福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

秩父三十四所観音霊験圓通傳 秩父沙門圓宗編・・18/34

2023-10-18 | 先祖供養

 

第十八番 神門寺 。御堂六間四面西向。

本尊聖觀音 立像御長二尺七寸五分(83㎝) 安阿彌作

當寺は徃古神社にてありしと古老の云傳ふ。其の地に榊有、枝分れて左右より空に至て結び、恰楼門の如し、是に依て神門の號有。年經て其社は跡もなく成ぬれど、其境清くげにも神の在すべき處なり。中頃處の長、里人を集、此地に再び神を祭るべしとて、先御湯をまいらせ神楽を奏しけるに、巫女の袖に移り給ひ、神託有て此地を新に精舎とせよ、永く汝等が為にさばへなす邪神を除くべしとて、神去給ひぬ。 里人不思議に思て、猶も神慮を窺ひ奉らむと禰宜宗津子を集、奉幣ければ再神旨を示し給ひ、汝等疑ふ 事なく、此地を梵刹とすべしと告させ給ふ。爰に於て本尊を彫刻し、永く觀音の霊地とせり。徃古は神とあらはれ給ひ慈を蒼生に施し、今は菩薩と化て衆生を済給ふ、等く是れ神佛の内證、慈悲深重の誓、 誰か信仰の掌を合ざらめや。佛の法を深尋ねず、口に任て吾國神明の教に對して仇敵の如く罵る、是等の人何ぞ神の御心に叶べきや。佛法若吾國の仇ならば神明罸し給はざらんや。公にも見ゆるし給ひてんや。神威を輕しめ奉り、公をも敬せざる人にこそあれ。神徳を知人何ぞ佛を可排や。詠歌に曰、

「唯頼め六則ともに 大悲をば 神門にたちて たすけ給へる」

此歌の意は、六則を六観音に約する時、馬頭は相似則、千手は観行則、准胝は理則、如意輪は分眞則、十一面は名字則、聖観音は究竟則に約したり。(天台大師智顗が『摩訶止観』で、法華経(円教)を修行する者が悟りにいたる境地を六つの段階に分けた。理即・名字即・観行即・相似即・分真即・究竟即)六観音の中に不空羂索を用て准胝を除く習有、東寺、三井寺等の流也。恵心院に源信の御作の六観音に准胝を入給へり。山門、三井寺、處により流義習まちまちなれど六観音と云も、六即と云も、等く一體の大悲観世音なれば、唯一心に頼奉れ。此神門に建ち給ふ大悲観世音、必ず助給はんと云意也。六即の義、四教等の意に具也(四教とは、釈迦一代の教説を四種に整理したもの。天台智顗の蔵教・通教・別教・円教(化法の四教)や、頓教・漸教・秘密教・不定教(化儀の四教)等がある)。之を略す。

 

 

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