ジェズイーティ教会は、ヴェネツィア本島北東のカンナレージョ地区に位置する。ここは1715年、ドメニコ・ロッシによって改築された、典型的なバロック建築だ。内部は白大理石の柱。石の中にも緑色がはめ込まれている。
うねうねと曲線を描く造形が、まさにバロック。そこに金と漆喰で象嵌細工もなされている。
主祭壇のバルダッキーノ(天蓋)は、バチカンのサンピエトロ大聖堂を模倣している。ジュゼッペ・ポッツォが仕上げた。中央に三位一体の群像があり、その前にラピスラズリのはめ込まれた聖壇がある。
とても精巧だが、全体的にはやっぱりグロテスク感が強いなあ。
天井も絢爛豪華としか言いようがない。天頂部にあるのがフランチェスコ・フォンテバッソのフレスコ画。
イタリア各地にあるイエズス会のジェズ教会は大体そうだが、とにかくゴテゴテの装飾だらけの雰囲気が漂っている。そのせいで、好き派と嫌い派が極端に分かれる傾向が強い。
ひと際暗い絵画がある。ティツィアーノの「聖ラウレンティウスの殉教」。1558年の作品で、松明と月光によって処刑の様がうっすらと浮かび上がる夜の光景を描いた。絵画史上初の試みだった。
こちらはティントレットによる「聖母被昇天」。この2作品は同教会の宝だ。
教会から出た時、ちょうど太陽が教会上部にあって、向かいの建物の壁面に、ファザードの天使像のシルエットを映し出していた。
その天使たちがこちら。後光を発していた。
教会てっぺんにも注目!聖母被昇天の場面を再現した彫像が備えられている。
青空を背景に、今まさに天に昇って行こうとする聖母マリアの姿がまぶしく輝いていた。