新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・イタリア ヴェネツィア編① まずは共和国の心臓部ドゥカーレ宮殿の階段から。

2021-03-16 | 階段紀行・イタリア

 旅好きで、国内外の各地を旅してきた。その中で、どの旅行雑誌やガイドブックにも紹介されていないが、とてもバラエティに富んだ構造物があることに気付いた。

                階段

 ほぼどこにでも必ずある階段。でもそれぞれに特徴を持ち、独自の美しさを誇っているものが多数あった。そこで、今回は階段に絞って国内、世界の美しい、あるいは風情ある階段を特集してみた。まずは訪れた回数の最も多いイタリア・ベネツィアから。

 ドゥカーレ宮殿。ヴェネツィア共和国時代、総督の居城であり行政、裁判、立法それぞれの拠点として機能した最重要の建物。従って階段も並ではない。

 まず、本来の正式な入口だった布告門の前に立とう。

 その奥にあるのは、大理石で造られた「巨人の階段」だ。

 階段上には、左に海の神ネプチューンと右に勝利の神マルスの2人の巨人がすっくと立ち、中央にはヴェネツィアの守護聖人聖マルコの象徴であるライオン像。

 この階段を上るときには緊張と高揚感とが自然に湧き上がってくる。

 また、中に入り、2階から3階に上がる階段では、きらびやかな装飾が出迎える。天井が化粧漆喰で豪華に彩色された黄金階段(Scala d′oro)。

 16世紀に完成した階段だ。この階段を踏みしめて総督の公邸に入ることになる。

 内部は美術品の宝庫。ティントレットによる世界一大きい油絵とされる大絵画「天国」を始めとした華やかな絵画群であふれている。

 つまり、巨人の階段で緊張を味わい、黄金階段で高揚感に満たされて、共和国の中枢に足を踏み入れる経験を、階段を上るという儀式を通過することで味わうわけだ。

 こんな形で、これから世界各地の様々な階段の模様を紹介して行こうと思う。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ベルニーニとローマ⑪ ベルニ... | トップ | 階段紀行・イタリア ヴェネ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

階段紀行・イタリア」カテゴリの最新記事