長谷寺。686年に道明上人が天武天皇の病気治癒を願って開創した真言宗豊山派の総本山だ。桜井市初瀬の山懐に抱かれた寺。静寂の支配する山寺をイメージしながら寺を目指した。
近鉄線長谷寺駅を出ると、正面に「長谷寺」と書かれた門がある。
「あれ、こんなに近くにあるの?」との思いは簡単に打ち砕かれた。
門の先はすぐに階段。それも急こう配の下りで、いくつもに分かれた階段が続く。寺には山を登って到着するとは知っていたが、最初にこんな急階段があるとは全くの想定外だ。
ようやく街並みの通りに出た。下り階段の終わりにほっと一息。
今度は緩やかな坂道を上って行く。約15分、左手に寺が現れた。
仁王門。長谷寺の総門で、両脇に仁王像がにらみを利かせる。この仁王像は明治になって再建されたものだという。
門をくぐると、早くも登廊が始まる。屋根付きの上り階段で、こちらは平安時代に造られたもの。一段一段の高さが低く、階段を強く意識せずとも上れる。有り難い。
脇から見るとこんな感じ。まあ、それほど苦労せずとも昇って行けそうかな・・・。
路端には満開の桜。春ならではの華やかさを感じることが出来る。
1つの登廊が終わったと思ったら、またべつの登廊が待っていた。聞くと、登廊は3段階に分かれており、上中下併せて399段あるという。やれやれ。吊るされているのは幅の広い長谷型灯篭。
屋根の梁などには装飾模様が付いている。丁寧な造りだ。
二層目の登廊が終わり、今来た道を見下ろす。やはり長いなあ。