新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 パリ編㊹ 男女の右手と左手 「祈り」に通ずるロダンの作品に出会った

2025-02-22 | 心ふるえる風景 パリ編

 右手と左手が そっと組み合わされている

 離れもせずきつくもなく 肌のぬくもりがかすかに伝わるかもといった

 ほんのわずかな接触だけで 留まっている

 

 この手は一人の手ではない よく見ると大きさが異なっている

 たぶん一人の男の右手と 一人の女の左手

 二人がお互いの一方の手を差し出して 出来上がった形だ

 その形は 何を意味するのだろうか

 

 彫刻の作者は オーギュスト・ロダン

 彼が名付けたタイトルは 「カテドラル」(=大聖堂)

 そう この二つの手が一つになって出来上がったテーマは「祈り」だ

 

 大聖堂(カテドラル)の存在は 人が為そうとしても成し遂げえない目的 望み

 思いもかけずに 陥ってしまった過ちや苦悩

 そんな人生の節々にたたずむ場所 としてあるのかもしれない 

 

 なら 自分にとって祈りとは何なのだろうか

 ロダンが具象化したこの作品が 意味するものを見出せないままに

 ロダン美術館の閉館時間を 迎えてしまった

 

 

コメント
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