極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ゲルマニウム/シリコン量子ドット太陽電池

2013年11月19日 | デジタル革命渦論

 


 

これは新聞あるいは新目耳というには古い旧聞あるいは旧目耳の類だろうが、 今年9月
に、京都大学 化学研究所の太野垣 健准教授らは、微細な半導体の結晶である半導体量子
ドットを用いた太陽電池で課題であった、電圧が低下する原因を突き止め、現在、広く実
用化されている結晶シリコン太陽電池(エネルギー変換効率20%程度)は、変換効率が理
論的な限界に近づき、次の新しい高効率化技術が求められている。その1つとして、量子
ドット太陽電池が理論的には40%以上という高い変換効率が期待されるため注目されてい
る。例えば、結晶シリコン太陽電池に、より低いバンドギャップエネルギーを持つ量子ド
ットを組み入れることで、低エネルギー光を吸収し電気エネルギーとしての利用が可能と
なる。このような新しい光吸収帯を用いた量子ドット太陽電池は中間バンド型と呼ばれ電
流は増加するが、逆に電圧の大幅な低下が問題で、高効率化の妨げとなっていた。

  

そこで、量子ドットを用いた高効率化技術の妨げであった電圧低下を引き起こす大きな電
荷損失を伴わずに量子ドットを導入する手法を見いだし、さらに、その手法によって中間
バンドを構成する量子ドットから電荷が光励起される以前に取り出されることが、原因で
あることも明らかになった。この発見により、今後、この電圧低下を抑制する指針を立て
ることが可能となる。これを具体的に抑制するためには、中間バンドから価電子帯や伝導
帯への光励起を増大させるアプローチ
などが考えられ、そのような実証研究を進めること
で、量子ドットを用いた結晶シリコン太陽電池の高効率化応用の早期実現が期待される。
またここでは、結晶シリコン太陽電池に量子ドットの特性を付加には、シリコン/ゲルマ
ニウム量子
ドットのナノ構造体を用いれば、大きな電荷損失を引き起こすことなく導入が
可能であることが分かった
。シリコン/ゲルマニウム量子ドット太陽電池は、中間バンド
型のみならず、多重励起子生成(MEG )型、ホットキャリア型などそのほかの新原理に基
づいた量子ドット結晶シリコン太陽電池への応用も並行して進めることができると目され、
今後、さらに有用な量子ドット太陽電池の開発加速が展望できるもの。




(a) 中間バンドを有する太陽電池のバンド図。EFC、EFV、およびEFIは、それぞれ、擬フェ
  ルミ伝導帯のレベル(CB)、価電子帯(VB)と、中間帯(IB)である。
(b)ゲルマニウム/シリコン太陽電池のエネルギーダイヤグラム
(c)公称2MLの厚みのケルマニウムとゲルマニウム/シリコンの量子井戸で構成した結晶シ
 リコン太
陽電池の透過電子顕微鏡画像
(d)8MLの公称厚みのケルマニウムとゲルマニウム/シリコンの量子井戸で構成した量子ド
 ット太陽
電池の透過電子顕微鏡画像
(e)10Kにおけるゲルマニウム厚さとゲルマニウム/シリコン太陽電池の吸収波長断面図。
 矢印は量子井戸と量子ドットにおける非光子の光学的遷移点である。
(f)公称ゲルマニウム厚みに関する室温、照明下での電流-電圧特性曲線。2MLは破線、8
 MLは実線、16MLは点線、矢印は結晶シリコン太陽電池の開放電圧である。

【事例研究:特開2013-229378

半導体基板1の主面3上に、複数個積み重ねた量子ドット5aと、それを内包しているマトリックス5b
とにより構成し
た量子ドット層5の太陽電池で、量子ドット5aは、球形状であるとともに、直径のばら
つきが10%以内である。
これにより量子ドット層5内で隣接する量子ドット5aで形成した中間バンドBのエネル
ギー準位がほとんど同じになり、量子ドット5a間の波動関数が重なり、量子ドット5aに生成された電子等のキャリ
アが量子ドットの間をトンネルしやすくなり、その結果、キャリアの輸送効率を高めることができ、半導体基板上に
量子ドット太陽電池の光電変換効率を高めることのできる。

