フィレンツェの市庁舎ヴェッキオ宮は かつて共和国の政庁だった
当時のフィレンツェは ミケランジェロやダ・ヴィンチなど
名だたる天才たちが 競って腕を振るい
ルネサンスの花を 開花させた場所だ
その広場に 夜出かけると
大きなポスターが 立てかけてあった
よく見るとそれは シモネッタの肖像画
彼女は当時を代表する美人として知られる
1475年 共和国の大イベントだった 馬上槍試合が開催され
メディチ家の当主の弟 ジュリアーノが優勝すると
彼にスミレの花冠を贈る役を担って シモネッタが壇上に上がった
当代随一の美男美女のカップルが 晴れの舞台で実現
国中の人々から 永遠の恋人として賛美された
シモネッタはその翌年 23歳の若さで病死したが
ボッティチェリは 彼女の肖像画を何枚も描き
その誇り高き美貌が 後世まで語り伝えられることとなった
たまたまある企画のために 彼女の大きなポスターが
掲げられたその日に この広場に居合わせた偶然に
彼女が現代のフィレンツェの街に 出現したのかと
一瞬の夢を 見てしまった
でも とても幸せな 夢だった
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