くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

弾丸屋久島(1) 2015.8.31編

2015-10-02 14:18:27 |  ダイビング
突如屋久島
6月の沖縄本島でのタイドプール以来、次なるタイドプールを画策していた。
タイドプールでググっているうちに、「屋久島ダイビングライフ」の高久至さんのブログに出会ってしまった。
ロウソクギンポの夢見るような表情が印象的で、即、「屋久島 豊饒の海」という写真集を「お取り寄せ」。
そのページをめくるごとに、「すごいすごい!」という言葉が自然に出てくる。
美麗だったり、決定的瞬間だったり、癒しだったりと、高久さんの写真にどんどん引き込まれていった。
さらに、それぞれの写真に添えられた文章から、ゴマモンガラにいたるまで、あらゆる水中生物に深い愛情をもって接していることが伝わってきて、こんなガイドさんに、是非、ガイドをお願いしたいなと思った。
早く屋久島で潜りたい。
でも、9月にはモルディブ、10月にはセブのショートを予定しているので、今年は無理かなぁ・・・と思いつつ、どうしても気になるので、問い合わせをしてみた。
すると、タイドプールは10月頃までは大丈夫、ただ、来年はお店を閉める、そのあとの予定は未定とのお返事。
えーーー???ショック。
少なくとも来年は営業しないということならば・・・
これはもう死語となった林修氏降臨。
「今でしょ!」
でも、限りある年休、もともとない財力。
潮汐表を見て、8月31日の大潮の日は、土曜出勤の代休にあたってる。
月またがりで目立たない9月1日に1日休みをとっちゃおう。
弾丸に甘んじて、陸マイルを駆使しての1泊2日、いざ屋久島。
よって、屋久島といえば・・・な、屋久杉や森にもふれることはできない。


前途多難、出発の朝
8月31日、月曜日。
6:25発の鹿児島ゆきJL641便に乗るために、山手線の始発をめざして4時起き。
まだ暗い中、小雨に打たれながら、傘も差さずに、最寄の山手線の駅まで10分強、キャリーバッグをごろごろ。
北海道と沖縄以外、いまは日本のどこへ行っても天気は悪い予報だ。
ちぇ。
ねむい、しんどい、でも、汗も出ない。
あんなに猛暑だったのに、すっかり秋めいてしまって、それはそれでさびしい。
家を出るのもなんだかんだでもたもたしたし、ファミマに寄ったりしたら、結局、乗れたのは山手線の2番電車。
まだ一度も山手線の始発というのには乗ったことがない。
別に乗りたくもないのだが…
早朝でも山手線は普通に込んでいて、品川まではすわれない。
月曜早朝なのに、泥酔したオール明けの人びと、キャリーケース持ちのいかにも旅行者な人びと、そしておそらくお仕事な人びと。
連れがいない人は、ほぼ皆目をとざしている。
3時間しか眠れていないので、立っているのがつらい。
品川で京急に乗り換えるよりも、急がば回れで、浜松町から東京モノレールで羽田へ。
これまた、モノレール乗り場には、多くの人が待っているが、乗ってみれば席には余裕。
いかにもこれから乗務します、というメイクとまとめ髪の女性も乗っている。

羽田に着くと、手荷物カウンターはけっこうな行列で、係員が「福岡ゆきと那覇ゆきの人はお知らせくださーい」と叫んでいる。
那覇に反応しそうになるが、えーと、きょうは那覇じゃなかったな、と思う。
なにを隠そう私は、大阪と那覇と離島ゆき以外の国内線に乗ったことがないのだ。
並んでいると、鹿児島便は条件付き出発というメールが入った。むむ。
東京に引き返すか、福岡に着陸の可能性ありという。
げー、1泊2日なのにーーー!と思うが、絶対に鹿児島に着陸できるという、根拠のない確信がある。
これまで生きてきて、悪天候で飛行機が欠航したこともなければ、たとえ東海汽船が条件つき出航でも、島に着けなかったという経験がないので、今回もそんなことになるはずはない!とタカをくくる。
とそのとき、こんどは「鹿児島の方はお知らせくださーい」で、「はーい」と前に出してもらう。
屋久島行きのチケットを見せて、スルーにしてもらうが、そこでは条件つきについては一切言及なし。
そんなもんなのか?
保安検査場にすすんだらもう、鹿児島ゆきの通過はまさにクローズで、時間に余裕を持ってきたつもりなのに、ギリだった。

