制をめぐる重要な論点が潜んでいると思いますが、この点は別稿を期したいと思います。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_8.jpeg
蓮池透さん(右)の擁立を発表する山本太郎氏=2019年5月31日、東京都新宿区
■労働問題、そして経済問題へ
 山本さんは初当選の選挙戦で、原発問題を国民に問いました。しかし、有権者の反応はいまいちでした。そしてあることに気づきます。
 僕は選挙のときに原発のこと、被曝のこと、TPPのこと、そして
労働問題についてお話ししてきましたが、聴衆のみなさんとの距離
がぐっと縮まるのは、実は労働問題だということに気付いたんです。
演説をしていても、立ち止まる人の数も反応も違う。演説が終わっ
たらみなさんと握手をするんですけど、そのときに話かけられるの
も、労働問題のことがいちばん多かったんです(「政党や団体を超
えて不満がある人たちを集めたい」『Posse』2013年9月号)
 働く人間ひとりひとりにとって、労働環境が改善されていかなか
ったら、世の中に興味を持てないよな、っていうことに気が付いた
わけです。朝から晩まで働いて、その後に社会のことを考えるって
不可能だなって。2年間ずっと活動してきて、そういう部分に思い
が至ったというか」(「秘密保全法反対で全国キャラバン 全国各地
を歩き回る それが僕流の「政治」だ」『創』2013年11月号)
 山本さんがたどり着いたのは「労働問題」でした。結局、原発事故の処理をする危険な労働は、下請け会社や派遣会社に丸投げで、しかもピンハネして安い賃金で働かされていました。
 この被曝労働は「過労死の問題にもつながって」いると考え、労働問題に話を展開すると、反原発運動には距離感を示していた人たちも、熱心に話に耳を傾けるようになりました。
 労働問題に力を入れていかなければならないと思った山本さんは、次第に経済問題に関心をもちます。
 その大きなきっかけとなったのは、2016年1月に出版された松尾匡さんの『この経済政策が民主主義を救う-安倍政権に勝てる対策』(大月書店)を読んだことでした。山本さんは言います。
 その本を読んで衝撃を受けました。要は安倍政権をどうやって倒
すのかという時に、なくてはならないものがある。それは安倍さんを
超える経済政策だと。(山本太郎、(取材・構成)雨宮処凛『僕にもで
きた!国会議員』筑摩書房、2019年)
 そして「松尾先生に「知恵をつけてください」とメール」し、2016年夏ごろから、松尾さんらとともに勉強会がはじまりました。
 この頃、山本さんは自民党の経団連中心主義を厳しく批判しています。安倍内閣は「国民のための政治」ではなく「企業のための政治」であり、その政策は経団連の提言を「完全コピー」している。結局、安倍内閣は大企業優遇のために法人税を減税し減税分を補てんするために消費税を上げようとしている。さらに「人件費の削減」のために外国人労働者の受け入れを進め、「世界的な低賃金競争に自国の人々を引きずり込」もうとしている。そして、TPPによって一部の利益を確保し、農家を苦しめようとしている。(「安倍政権は経団連の御用聞きか」『月刊日本』2016年10月)
 一連の問題を見ていると、安倍政権や経団連は「お前たちが生き
ることは許してやる、但し、余計なことは口に出すな、政治に興味
を持つな」という本音が見て取れますよね。まるで王の様な振る舞
いです。バカ殿ですかね?
 いくら子どもたちが貧困で苦しもうと、若者が借金まみれで家族
を持つのは贅沢だと言われ、少子化も絶望的な状況の中でも「関係
ない」とばかりに、税金を既得権益者にばらまき続けている(前掲
「安倍政権は経団連の御用聞きか」)
 この主張を展開しているのが、保守色を特徴とする雑誌『月刊日本』であるというのも重要です。彼は次第に、自民党を支持してきた保守層を意識し、生活者としての連帯を呼びかけるようになっていきました。
