日々の恐怖 6月24日 印税
戦前に亡くなった私の祖父は小説家で、祖母と母は終戦後~母が結婚するまで20年余、その印税で生活していました。
今はもう亡くなった祖母がよく聞かせてくれた話なのですが、印税入金の知らせが入る前日の夢に必ず祖父が登場するというのです。
もう面白いほど確実・正確に毎回登場するので、しまいには夢に祖父が出てきた時点で、“しめしめ、印税がはいるぞ!”と思うようになったとか。
そんな祖母が病院で亡くなるちょっと前、寝返りが打てないので床ずれ防止に医療用エアマットを購入することになりました。
値段は約10万円とのこと。
病院からその旨の電話を受け、承諾して電話を切った次の瞬間、待っていたかのように再び電話が鳴りました。
その電話はテレビ番組の制作会社からで、
“ 祖父の作品を扱った番組を作りたいが承諾してくれるか?
著作権は没後50年を過ぎているので支払えないが、謝礼はする。”
という内容だった。
数週間後、病院から送られてきた請求書と制作会社から送られてきた振り込み通知を見て驚きました。
その数字が100円単位までぴったり同じ額だったんです。
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