今回の写真を簡単に解説すれば、小田急の相武台前で1977年頃に撮った電気機関車の4枚と
東武の杉戸で1976年頃に撮った電車の写真が2枚だ。
ちょっと詳しく書くと、小田急の電気機関車は
デキ1010形(凸型電機)は1984年に廃車、デキ1030形は1997年に廃車だ。
この日は日差しが強く、相武台前駅はのんびりした雰囲気で静かだった記憶がある。
駅員に声をかけてホームから降りて撮影している。
そんなことが許された時代だ。
駅員や車庫の人に声をかければ、100%「いいよ、気を付けてね。」と言ってもらえた時代だ。
駄目だと言われた記憶なんて無い。
鉱山のトロッコでは、「ヘルメットを貸すから、被って撮影してね。」と言われたぐらいだ。
機関車に乗せてもらって駅まで送ってもらった経験も何回かある。
平和でやさしい時代だ。
今なら考えられない。
もう1枚の東武電車は、今の東武動物公園で当時の杉戸だったと思う。
東武7800系は8000系とともに伊勢崎線の主力だった。
国鉄63系譲渡車の7300系を参考に新製したつり掛け式のボロいけれど大柄な通勤車だ。
2000系(日比谷線)の横の特急車は言うまでもなく東武デラックスロマンスカー1720系だ。
この車両は本当に高級でシックでかっこよかった。
後のスペーシアが安普請に思えるような素敵な電車だった。
この2枚の写真も車庫内の地平で撮っている。
やはり車庫の職員に声をかけて、当たり前のように許可をもらっている。
このように1970年代は、鉄道少年がちゃんと許可を得れば写真を撮らせてもらえたのだ。
中には無許可で入ってる者、行き先表示板などを盗むマナーの悪い輩も居たには居たのだが、
そんな人間はほんの一部だったし、きっと何かしらの天罰があっただろう。
最近は鉄道ファンのマナーが悪いなどという話題が多いが、昔のマナーに比べれば飛躍的に良いはず。
1960年代後半のSLブームの頃などは本当にひどかった。
線路敷に入って撮るのは当たり前に見かけたし、他人の敷地や野山に三脚を立てて撮っていたし、
なるべくSLに近づいてカセットデンスケで録音するマニアも多かった。
SLのナンバープレートや客車のサボの盗難は多かったので、
無くなった跡は仕方が無いのでチョークなどで書いている車両もあった。
自分より大きなお兄さんでサボを持ち歩いている人に恐る恐る注意したことも何回もある。
SLブームが去ってからは大人しくなったのだが、
一般人のマナーは相変わらずだった。
踏切遮断機を手で押し上げて踏切を渡るなどは日常風景だったし、
改札を通らないでホームから飛び降りて近道する人も日常的に見た。
酔っ払いもたくさん居たし、連結部分で高校生が喫煙していたりもした。
一方の鉄道側も、客車のトイレは垂れ流しが当たり前だったので、停車中は使わないとかの自主ルールもあり、
走行写真を撮っていると霧雨が降ってくることも(笑)あった。
笑えるようなエピソードがいっぱいだ。
最近はなんでもネガティブなことに興味が集中する世の中なので、
マスコミやネットもネガティブな話題を多く取り上げる。
マナーが悪い。などは世間の人が大好きなのだ。
なぜなら、悪いことに対しては簡単にコメントを書いてストレスを発散できるからだ。
前向きな人はそんなネガティブキャンペーンに巻き込まれたりしないのだが、
ほんの一部のネガティブ大好き人間や、クレイマーに対してでも企業側や主催者側は反応せざるを得ないので、
だんだんと自由度の低い世の中になっていく。
ついにすべての駅にホームドアを付けなければいけない時代になってしまったのだ。
今まで100年以上も無かったのに。
困ったものだ。
これもネットの功罪なんだろうな。
だって、ホームドアになると電車が撮れないんだよ(笑)。
オリンパス OM1、50mm/F1.4