■消費税減税、財政出動
 では、具体的に経済政策をどのようにすべきか?
 山本さんは、「まず景気を良くしなければならない」と言います。清貧の思想を説くのではなく、生活苦にあえいでいる人に目を向け、お金が回るようにしなければならない。景気を良くするためには総需要が大きくならなければならない。総需要は「消費+設備投資+政府支出」であり、この中でGDPの6割を占めるのが個人消費である。だとしたら、何とかして個人消費を伸ばさなければならない。
 では、何をすべきか。
 ここで「消費税廃止・減税」という主張が出てきます。
 消費税を増税すると、景気は冷え込みます。デフレ経済下での消費税増税は、経済に深刻なダメージを与え、貧困層を直撃します。実質賃金が増えることない中で消費税分の物価が上がると、ギリギリの生活水準で耐えしのいでいる人たちは、生きていくことが出来なくなります。
 そんなことはやってはならない。むしろ消費税を廃止もしくは減税することで物価を下げ、経済の循環をよくした方がよい。そう主張します。
 財源は、金融資産の所得への増税。そして「法人税の増税と賃上げを行った企業に対する減税をセットでやる」。(前掲『僕にもできた!国会議員』)
 そして「金融緩和と大胆な財政出動」を進める。作り出されたマネーで「国がこれまで放置してきた分野、支出を渋る分野に大胆に投資」する。「そこが一番伸びしろがある産業であり、成長分野」であり、具体的には「介護、保育、教育、公的住宅」などにお金を回す。「一番足りていない部分を大胆に」テコ入れする(「山本太郎が実行したい最低限の政策」『消費者法ニュース』2018年1月)
 企業が求めるのは「需要」。需要を上げるためには、出生率を上げなければいけない。そのためにやるべきことはなにか。
 一つ目は「個人やその家族に教育の負担をかけない」こと。二つ目「低廉な家賃で住める公的住宅」の提供。そして三つ目「所得に対する補填」。(前掲「山本太郎が実行したい最低限の政策」)
 このような経済政策を大胆に打ち出すことによって、格差・貧困問題を解決することこそ、今の日本に求められていると説きます。
■「左右対決」ではなく「上下対決」
 いつもの図で、山本さんを位置付けることにしましょう。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019061500001_5.jpg
 山本さんは、明確なⅡのタイプの政治家です。セーフティネットの充実に積極的で、リベラルな価値観を鮮明にしています。
 山本さんの重要な点は、このⅡのゾーンを、安倍内閣に疑問を持つ保守層と共有しようとしていることです。
 脱原発に限らず市民運動とかに関わると、すぐ“サヨク”ってレ
ッテルを貼られたりするでしょう……でも僕に言わせてもらえば、
この国に人が住めなくなるかどうか、自分たちの子供が生きていけ
るかどうかって瀬戸際で、右も左もないやろと。もっと言えば、右
翼って本来、国を愛する人、美しい国土を愛する人の集団なんでしょ
う? この状況に右翼が怒らんでどないすんねんと。(『山本太郎 
闘いの原点』)
 山本太郎という政治家は、「左右対決」という軸ではなく、「上下対決」によって成り立っています。イデオロギーの対立ではなく、富を持てる者と持てない者の対決。安倍内閣によって特権を得ている一部の人に対する生活者の反逆。この構図を旧来の自民党支持者に投げかけ、安倍内閣に疑問を持つ保守層に訴えかける姿勢が、山本さんの特徴でしょう。
 日本政治に新しい「風」を吹かせることができるのか。他の野党は、この潮流に呼応することができるのか。
 参議院選挙の動向を注視したいと思います。
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019061500001.html  










