今回からは西日本を見て行こう。ただ、私の住まいは神奈川県なので、西の地方の資料は少ないことをご了承ください。
まず最初は大阪府立中之島図書館。正面を眺めると、三角形の切妻屋根にコリント式の列柱が並ぶ。ギリシャ神殿のようにも見える。でも上方にはドームがあり全体のたたずまいはヴェネツィアの教会や別荘に残るアンドレオ・パラーディオの建築にも似た様式だ。
堂々たる建築の中に入ると、豪華な階段が姿を現す。
両側を縁どる手すりはチーク材が使われており、階段の中央付近で幅が狭まり、上下に広がるようなイメージの形だ。それが一層階段全体のスケール感のある変化を強調してる。
上階から見下ろすと、木製の手すりが弧を描いて下の階に滑り落ちて行く。
光は天井ドームからのみ差し込む。このドームには大阪では最古級のステンドグラスがはめ込まれているという。
野口孫市の設計で1904年開館。1世紀を経過しても決して古めかしい印象はなく、かえってモダンな形態にさえ思われる。
この角度から見ると、直線とカーブが交差するスリリングな姿が目に入る。今でも府民の図書館として普通に使われているのは、何ともうれしい。
改めて正面から眺めると、フィレンツェにあるミケランジェロ設計の階段にもよく似ているような気がする。
そうですね。図書館は意外と立派な建築物に入っていることがあります。上野の国際子ども図書館や区立深川図書館など、その例だと思います。
以前チェコに行った時に入ったプラハの図書館も素晴らしかったですよ。