福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

関口さんの「三重塔と五重塔の違い如何」との質問のお答え。その2

2010-06-25 | Q&A
2・塔の種類と意味です。
仏教考古学論攷(石田茂作)によれば「我国の塔はざっと分類しただけで27,8種類にはなる」ということです。インターネットには無数の塔の写真があります。代表的なものを列挙し、その意味を述べます。

・まず多宝塔、宝塔、大塔です。・・・基壇上に覆鉢を置き上に蓋と相輪を作ったもの。印度仏塔の古制に最も近い。多宝塔は一重を平面方形、二重を平面円形とする、高野山毘盧遮那法界体性塔(根本大塔)にその原型が求められる。 石山寺(滋賀県大津市) 慈眼院(大阪府泉佐野市) 長保寺(和歌山県海南市) 金剛三昧院(和歌山県高野町) 根来寺(和歌山県岩出市) 浄土寺(広島県尾道市)などの多宝塔は国宝。多宝塔は「法華経巻四宝塔品に多宝佛の塔廟湧出して証明なすことを説ける文によりて造立するに至りしなり。・・・往古は三層にして下層に釈迦,多宝二佛を安置せしものの如し。(密教大辞典)。」高野山の根本大塔は「南天鉄塔に模したる塔にて密教独特の塔なり。・・大塔は鑁字一字塔、これ(胎蔵たる高野山八葉の峯に対し)金剛界、大塔の外陣は方形にして阿字地大(胎蔵)、内陣は円形にして鑁字水大(金界)の形を表す。これ両部不二の義なり。・・大塔の十六丈なるは内証の(金剛界の)十六大菩薩一体無二の佛なることを表し、扉の一丈六尺なるは外院の十六現在菩薩聚集一体の義を表す(密教大辞典)。」「当山大塔は南天の鉄塔なり。本尊五佛は即ち胎大日、金四佛なり(宥快御口成雄記「中院流口伝」)。」「両壇参拝次第」によれば大塔は「のうまくさまんだ ぼだなん あびらうんけん(胎大日)、おんあきしゅびや うん(阿閦如来)、おん あらたんのう さんばんばたらく(宝生如来)、おん ろけいじんばら あらんじゃ きりく(観自在如来)、おん あぼきゃ しってい あく(不空成就如来)」と拝みます。(続)

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