『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

『すべては1979年から始まった』クリスチャン・カリル著

2015-03-29 07:51:46 | 日記

世界をいまだに戦後体制や冷戦構造でしか見てこなかった人にとっては(筆者もそうでしたが・・)この本は目から鱗です。世界を俯瞰してみれば34~35年で世界政治が全く変わるサイクルがあるようです。米国で初の黒人大統領が再選したり、ロシアプーチン大統領や日本の安倍首相の再登板、中国習近平国家主席や韓国朴槿恵大統領の誕生など2012年前後から世界は変化が起きています。何々国の誰々が発言したとか云々よりも歴史的な流れでそうなっていると考えれば世の中の動きは必然で納得出来ます。日本も戦後70年が経ちもはや存在しない戦後体制から脱却しなければならない歴史的使命を帯びていると考えるべきかもしれません。安倍首相も本人が右傾云々と考えるより時代が要請した宰相だと考えれば分かりやすいのです。世界政治はもはや日本の首相の右傾化という問題よりそもそも世界の戦後秩序が変わってしまい今まで通り憲法9条を守り一国平和主義ではいられないのです。今回の1度の失敗から立ち上がった安倍首相の米国訪問、上下両院合同会議での演説も1979年3度の失脚から立ち上がったトウ小平訪米成功と重ね合わせてみれば分かりやすく米国が演出する成功シナリオの上にあります。又本からは中国の習近平国家主席や中国共産党が日本人が想像している以上に緻密に計算しつくし社会主義を維持しつつ民主主義の良いとこ取りをしていることが分かります。目の前の発言や動きにしか注意がいかないと全体を見誤ります。米国は日本との関係を再強化し中国共産党の良いとこ取りを容認しない政策への転換です。とにかく事を荒立たせず宗教的対立や覇権主義には目をつぶりその場の平和だけを求めて安倍首相批判をしている日本の左翼議員やマスメディアなどは世界の大きな流れを見誤っています。利用する中国や北朝鮮などから見れば諜報活動するまでもなく赤子同然でした。

以下コピー  なぜ、イスラム主義者や中国、市場原理主義は、ここまで台頭したのか? 「市場」と「宗教」が支配する21 世紀を運命づけた時代の転換点と主役たちを丹念にたどったリアルで刺激的な実録・現代史!  

1979 年は、サッチャーが首相に就任、小平が経済改革を開始、ホメイニーがイラン・イスラム共和国を樹立、ヨハネ・パウロ二世が祖国ポーランドを訪問、ソ連の軍事侵攻によってアフガン紛争が始まった年である。本書ではこれらの出来事とその背景が詳細に描かれ、市場と宗教が社会主義に替わって社会を再び動かし始めた1979年が歴史の転換点であり21 世紀の命運を決めたと論じる。一見、無関係に見えるそれぞれが、実は「社会主義」が大きな影響力を持った60 年代にピリオドを打つ点で共通していたことが浮き彫りになり、現代史に深く切り込んでみせるドキュメンタリー映画のような作品。

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