【クマムシと生命の神秘】
最強生物といわれるクマムシは、緩歩動物(かんぽどうぶつ)の総称。ずんぐりとしており、ゆ
っくりと歩くことから緩歩動物と呼ばれ、形が熊に似ているのでクマムシ(water bears)と呼ば
れている。そしてここから最強生物といわれるゆえんなのだが、外的環境条件の激しい変化に対
し、極めて強い耐久性を持ち、チョウメイムシ(長命虫)と呼ばれるのだが、体長は50μmから
1.7mmで、熱帯から極地方、超深海底から高山、温泉の中まで、海洋・陸水・陸上のほとんどあ
りとあらゆる環境に生息し、堆積物中の有機物に富む液体や、動物や植物の体液(細胞液)を食
物として、およそ750種以上(うち海産の物は150種あまり)確認されていて、クリプトバイオシ
ス(Cryptobiosis)という無代謝状態の機能をもつ。なので、クマムシのクリプトバイオシシスは、
自然外圧のストレスにより、(1)乾燥状態で、乾眠(アンハイドロバイオシス,Anhydrobptob-
iosisiosis)でき(1)低温状態で、凍眠(クライオバイオシス,Cryobiosis)し(3)高浸透圧状
態では、塩眠(オズモバイオシス,Osmobiosis)し、(4)酸素不足では、窒息仮死(アノキシ
バイオシス,Anoxybiosis)する4つの機能)になれる機能をいう。観察データとしては、通常で
は体重中の85%の水分を0.05%まで減らし極燥環境に耐え、151℃の高温から絶対零度(-273℃
※現在では-270℃とされている)の極寒まで耐え、かつまた。真空から75,000気圧にも耐え、ア
ルコールなどの有機溶媒の耐性をもち、高線量の紫外線、X線などの放射線にも耐えることがで
きる(※ X線の致死線量は、クマムシ: 人間=57万レントゲン:500レントゲン)。
欧州宇宙機関(ESA)が2007年9月に打ち上げた[宇宙実験]衛星『Foton-M3』に、クマムシを格納す
るシステムが搭載されたが、クマムシは、生存に必要なものが極端に不足するときには代謝を停
止できるほか、大量の放射能を浴びてDNAが損傷した場合、これを修復することもできるなどの
特性が科学者の好奇心を刺激し、地球を回る軌道上にクマムシを打ち上げて宇宙空間に直接さら
す実験が行われている。それによると、軌道に達するとクマムシを入れた容器が開けられ一部の
クマムシは低レベルの宇宙線だけを浴び、残りは宇宙線のほか、何も遮るものがない太陽光も浴
び、すべてのクマムシが温度差の激しい真空の宇宙空間にさらされたが、宇宙線だけを浴びたク
マムシたちは、地球に戻ると復活し、宇宙線を浴びていないクマムシと同様のペースで繁殖した。
※オニクマムシ(Milnesium tardigradum)の超高圧耐性
実験にかかわった、Rettbergのチームは『Current Biology』誌の9月9日号に発表した論文によると、
この無脊椎動物たちが宇宙空間でどのように身を守ったかは「謎のまま」で、彼の次なる課題は
このような働きをつかさどる遺伝子を特定するという。これで人間のDNA修復に関する理解と向上
を進める最初の一歩になることだろうと結んでいる。福島原発禍で多くのひとが被害を被り、将
来の放射能汚染禍の不安は拭えない。このクマムシのの耐久性の具体的な解明が進めば、発症に
対する処置方法も変わってくる。なによりも、原子力エネルギーとの共存可能性が実現できれば
人類は大きく飛躍できる。それが仮に今回の被災者の存命中に実現出来なくともその研究開発は
精力的に成し遂げなくてはならない。それが日本の試練でもあるだろ。
Lynn Margulis Robert Harding Whittaker
【生物の分類とデジタル革命】
ところで、生物全体の分類方法は多種あり、その中でも、現在まで、生物界を動物界と植物界の
2つの界に分ける二界説と「植物」「動物」「菌」「原生生物」「モネラ」の5つに分ける五界
説とが教えられてきたが、微生物の知見が高まってくると、三界、五界、八界に分ける説などが
登場する。いまでは、動物と植物の特徴が、前者が摂食消化、後者が光合成による栄養摂取を行
うとし、ホイタッカーはこの二つに加えて、菌類に見られる表面での吸収を第三の方向であると
し、生物進化における重要な方向であり、それぞれが、生産者、消費者、分解者と呼び、植物界
動物界に菌界を加え五界説に整理し。現在も高校理科生物ではこの説を基本としている。しかし、
電子顕微鏡による微細構造の研究は微生物分野の理解を大きく広げ、分子遺伝学の進歩は遺伝子か
ら系統を読み出す方法を提供し、さらにコンピュータを利用した分岐分類学を実用化してしまう。
その一つは古細菌の発見と真正細菌、真核生物の間の差が想像以上に大きいことが分かったこと
があり、元来は真核生物内部の最大の区分であった界より上の階級を想定せざる得なくなりドメ
インが加えられることとなる。また、分子遺伝学的研究は、プロチスタ(原生生物)の中の多様
性が想像以上に大きく、植物というくくりが成立し難くなる。細胞内共生の想像以上の広がりが
発見され、トーマス・キャバリエ=スミスの八界説なども出たものの、界という階級そのものが
使われなくなりつつある。このように分類学における電算機や電子機器の発達の影響は測り知れ
ないもがあり、巻頭のクマムシの電子写真(疑似カラー処理)のような細微な形状まで画像化(
→4次産業)されるようになった。
【維新の会 沈みゆく太陽】
維新の会と太陽の党との合流で、脱原発、企業献金禁止、非核原則の変節が見えてきたことで、
急速に片想いの情熱が萎え、幻滅てしまったというのが偽らざる心境だ。「政治とは嫉妬と妥協
だ」とするなら「初心」「誇り高き志」「共同綱領」「ゴール」という言葉に結実する“自らの
思想い(おもい)”とどのように向き合っていくのであろうか?、それとも、クマムシのように
ロバスト性を強化して乗り切るのだろうか? また、これはまったくの老婆心だが、ブレーンの
ひとりである堺屋太一が身を引くのではと案じたりもしている。各党乱立するなか多くの有権者
は、わたしのように、どの政党に、政治家にこの国の未来を付託するのか困惑しているだろう。
昨夜のブログで安部自民党に傾きかけたが、集団自衛権については意見を異にする。この件つい
ては、わたし(たち)は、1991年湾岸戦争時に、憲法9条を付則改定し、集団自衛権として国連
軍への編入。かつ、国連による『刀狩り』の政策推進を掲げている。従って、外交政策が不明で
はあるが、みんなの党が一番身近に感じるが、維新の会との違いは構造改革主義にあり、税制の
見直し若しくは、地方分権の有り様は、あくまでも法治主義(中央政府の制度設計)にあり、元
図のないジグソーパズル的思考はとり難い。また、石原慎太郎は、核兵器保持におけるミュレー
ションの先行性について言及しているが、これを聞いて、そんなに核兵器使用シミュレーション
をやりたければ、近未来戦争映画の特撮映画監督兼脚本家として、アメリカの西海岸で専念した
方が良いのではと揶揄したくなった。
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