芳賀明夫の思いつくままに

フィジーから帰国して

日本政府の米国政府との付き合い方

2009年06月03日 | Weblog
日本は、西欧、ロシアから見て、極東(Far East)と言われている。米国の支配下にあっても、米軍の放送網は、(FEN)Far East Network と呼ばれている。しかし、米国の西部開拓史から見れば、日本は、米国の西部から太平洋の海を越えて開拓された極西FW(Far West)とでも呼ばれるべき地域である。米国のFrontier Spirit は、米国の本土の開拓地がなくなってからは、海を越えて日本、朝鮮、中国を目指したのだ。米国による日本の獲得・開拓は、そのFrontier Spirit の賜物だ。日本ではそのFrontier Spiritがしばしば賞揚されてきている。
米国本土が崩壊しつつある現在、Frontier Spiritによって開拓の一番うまくいった極西の日本に、米国本土の借金のつけを回すのが最良なのは、誰が見ても明らかだ。ヴィエトナムを皮切りに、アフガーニスターン、イラークで軍事産業の最後のあがきをして、現在、世界一の赤字を出して崩壊しつつあるクライスラー、GMの自動車産業を、米国政府はさらなる赤字国債を発行ししつつ救済することになる。この赤字は、いずれ日本が尻拭いをさせられる。それを唯々諾々と受け入れる日本政権がそのまま続くのが、米国にとっては望ましいであろう。日本政府はこれまでも、地位協定の秘密条項により、米国の言いなりに、沖縄基地の住民の改善要求を無視し続けて来たのであるから、現政権が続けば、すでに財政の半分以上を借金漬けにしている日本の赤字国債をもっと増やしても米国政権の救済に邁進するであろう。共倒れである。それを避けるのは、まだ、潰れていない軍需産業による景気回復である。他国の民族の血をもって景気を回復するのが手っ取り早い方法なのだ。日本はそれをすでに経験している。前の大戦で大敗して国土が荒廃したあとに、朝鮮戦争と、ヴィエトナム戦争で、日本は復興したのだ。この経験を単なる繰り返しにするのか、それとも智慧にして、別の方法を考えるのか、それは、次の日本の政権担当者が賢いかどうかによるのではあるまいか。智慧という言葉はインドから中国を経て、仏教によって日本にもたらされたが、すでにその原義は忘れさられている。