さらに、鹿児島ゆきは、いちばんはじっこのゲートだった。
久々にJALに乗ったが、CAの人びとの感じがとても良い。
昔はJALが嫌いで、ANAにばかり乗っていたが、JAL・ANAの優位が逆転したら、感じのよさも逆転したように思える今日この頃。
さて、機長のアナウンスによれば、条件つき運航だけれど、現時点では、おそらく鹿児島に着陸できるとのこと。
やっぱりね。
結局、飛行機は10分ほど遅れて鹿児島に無事到着。
でも、屋久島ゆきの便は、すぐお隣のゲートから出発だから心配ない。
とりあえず、おなかがすいて倒れそうなので、塩むすびをひとつGET!
びっくりするほど、「ちっさ!」だった。

乗ってきたJALさん。


これから乗るJACさん。


それにしても、この鉛のような空で、楽しみにしていた屋久島を目前にしても、テンションがあがらない。
今にも泣き出しそうな空だが、じっさいには泣きやむところのようで、ぽつぽつ程度。
私の前を行ったおばさんは、ゲートの傘を借りて歩いていったが、私にとっては、傘はさすほどではない。
JACに乗り込めば、「雨の中、徒歩でのご搭乗誠にありがとうございます。」と深々とお辞儀するCAさん。
古式ゆかしい日本のおもてなしー。
わずか35分の空の旅、昭和な扇雀飴と黒糖ミント飴のサービス。
わー、扇雀飴なんて、なつかしい。
私がこどものときでもレトロな感じがしたのに。


屋久島初上陸
機内からの眺めは、左側の列のほうが島が見えてよさそうだ。
右側に座ったので、雲と黒い海ばかり。
でも、あっという間に屋久島が見えてきた。

山々は雲に覆われているものの、その雄大さはうかがい知れる。

なんだろう?この丸いプールは。




降りると、雨はあがっていた。
素朴な空港。




小さな空港、小さな機材だから、受託手荷物はあっという間に出てきた。
それでも、荷物運搬担当の男性は、「皆様、大変お待たせしました。」と頭を下げる。
うーん、日本だ。
荷物を受け取る人は8人くらいしかおらず、あっという間に外に出ることができた。
そして、高久さんの奥さんの送迎で、ショップのおうちへ。
はじめて見る屋久島の景色にきょろきょろ。
そして、着いたのは、なつかしい日本の民家。
器材をバッグから取り出し終わると、正統派日本ネコがつかつかとこちらに向かってくる。
そして、体勢を低くしたと思ったら、私のダイビングバッグむかってJUMP!
縦長なソフトタイプのキャリーケースで、ファスナーは閉めてあったので、ネコが想定していたであろう、バッグの中にDIVEはかなわず、バッグの天井はプシューとへこんでゆき、ネコはエレベーターのように降下してゆくのに「???」という顔をしていた。
バッグに飛び込むのが大好きな子なんだそうだ。
おもしろい。
そうこうするうちに、すでに1本潜ってきた皆さんと合流して屋久島の海デビューへ。


1本め 観音
タンクはスチールだ。
3月におろした3ミリは、びっくりするほど薄くなっていた。
「ウエット、ぺらっぺらですけど、大丈夫ですか?」と言われ、ちょっとうろたえる。
これで何本潜ったっけ?、せいぜい30本・・・。
もたなかったなぁ・・・。
あ!4月にマクタンで5気圧でハゼと長時間格闘して、そのあと50%ナイトロックスのチェーサー、っていうDEEPをやったんだった。
そりゃ、気泡もつぶれるかぁ・・・。
ウエットは薄く、スチール。
でも、7月後半から8月の猛暑で、軽いワークアウトしかしていなかったので、どうも短パンがきつめ。
これは太ったといえよう。
「いらないんじゃないですか?」と言われ、「ですよねー」と言いつつも、神子元では「重めにつけてください」と言われるのが頭をよぎり、ついついウェイト1キロもらってしまう。

船はひさびさの漁船。
バックロールで着水まで時間がかかるのが、オソロシイ。
そして、入った瞬間、重っ!
やっぱりウエイト、いらなかった・・・。

はじめて見る屋久島の水中は、とても新鮮。
見慣れぬアカハラヤッコ。


シャコ貝にセボシウミタケハゼ(かな?)


