福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「花子とアン」の高視聴率の危険な意味

2014-08-14 | 法話
NHK連続テレビ小説「花子とアン」が好評らしいですが、こういう乱倫ドラマがもてはやされる時代は戦争への足音が強く聞こえてくる時代です。大変危惧します。  ・   ・   ・   
 花子の友人の柳原白蓮は、大正10年頃、東京帝大生・宮崎龍介と不倫をし駆け落ちしていますが、そのころの時代背景として大正デカダンスがありました。昭和8年には不良華族事件があり、伯爵吉井勇の妻・徳子(柳原白蓮の姪)は、近藤男爵家の次男廉治と「自由恋愛」を享楽し、一方近藤廉治の妻泰子(白洲正子の姉)はダンス教師と不倫しその挙句、男性交換に走るなど乱倫が華族社会を席巻していました。さらに吉井勇の妻・徳子の友人であった斎藤茂吉(青山脳病院院長)夫人・輝子も検挙されています。

このころ大正12年には関東大震災がおこり、其のあと満州事変から太平洋戦争へと突入していくのです。
顧みると、ナチス台頭直前のワイマール時代を象徴するのが、ベルリンの退廃的なキャバレーを描いた、『さよならベルリン』(映画『キャバレー』)でしょう。ドイツでも退廃ムード蔓延のあと大戦争に突入したのです。

古代の商は、国の退廃が進み、牧野の戦いと呼ばれる決戦に突入し滅んでいます。梁の武帝の第2子・豫章王は武帝が斉に攻め入った時 東昏侯の宮女にうませた子であった事から出生を疑って武帝に敵意を生じ、魏に通じて梁の滅亡を招いたとされます。唐の玄宗は楊貴妃に迷い国を亡ぼしたことは有名です。

ネロ時代のローマも『サテュリコン』等にいわれるように、性風俗の頽廃がありましたが、その後、大火や大弾圧が起こっています。

慈雲尊者の「十善法語」には「古今東西、国や家に禍があるか福が来るかはその中の男女関係が正しいかどうかによる、男女関係に慎みがあれば天の福を受け、慎みがなければその人に禍がくる。またこの道が正しくなければ天変地異が起こる。国の命運も国民の男女関係により決まる。不邪淫戒を守れば天地が正しく運行し萬物が栄え国が治まる。男女関係が乱れれば国が滅亡し子孫が絶える。」(「・・古今に推し通じてその国に,禍あり福ある、その家に禍あり福ある、多くは閨門(男女関係)の邪正による。・・この道に慎みある者は天の福を享る。この道の乱れる者はその身に災害集まる。・・閨門(男女関係)乱るれば必ず天変にあらわれて日月の行度、五星二十八宿の行度も違い、地理にあらわれて山川草木人物にも其の変異妖怪ある。国家の治乱運数(国の命運は男女関係の正しさにかかっている)ここに定まるといふことじゃ。・・(不邪淫戒を)正しく守れば天地位し萬物育せらる。家に在って家斉ひ、国にあって国治まる。永く子孫に伝えて天の福を得るということじゃ。これにそむく者は家に在って家の礼儀乱るる。衰滅の兆しじゃ。国にあって国の政乱るる。危亡の階じゃ。或は子孫断絶し、或は子孫に至る迄その禍あると云うことじゃ。・・」)とあります。不倫・乱倫の世はまさに亡国の世と言うことです。
そういえば私の生家の寺の何代か前の大黒は不倫の挙句出奔、最後は行路病人となり路端で死んでいたそうです。相手の男は家が土崩れで埋まりました。誠に邪淫の因果たるや身の毛もよだつ凄まじさです。
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