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アベ中東外交大失態<本澤二郎の「日本の風景」

2019-06-17 04:59:51 | 日本の風景


アベ中東外交大失態<本澤二郎の「日本の風景」(3345)
<火中の栗を拾った日本政府>
 「内閣支持率にプラスになる」と信じ込んでのアベの中東外交は、ホルムズ海峡でのタンカー攻撃によって、海中深く沈められてしまった。どうやら、火中の栗を拾ってしまった日本政府を、国際社会に披歴してしまった。日本の新聞テレビが必死で蓋をかけても無駄なことであろう。
 今後は、予測もつかない大変な事態の招来に、怯えなければならなくなってしまった日本国民なのか。警備費に莫大な資金を投入することになろう。2020東京五輪にもSOSの声が聞こえてきた。何が起こるのか、予測がつかない。中東外交の大やけどの波紋と影響は、平凡な日本人には想定できない。

<タンカー攻撃でワシントンのポチに警告>
 2隻のタンカー攻撃のその日に安倍晋三は、日本の首相として41年ぶりにイランを訪問、最高指導者のハメネイ師と会談、イランの核合意を破綻させ、経済制裁と軍事的圧力を行使している米大統領のトランプの意向を、やや得意満面の面持ちで伝えたようだ。
 ハメネイ師は「賢明な国であれば、圧力にさらされている中で対話に応じることはない。トランプ大統領は、イランと平等に交渉するつもりだといっているが、私は絶対に信じない」とアベの心臓にくぎを刺した。

 ワシントンのポチに向かって外交辞令上、最大級の皮肉を込めながらも、結論として「絶対に信じない」と絶対という言葉を使った。「シンゾウよ、これくらいのことがわからんのか。たとえトランプのポチでも」という本心が伝わってくるようなのだ。
むろん、ノーテンキの心臓にとって理解不能であろう。ワシントンのポチが、外交面で、それを中東で果たすことの危険性が、まるで分っていない。安倍に中東外交の仲裁役は務まらない。彼は第三者ではない。トランプの手先なのだから。世界衆知のことであろう。まさに醜態・大失態である。
 タンカー攻撃を「日本への侮辱だ」と反撃したシンゾウである。

<ノーテンキの心臓に観光業者もハラハラ>
 中東の火薬庫で、日本政府が進んで、外交という重要な場面でもって、火中の栗を拾うということを想定した専門家が一人でもいるだろうか。

 トランプとのゴルフ遊びの延長線上で、遊び半分で手を出しての大やけどについて、それでも本人は何もわかっていない。中東の火薬庫は、世界の他のどの火薬庫よりも、複雑で、かつ危険である。
 日本は、そこから大量の原油を輸入してきた宿命的な事情から、火薬庫への介入を回避、友好協力という歴史を有してきた。その大きな壁を破綻させたアベの中東外交に、今後その影響を受けるかもしれない旅行会社などは今真っ青であろう。

<危険にさらされる日本向け原油>
 中東からエネルギーを運搬する業界の不安は、観光業者の比ではない。日本向けのタンカーは、日々命がけの作業を強いられるかもしれない。人件費だけでも負担は大きい。
 火薬庫が点火でもしたら、日本経済は破局的な影響を受けることも想定できるだろう。死の商人はそれを待ち望んでいる。

<ガソリン値上げで踏んだり蹴ったりの国民>
 庶民大衆は、ガソリンの大幅値上げで悲鳴を上げなけれなならない、という不安を抱え込んだ形である。
 一国の無能リーダーを選んだ悲劇を、いま国民はかみしめているだろう。ガソリン車の時代は、しばらく続くわけだから、その間に日本経済が窒息しないのかどうか、新たな不安にも駆られてしまいそうだ。

<「外務省の陰謀」説も浮上>
 ここでうがちすぎた怪説も飛び出してきている。それは外務省の陰謀である。

 火薬庫の栗を拾わせる外交を外務省は、大反対のはずである。たとえ大馬鹿なアベが、トランプに悪乗りしたとしても、それを阻止する外務省のはずだ。しかし、今回はそうしなかった。アベに火中の栗を拾わせた外務省の狙いは、いったい何なのか。
 「安倍をつぶせ」なのか。

