新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 イタリア編㊹ ミラノの中心街に 突如現れる「哲学する巨人」の群れ

2024-04-23 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 腕を組み 顎に手を当て 

 それぞれに厳しい表情のまま 何かを思っている

 衣をまとい あるいは半裸の姿で

 いずれも深い思索の溝に はまり込んでいるかのようだ

 

 スカラ座のあるスカラ広場から 東に延びる小道

 人通りの途切れる場所に 不思議な像の建物がある

 巨人の像が ずらりと並び 

 あたかも通行人をにらんでいるかのような 光景が目に飛び込む

 「オメノーニの家」と呼ばれている

 像は全部で八体 この場所だけは異様な雰囲気で満たされる

 建物は16世紀の彫刻家レオーネ・レオーニの住宅だったところ

 レオーネは 当時ミラノを統治していた

 スペイン王フェリペ2世の 宮廷彫刻家だった

 なのでこの像もレオーネ作だと思ったら 

 実はアントニオ・アボンディオの作品だという

 

 像はどれも 実在した哲学者らしいが

 なぜこのように 建物の前面に据えられたのか

 今では華やかな ミラノの街の中心部に

 どうしてこのような巨人像が 残されているのか

 まして 全員なぜ足がないのか

 不思議さが 募るばかりの場所だった

 

 なお「オメノーニ」とは 「巨人」という意味だそうだ


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2 コメント

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ローマ帝国 (gloriosa)
2024-04-23 21:48:06
種吉様

コメントありがとうございます。

哲学者たちの表情は見ていると、聖書に登場する聖人たちに比べてもかなり深刻ですね。
でも、一人一人が微妙に異なっていて、おもしろさも感じました。

なお、紀元前8世紀に始まったローマ帝国は、紀元後395年東西に分裂、生き残った西ローマ帝国でも1453年にオスマン帝国に滅ぼされましたので、この像が制作された16世紀には存在していませんでした。念のため。
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Unkown (油屋種吉)
2024-04-23 16:15:44
こんにちは。浅学ながら哲学することにはいささか興味があります。どなたも苦悩に満ちた表情をされている。ローマは一日にしてならず。全盛を誇ったローマ帝国もいつしか衰えのきざしをはらんでいたのでしょうか。
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