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樋口一葉記念館を訪れた。1961年に台東区が建設した、わが国初の女流文学者の単独文学館だ。その後、一葉が5千円札に採用された2006年に建物もリニューアルされた。
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妹くにが保存していた日記や原稿などが展示され、生い立ちから死去まで丁寧に順を追って一葉の生涯をたどれるようになっていた。5千円札でおなじみの顔写真。
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最も驚き、心を惹かれたのが字の美しさ。自筆原稿、手紙などが幾つも陳列されていたが、とにかく流麗な筆致には、ただただ見とれるだけだった。
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記念館前は一葉記念公園になっている。その一角には「たけくらべ記念碑」があり、一葉の旧友であり歌人である佐佐木信綱による歌が刻まれている。
そのかみの美登利信如らも この園に来あそぶらむか 月しろき夜を
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また、別の碑には「明治文壇の天才樋口一葉が 居た跡である」と、菊池寛が文章を書いている。
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せっかくここまで来たので、吉原の街ものぞいてみた。
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地区の西側には吉原弁財天。遊郭が造成された時に残された弁天池跡に「花吉原名残碑」が建っている。
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もう1つ、関東大震災の犠牲者を供養する観音立像は築山の上に立っていた。
供養といえば、吉原に身を沈めた遊女たちへの供養は、浄閑寺でなされていた。地下鉄三ノ輪駅の北側にある寺で、遊女たちが病気などで死亡すると、投げ込み同然にして葬られていたことから、この寺が「投込寺」と呼ばれるようになったという。
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その数は2万人にもなるといい、供養のための「新吉原総霊塔」が建てられている。
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台座には「生まれては苦界 死しては浄閑寺」との句が。
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その向かい側には、ここをたびたび訪れた永井荷風の詩碑があった。
とても辛いエピソードが多くなってしまう街だが、救いとなるようなモニュメントを見つけた。
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この像はまさしく「明日のジョー」。
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あの名作漫画は、この地を舞台としており、泪橋もこの付近にあった。この特徴的な髪形で、悠然と街を見渡していた。
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都電三ノ輪駅近くのガード下に、祭りのイラストが描いてあった。その横を通り抜ける人の姿が妙に絵にはまって、いかにも下町という風情にあふれていた。
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