ウフィツィ美術館近くの道 を歩いていると
若い女性が 路上に絵を描いていた
手前に画集を開いて 全く通行人の目も気にせず
一心に 手を動かし続ける
見る見るうちに 路上に聖母子の顔が 浮かび上がった
そうこの構図は ラファエロの作品「大公の聖母」だ
伏し目がちに物思いに沈む表情が 思慮深さと慈愛を感じさせる
見事ラファエロらしさの特徴も 上手に捉えて素晴らしい
思わず つたないイタリア語で 女性に聴いてみた
「絵の勉強をしているんですか?」
「ええ 美術学校に通っています ラファエロが好きなんですよ」
外国から フィレンツェに留学して1年
ようやく 生活にも慣れてきて
ちょっとした腕試しで 今日初めて路上絵に挑戦したのだという
初々しい表情で語る 彼女の顔が
路上絵の聖母の口元と
どこか似ていることに 気づいた瞬間だった
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