華厳経巻六賢首菩薩品第八の一「・・菩薩は・・一念の頃に於いて、十方に遊び、十方に示現すること満月の如く、無量の方便を以て衆生を化す。
彼の十方世界の中に於いて、念々に示現して仏道を成じ、正法輪を転じて涅槃に入り、舎利を分かちて衆生の為にすることを現ず。或は声聞・縁覚の道を現じ、成仏して普く荘厳することを示現し、無量劫に衆生を度し、三乗門を以て広く開化することを現ず。或は男女の種々の形・人・天・竜神 . . . 本文を読む
「弘法大師から親鸞、道元へは同質的なものの発展を見て取ることができる。弘法大師によれば他受用応化身の随機説法が顕教で、自受用法性佛の内証智の境を説くのが密教ということになる。いいかえれば全く形を越えた宇宙そのものの絶対佛がそのまま果てしなき冥想を享受しているというのが毘盧遮那仏の自受用三昧に外ならない。これが密教の根本三昧である。・・・道元の根本的立場もまたこのような密教の三昧と全く同質である。「 . . . 本文を読む
一期大要秘密集・・12
問ふ。何んか観じて能く此の菩提心を発するや。
答。文に云く、夫れ無上菩提心を発せんと欲はば、先ず深心を以て仏の法身を観ぜよ。性海湛寂として無生無滅なり。衆生痴闇にして自ら覚に由なし。諸仏如来、この輩を愍念し大悲の浪を起こして生死の海に流し、大教の網を張って顕密の機を済ふ。しかるに我等今教網に遇うて既に罹れり。當に彼岸近きことを知るべし。今度脱漏せば永く生死に留まらん。當に深 . . . 本文を読む