新イタリアの誘惑

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マインツ③ シャガールの生涯最後のステンドグラス作品群に囲まれて、心を清められる時間が過ぎた

2019-10-26 | ドイツ・マインツ

 シャガールがステンドグラス制作を始めたのは70歳を過ぎてからだった。しかし、精力的に制作を進め、マインツ以外にもフランスのランス、メッスやスイス、イスラエルなどヨーロッパ各地の教会などにその作品を残した。

 中でも、ここ聖シュテファン教会は最後の制作場所だった。1985年に亡くなるまでの間精力的に力を注ぎ、教会前方9枚のステンドグラスを完成させた。

 以後、その仕事を引き継いだのはガラス職人チャールズ・マルク。すべての作品が完成したのは実に2000年だったという。

 チャールズ・マルクは、シャガールがステンドグラス制作を手掛けてからずっと、共に仕事をしてきた盟友。マルク・シャガールと同じ名前を持つことから、「もう1人のマルク」とも呼ばれている。

 描かれた様々な聖書の物語のうち、深い知識がなくともわかったのは、この絵。アダムとイヴが禁断の木の実を取ろうとしている場面だ。

 ステンドグラスの横に据えられたパイプオルガンのパイプが、差し込む青い光を受けて微かに輝く様も荘厳さを感じさせた。

 また、ひっそりと置かれた聖人像が、背後のステンドグラスの光によってくっきりと輪郭を浮かび上がらせる瞬間もあった。

 こんな色彩だけのものも。

 それもかえって青の奥深さを印象付けている。

 アップしてみると、嵐のうごめきにも感じられる。

 一方で満月のような丸い輪郭は平和なたたずまいを思わせる。

 そんな形容しがたい空間に、心を清められるような時間が過ぎて行った。

 

 


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2 コメント

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綺麗 (マンマ♪)
2019-10-27 00:24:30
青の濃淡が鮮やかですね。

シャガールのステンドグラスはあちこちにあったんですね。
マインツにもあっただなんて。。。

もっと宣伝しても良さそうなのにね。
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シャガール (gloriosa)
2019-10-27 20:04:34
マンマ様

 シャガールのステンドグラスは彼の晩年からの仕事でしたが、相当精力的に打ち込んだようです。光によってその輝度が絵画より数段あがるので、色が見事に発色して感動します。
 個人的には、こことメッスのステンドグラスが好きですね。
 
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