 

 

 【符号の説明】

1、7 半導体基板 3 主面 5、105 量子ドット層 5a、105a 量子ドット 5b、105b
マトリックス 5CS 量子ドット複合体 10a n型の半導体 10b p型の半導体 11 トンネル接合部 C コア部
S シェル部 G エネルギー準位の段差

量子ドット型太陽電池の技術で、例えば特許文献1には、シリコン基板の主面上に3次元量子閉じ込め作
用をもつ量子ドットを含み、量子ドット及びそれを含有して囲むバリア層からなる量子ドット層で構成す
る太陽電池が開示されている。図6
は、特許文献1に開示された太陽電池に代表される従来の量子ドット
型太陽電池を示す断面模式図。この図では量子ドット層105の層数を単純化し2層しか示していないが
、量子ドット層105は少なくとも数十層積層された構造となっている。ここで、量子ドット層105は
量子ドット105aである半導体粒子とその周囲に形成された高抵抗層であるマトリクス105bとから
構成されている。
ここで、量子ドット型太陽電池に形成される量子ドット105aは、サイズが約10nm
程度の半導体ナノ結晶である。量子ドット105aに光が照射されると、量子ドット105a内における
電子は、量子ドット105aの閉じ込め効果により半導体が本来持つバンドギャップより高いエネルギー
ギャップの量子準位にまで励起される。その結果、従来の太陽電池では吸収することのできなかった短い
波長領域の太陽光スペクトルを、p型の半導体とn型の半導体との境界に形成された量子ドット層105
内で効率よく吸収させることが可能となり、これにより光電変換効率を高めることができるとされている。
ところが、実際には、シリコン基板上に、量子ドット105aを2次元的あるいは3次元的に配置させて

量子ドット層105を形成しても、光電変換効率が向上し難いという問題があった。

【特許文献1】特開2006-114815号公報

実施形態の太陽電池を製造する方法

量子ドット層5を有する太陽電池は、通常、電気的に変換されない特定波長帯の入射太陽光を吸収すると
ともに、その吸収した特定レベルのエネルギーを有する光、例えば、1200~1700nmの波長を持
つ光を、例えば、400~800nmの波長である可視光などに変換できる機能を有している。このよう
な量子ドット層5を構成する量子ドット5aとしては、半導体粒子を主体とするものからなり、エネルギ
ーギャップ(Eg)が0.15~1.20evを有するものが好適である。具体的な量子ドット5aの材
料としては、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ヒ素
(As)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、鉄(Fe)、硫黄(S)、鉛(Pb)、テルル(Te)お
よびセレン(Se)から選ばれるいずれか1種またはこれらの化合物半導体を用いることが望ましい。量
子ドット5aは、上述した半導体材料を含む金属化合物の溶液からバイオミネラリ
ゼーションにより金属
成分を析出させる。まず、上述した半導体粒子を主成分とする金属化合物と溶媒と
フェリチンとを準備し
加熱しながら混合して半導体粒子を合成する。


金属化合物としては、Siを含む化合物として、例えば、SiOまたはSiClを用いる。一方、溶
媒としては、フッ化水素(HF)、硝酸(HNO)、高純度水、水酸化カリウム(KOH)、メチル水
酸化アンモニウム(THAM)、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、硫酸ヒドラジン、水和ヒ
ドラジン(N・HO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルホルムアミド、N-メチ
ル-2-ピロリドン、ケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸およびSiFから選ばれるいずれか1種が好
ましい。
また、SiClとMgSiとを反応させた後、得られたSi化合物をアルキル化剤(RMgX;R:アルキル、X:ハ
ロゲン)と反応させる方法を用いることができる。

