永代橋を渡ったついでに、少し足を延ばしてみよう。
そのまま東に進めば、左手に富岡八幡宮に到着する。
ここは昨年暮れ、宮司を弟が刺殺するという事件が起きて注目された神社だ。だが、本来は徳川家の厚い保護を受けた由緒ある神社で、「深川の八幡様」として庶民にも親しまれてきた。創建は1627年。
正面入り口に武士の立ち姿がある。日本地図を作り上げた伊能忠敬像。伊能はこの近くに住み、測量調査のために旅立つときは必ずここに参拝してから出かけたという。
社の右奥に進むと横綱力士碑。
1684年に幕府から勧進相撲の興行が許可され、約150年間この地で相撲が行われていた。本場所が両国の回向院に移ったのは1833年のことだ。そんなゆかりから横綱大関力士碑が建てられている。
富岡八幡宮の例大祭は神輿に盛大に水を掛ける「水掛祭」としても知られる江戸三大祭りの一つだ。昨年は3年に1度の本祭りだったので、出かけてみた。
水は消防団のホースで大量に掛けられる。
従って、担ぎ手も見事にびしょぬれだ。
天候もまずまずで、通りは人で埋まった。
神輿は担ぎ手によって左右にも揺られ、豪快に傾いたりもする。
その彼らの「支える手」も力強い。
何か所かでは、トラックの荷台に乗った若衆からバケツでの水かけも。
とにかく見ているだけでも興奮する祭りだった。
八幡宮のすぐ隣にあるのが深川不動堂。
そこから北上して行くと清澄庭園近くの道路沿いに滝沢馬琴誕生の地という碑を発見した。
彼の代表作南総里見八犬伝の本を積み上げた形の碑で、とてもユニーク。
永代通りを東に進むと、ほどなく左手に木場公園が見えてくる。木場は江戸時代から木材の集散地だった場所。その貯木場を整備して、現在は大きな公園になっている。
その中央を流れる仙台掘川に木場公園大橋が架かっている。全長250m、主塔の高さ60mというダイナミックな橋で、その間からきれいに東京スカイツリーが眺められる。
仙台掘川は江戸時代に開掘された運河で、北岸にあった仙台藩の蔵屋敷にコメなどの特産物を運び入れた交通路だった。