ヤクシマカクレエビ。


水中スレートにかかれたものは、その場でメモでもしないと覚えられないなぁ。


平凡な面々も。








目玉がいっぱい!イシガキスズメダイの卵。


とにかく、いたるところにカンザシヤドカリがいて、


いたるところでイバラカンザシが咲き誇り、


こんなにヒトデがまとまって落っこちてる(?)のもはじめて見た。


マクロばかりじゃない。
ワイドもすごい。
まず、地形がダイナミック。




そして、ハンパない魚影はキビナゴだそう。







永田いなか浜
ランチは永田いなか浜で、お弁当。
4時に起きて、胃に入っているものは、塩むすび1つと、JALのコーヒー、それから千弱飴だけ。
おそらくスーパーのお弁当を、おいしくもりもり完食。
ここはきれいなトイレも完備していて素晴らしい。
リピーターの方によれば、屋久島の公衆トイレは、すべてペーパー完備で、どこもとてもきれいだという。
すばらしい。

雨はやんでいるけれど、どよよーん。
口永良部島はほとんど見えない。

晴れていたら、爽快な景色が広がるはずなのに、残念。

アカウミガメが産卵に来る浜。
そういえば、アカウミガメって、いちどもダイビングで出会ったことがない。
いや、伊豆急下田駅の水槽にいた子たちしか見たことがない。

2本目に出発する前、港で、漁船のおじさんが、自家製だというスイカを切ってくれた。
とてもおいしいスイカだった。
おじさん、ありがとう。
欲をいえば、ギラギラと照りつける太陽のもとでいただきたかった。


2本め オツセ
潜ってすぐに、ピグミーを紹介してもらった。
でも写せなかった。

ハナヒゲウツボは、たいへんに立腹中。






青×黄の魚が多い!?








そんなことはない。
天気が悪いのと、岩がちなので、海の中は暗いけれど、いろいろカラフル。


甲殻類も豊富。


思いっきりパラサイトされているヤクシマカクレエビ。


それにしても、屋久島の魚って、でかいと感じた。
シパダンの魚もびっくりなでかさである。
ウミヘビなんかはぶっとかったし、


クダゴンベのでかかったこと。




でも、おちびさんはちび。
ミツボシクロスズメダイの超幼魚、顔色悪め!?

きかんしゃトーマスみたい。
イバラカンザシとの対比でちびぶりを。


クロユリハゼygはオリーブ色の肌!?

シパダンやモルディブで見てるちびたちよりも、なんとも渋い色味に思える。

スズメダイもオリーブがかっている。


ハダカコケギンポを紹介してもらったが、引っ込まれた、というか、引っ込ませた!?
その他、ブレニーもいっぱい。




そこいらじゅうにタテジマヘビギンポがいる。


さんごひとつが、まるっとタテジマヘビギンポ団地になってたりする。


また、別のサンゴはカンザシヤドカリ団地になっていて・・・

穴と言う穴から、目がニョキニョキ。

そして、サンゴというサンゴには、イバラカンザシもっさり。




ここもダイナミックな地形。






こんなにイバラカンザシが開きっぱなしで、タテジマヘビギンポ密度とカンザシヤドカリ密度が高い海は初めてだ。
もっともっと潜りたい屋久島。
また必ず来よう。


アフターダイブ
ダイビング後は、ショップというか高久さんのおうちに戻って、みんなでログづけ。
古民家なかんじが落ち着く。
ダイバーの人たちも、みんな良い感じの人たちばかりで、ほっこり。
熊本から来た方は、これからレンタカーで港に戻って、船で鹿児島まで行って、そこから九州新幹線で帰るという。
私たちの伊豆感覚で屋久島に来れるって、うらやましい。
私は、あしたの夕方には飛行機に乗って帰るので、あしたは午後にタイドプールだけ。
沖縄本島とは違い、タンクはしょわないそうなので、早くも重器材を洗って、お店に干しておく。
その後、スーパー「ヤクデン」経由、きょうの宿泊先、ペンションスカイビューに送ってもらった。

スカイビューは小高い丘の上にある。
シンプルなお部屋。

ユニットバスとトイレつき、ドライヤーつき、ポットと日本茶のティーバッグあり。

まずは、テラスに出て、眺望チェック。
グランドのむこうに宮之浦港。




うまく撮れないパノラマ。


ペンションの近くには、グランドしかない。
歩いて宮之浦のお店があるエリアにゆくのは、ちょっと時間がかかる。
しかも、帰りが上り坂だ。
さすがに3時間睡眠で、外に出歩く気力は残っていなかった。
素泊まりにしたことを、ちょっと後悔。
ま、こんなこともあろうかと、ヤクデンで買ったコーンマヨネーズパンがあるさー。

短パン小さくなったことだし、少食に。
そして、九州のTVチャンネル、何番が何系だかよくわかんないなぁ~と、TVをぼんやり見ている間に、意識はなくなっていた。