大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月1日 花

2013-06-01 17:45:35 | B,日々の恐怖





    日々の恐怖 6月1日 花





 よく通る道に花が手向けられている電信柱があり、通る度に供えられた花の種類が変わっていたので、よほど大切な人を亡くしたんだろうなと気になって見ていた。
 ある時、その電信柱の前を通ったらその花が荒らされていた。
次の日通ると花は綺麗に新しくなっている。
その日の夕方に通るとまた花が荒らされていた。
その後荒らされる→新しい花→また荒らされるというのが暫く続いた。
 猫や鳥にやられたのかな・・・?、と思いつつ通り過ぎていたが、ある日偶然にもその花を荒らしている最中の人を発見。
 俺はとっさに車を降り、

「 何してるんですか!」

と咎めた。
すると、こちらを向いた40~50代位の女性に女性が、

「 ○○ちゃんを返して~。」

と号泣。
 虚をつかれ、うろたえながら彼女を宥めつつ話を聞くと、彼女は娘さんをここで亡くしたと。
 娘さんは歩いていて、車に突っ込まれた。
運転していた男性も、この電信柱にぶつかった衝撃で亡くなった。
 この花は加害者の男性の家族が供えている。
その花を見る度に娘を思い出してしまい、いたたまれなくなって花を荒らすようになってしまった。
と、言った感じでした。

「 もうこんな事はしませんから・・・。」

と泣きながらふらふら帰っていく彼女を見て、やるせない気持ちになり暫くそこに立ち尽くしてしまいました。











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