 霞が関の叛乱なのか?ともあれ、中東の火薬庫に手を突っ込んでしまったことで、衰退と貧困が襲い掛かってきている日本社会に、新たなマイナス要因が注射されてしまったことだけは間違いなさそうだ。
 杞憂であることを祈るばかりである。中東問題の専門家は、遠慮せずに真実を語れ、である。






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それでも老後資金2000万円不足が参院選争点になる

2019-06-17 03:56:44 | 日本の風景


それでも老後資金2000万円不足が参院選争点になる
選挙を目前にして国民が注目する数字が大きく報道された。

老後の生活のために2000万円の貯蓄が必要という金融庁の報告だ。

安倍内閣はメディアと御用コメンテーターに命令して火消しに躍起だ。

NHKなどは、9時の定時ニュースは、金融庁報告書によって老後の資金計画を考えるきっかけが得られたとのまとめを示して、そのあとでパンダのニュースを延々と報じた。

腐ったNHK。

NHKで重要ポジションに就くには、上の命令に従う必要がある。

全身全霊で安倍チャンネル、あべさまのNHKの報道に協力しなければならない。

目立つポジションに就きたい気持ちは分かるが、全身全霊で御用に徹している姿は、決して美しいものではない。

人間の醜い性が浮かび上がって「かたはらいたし」と感じられてしまう。

「かたはらいたし」とは、こっけいで苦々しく感じるさま、笑止千万だ、ということ。

今回の金融庁ワーキング・グループの報告書に記載された内容について、政府に媚びを売る人々が、「目新しいことではない」、「年金で生活できるなどと誰も言っていない」などの言説を流布して、問題の火消しに躍起になっている。