次に、Siと上記の溶媒とを溶解させた溶液中にフェリチンを分散させておいて、フェリチンの内壁にSi
を金属として付着させる。フェリチンはタンパク質であることからバイオ的なサイズの制御が可能となり、
より球形状に近い粒子の合成が可能であり、また、粒径のばらつきも小さいものを得ることができる。

に、合成した半導体粒子を大気等の酸化性雰囲気中にて加熱して、半導体粒子の表面に酸化層を形成する。
以下
この半導体粒子の表面に酸化層が形成された粒子のことを前駆体粒子という。

次に、表面に酸化層が形成された半導体粒子(前駆体粒子)を溶剤中に分散させてスラリーを作製し、こ
のスラリー
を半導体基板1の表面に塗布し、乾燥させる。この場合、前駆体粒子が半導体基板の表面に整
列して堆積するよ
うに粘度および蒸発性を考慮した溶剤を選択する。具体的には、溶剤としては、フタル
酸エステルやグリセリンなど
が好適である。また、前駆体粒子を半導体基板の表面に堆積させるために、
半導体基板1の表面にスラリーの塗布を複数回繰り返す工法を用いても良い。次に、前駆体粒子を堆積さ
た半導体基板1をアルゴンまたは窒素などの不活性ガス中、又は、水素を含む還元ガス中にて、300~1000
℃の温度に加熱して前駆体粒子を焼結させる。こうして半導体基板1の表面上に量子ドット5aを形成で
きる。得られ
た量子ドット5aは、フェリチンを用いて得られた前駆体粒子を焼結させたものであるため、
半導体粒子の形状が球
形状であり、また、粒径のばらつきが10%以下と小さいものとなっている。

なお、量子ドット層5を、コアシェル型の量子ドット複合体5CSがシェル部Sの輪郭を有するように積
み重ねられた構造にする場合には、加熱する温度をあまり高くしないで量子ドット複合体5CS同士がネ
ック部で結合した程度になるように制御する。次に、量子ドット層5の表面に半導体基板7を形成する。
製法と
しては、CVD法、スパッタ法および蒸着法などから選ばれる1種の物理的な薄膜形成法やスピン
コート法または印
刷法などの化学的方法を採用することができる。以上より得られる太陽電池は、量子ド
ット層5を構成する量子ドット5aが球形状であり、粒径のばらつきが10%以下であるため、量子ドッ
ト層5内において、複数の量子ドット5a間に電子の規則的な長周期構造が形成されやすくなり、これに
より連続したバンド構造を形成することが可能となり、量子ドット5aによる光の吸収量を高めることが
可能になることから、光電変換効率を向上させることができるというが、実施例には比較検証データは掲
載されていない。

 

福島第1原発の事故と同程度の事故が、福井県にある原発で起きた場合の放射性物質の拡散予測を独自に
行っている滋賀県は、18日、事故直後から琵琶湖の面積の最大約20%で、水深5メートルまでの水が国

定めた飲料水摂取基準を超え、しかも放射性セシウムでは最長約15日間続く-との試算結果を公表してい
る。県は「試算は湖水そのものが対象で、飲み水への影響を考える場合、浄水場での処理などを検討する
必要がある」としている。琵琶湖を起点とする淀川から取水している自治体などの水道局は東日本大震災
後、さまざまな対策を打ち出しており、セシウムやヨウ素は一定程度軽減が可能だが、最悪の場合、取水
を停止する事態になるという。県琵琶湖環境科学研究センターが、同県に近い大飯(おおい)原発(福井
県おおい町)と美浜原発(同県美浜町)での事故発生を想定。福島第1原発事故後に放射性セシウムなど
が最大量排出された2011年3月15日のデータや滋賀県の気象記録を使うなどして湖水に対する放射性物質
の影響を調べたという。

そうですか!?という他に言葉が見つからないが、欲望の極限肥大リスクは、これ以外にも、異常気象として現れ
ており(小氷河期との情報も飛びかう中)、地球環境レベルでのリスク管理のプライオリティの決定と実行計画(事
業計画)とその工程表の策定が急がれている。危うし、我が祖国、我が惑星。

                                                               

 

 

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