それでも、この問題は参院選の大きな争点になるだろう。

重要なことは、政府が国民の老後の生活について、必要資金の標準を提示したことにある。

政府が資産の前提に置いた必要生活費は

夫婦二人で月に263,718円だ。

約26万円を必要生活資金として提示したのだ。

問題になっている2000万円必要の試算は、平均的な姿として、夫婦が月に209,198円の収入があるとして計算したものだ。

毎月54,520円の赤字になる。

この金額は1年当たりで654,240円になる。

30年では1962万7200円が必要になる。

夫65歳、妻60歳の夫婦で30年生存すると、自己資金が約2000万円必要だとする仮定計算を公表したのである。

この数値そのものは,単なる試算だが、公表された試算数値が、それぞれの国民が自分の老後を考える尺度として使われることになる。

そのために数値を公表したのだとも言える。

このことによって、私たちの老後の状況が、より具体的イメージとして掴めるようになったのだ。

それによって、人々が安心できるなら数値公表の意味があっただろうが、現実は逆である。

日本の多数の国民に「地獄絵図」を提示してしまった。

金融庁は計り知れない失態を犯したことになる。

まず問題になるのは、夫婦で月に21万円の収入という部分だ。

厚生年金に加入していないとこの金額を受領できない。

国民年金の場合、満額で一人月額65,000円だから、二人で13万円になる。

そうなると、26.4万円の生活費がかかると、月に13.4万円の赤字になる。

年間では160.8万円、30年間では4824万円必要になる。

つまり、国民年金だけしか加入していない人の場合は、満額もらえる人でも4824万円の貯金がないと老後を暮らしていけないということになる。

では、生活苦で年金保険料が払えず、無年金の人はどうなるのか。

毎月26.4万円の生活費が必要になるから、年間で316.8万円必要になる。

30年間では9504万円だ。

老後に生きてゆくには9500万円の貯金が必要だということが示される。

2人以上世帯では、所得ゼロ世帯の57.1%が貯蓄ゼロである。

300万円以下の収入世帯の28.4%が貯蓄ゼロだ。

これらの数値が明らかにすることは、日本の高齢社会が地獄絵図の様相を示すということだ。

重要なことは、すべての国民に付与する最低ラインを引き上げることなのだ。

これを示さずに、試算結果を公表すれば、怒号が飛びかうのは当然のことだ。

選挙ではこの問題を徹底的に掘り下げて論争点にするべきだ。







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21世紀の姥捨て山<本澤二郎

2019-06-17 03:49:06 | 日本の風景


21世紀の姥捨て山<本澤二郎の「日本の風景」(3346)
<それでも内閣支持率50%と新聞テレビが合唱する日本>
この国は当の昔、正確には6年前から崩壊・沈没過程をまっしぐらに突き進んでいる。「物つくりを自負していた製造業で、世界に通用するものは消えてしまっている」のだし、財政の悪化は天文学的、それゆえの10%消費税!極右首相はそれでも欠陥機F35の大量購入で、ワシントンのポチを演じ、とうとう中東外交で火中の栗を拾ってしまった。
 支援するのは、高給取りの新聞とテレビだ。内閣支持率は50%前後、選挙すれば3分の2議席確保と宣伝している。どっこい金融庁の金融審議会が「現実は2000万円赤字の日本国民の家庭」と消えた年金の第二弾を、公文書として公開した。そんな金など無縁の無数の老人は、21世紀の姥捨て山へと放り込まれるしかない。ああ、どうする日本!

<年金20万円に届かない世帯は「急いで死ね」か>
 金融審議会が公表した2000万円赤字家庭というのは、実際はもっともっと深刻である。
 月収20万円に届かない家庭は、ゴマンといる。この数字の根拠は、厚労省の家計調査を基にはじき出した試算で、いい加減なものではない。日本の貧困が、いかに容易ならざる事態に追い込まれているかを裏付けている。

 困ったことは、これを報道する輩は、みな高給取りだから、その深刻さを十分理解できていないことである。夫婦二人の健全な家庭で月収20万円、ということは一人住まいや国民年金のお年寄りは、赤字は2000万円どころか、3000万円、5000万円とはねあがる。

 近くにいる年金1か月5万円の高齢者は、歩行もままならない、食事もつくれない。介護施設も週2回である。「早く死ね」が日本政府の福祉の実態である。
 公務員は、この枠から外れている。なぜか。官尊民卑ゆえである。麻生太郎は「年金」を知らない。安倍晋三も山口那津男も公金や毒饅頭で腹が膨らんでいる、そのためである。
<優雅すぎる国家公務員給与と老後の年金生活>
 年金生活に入ってみて、国民は初めて官民格差を思い知らされる。格差どころか官尊民卑そのものである。森友事件で、佐川なる悪徳官僚が嘘をついて、国税庁長官に出世した理由、はたまたTBS強姦魔事件で大活躍した警察庁の中村らの暴走も理解できる。

 国民はしっかりと記憶している。
<赤いうちわで風を起こすことが弱者の使命>
 世界には、ローソク革命だとか、弱者は知恵を働かせることで、天の声を実践して、暴政から離脱している。日本国民も、とうとうその時を迎えてきた。
 頼りにならない新聞テレビが、その壁である。無能・無力の議会、とりわけ野党の不勉強と行動力の弱さである。
 参院選では1人区で統一候補が、形だけそろったようだが、馬力がない。これを複数区でも実現しないと、アベ自公の暴政を駆逐できない。
 21世紀の姥捨て山を、赤いうちわで吹き飛ばす国民運動が必要不可欠であろう。F35やミサイルをキャンセルする国民福祉に徹したやさしい政権を打ち立てる時なのだ。
 「赤いうちわ」で解散に追い込むのである。野党のリーダーがボケて居なければ、必ずそうするだろう。
2019年6月16日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

本澤先生
山田盟子さんを調べていくと「天皇のロザリオ」という本に突き当たります。
未だ調べ途中ですが、似非右翼(読売・産経・日経・毎日・朝日)清和会・司法警察・キャリアヤク人が嫌がることが満載⁇のようです。







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