20170214
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記2月(2)百円本、割引券天丼、無料販促本&シドッチの顔
11日土曜日、娘といっしょに池袋に行きました。娘が東急ハンズで革細工のトートバッグを作っている間の11時半から6時まで、私は池袋をぶらぶらしていることになりました。娘は「親がいっしょに来ているなんて恥ずかしいから、ハンズには来ないでよ。帰りにいっしょに晩ご飯食べるまで、ぶらぶらしててね」と、言います。最近の風潮だと、どこにでもいっしょにでかける母娘は「問題あり」と見なされるんだって。
息子は史学研究会に参加し、研究会が終わったら池袋で合流。晩ご飯を食べて帰る、という計画です。
池袋のひとり散歩。今日も「無料」を楽しむのココロ。
ます、ブックオフで100円本さがし。11時から11時45分まで。
100円だったら読んでもいいかなと思っていた姜尚中『悩む力 正続』など、新書を4冊。4冊でやめにしたのは、2月6日に新宿ブックオフで買った文庫本7冊もまだ読んでいないから。
百円本、好きだなあ。
西池袋公園のイベント「バレンタイン・ファンタジー池袋」やっていました。ちょこっとのぞいてみたら、休憩所がテントでしつらえてあり、石油ストーブがあったので、近くの椅子にすわり、12時から12時半まで、シャンソン歌手が歌うのを聴きました。冷たい風のなか、聴いているのはおもにお年寄り。シャンソンですから、あまり若者向きではないジャンル。「雪は降る」とか、冬向きの歌でますます冬気分。無料のシャンソンコンサート30分。
やっぱり外ですごすのは無理、と思って、南口をまわってジュンク堂へ向かう。
近くの「てんや」へ。1月18日に目黒駅前のてんやで天丼食べたら、ちょうどサービスデーで、100円割引券をもらいました。11日は、割引券があるから、500円の天丼にイカとナスを追加して腹ごしらえして、1時半。
それから延々6時までジュンク堂ですごしました。土曜日だからトークショウなどのイベントがあるかなと期待していたのですが、何もなかった。
池袋のジュンク堂は各階のエスカレーター脇に椅子がおいてあるので、立ち読みじゃなくて座り読みができるので、お気に入りの本屋です。1階のレジカウンターの移置が、前きたときと変わっていました。そういえば、ミャンマーに出かける前あたりから来ていなかった。古本屋ばかり行っていたので。
本をきっちり把握している店員さんがいるところもお気に入りの要素のひとつです。
今回はまず8階の芸術本売り場へ。写真集をいくつか籠に入れて、座り読み(読みじゃなくて、座りながめだけれど)
店員さんが通りかかったので、「あの、3Dアートの本は、このフロアにありますか」と尋ねる。店員さんは即座に「あ、それは2階の趣味健康のフロアの、目がよくなるアートの棚になります」と、教えてくれました。
うちの最寄り駅前の文教堂で、当時のベストセラーだった「『問題な日本語』という本ありますか」とたずねたら、店員さんは「あ、はい。こちらです」と、国語問題集などが並んでいる受験本の棚に案内してくれました。はあ、日本語問題集ではなくて、「問題な日本語」が欲しかったの。本を買うなら、本をよく知っていて本が大好きな店員さんがいる店で買いたいです。で、ジュンク堂や紀伊國屋が好きなんだけれど、新宿南口の紀伊國屋撤退。家具のニトリに変わりました。本屋、衰退産業なことは20年前から言われていたけれど、紀伊國屋でもダメなんですね。
1時間ほど8階で座り読み。写真集、重たいから買いません。図書館に行ったら借りようと思う本の題名だけながめる。
2階に移動。「家庭の医学」系統の書棚。「自分で治せる○○」などの棚に「ぐんぐん目がよくなる3Dアート」が並んでいました。ほんとうに目がよくなるのかどうかはわかりませんが、私は、この3Dアートをながめるのが好き。
目を平行法で焦点を合わせると、絵の中に立体が浮かび上がるのです。パソコンの画像にもたくさんの3Dアート作品が発表されていますが、私は紙の本が好き。
2階には椅子がなかったので、5冊を持って3階へ。一番好みにあいそうな絵柄のを買おうと思って、各ページを立体視していったら、5冊分けっこう時間がかかりました。
前は、このへんで一度、ジュンク堂4階のカフェへ行き、ドリンク無料券を出してコーヒーを飲んで一休みする、というのがコースでした。
本の合計額が1万円以上になると、本の宅配サービスかカフェ券のどちらかを選べたのです。むろん、私はカフェ券を選び、重たくても本は抱えて帰宅。そして、次にジュンク堂に寄ったとき、カフェ券を使ってコーヒーをのみながら、一休み、というのが楽しみでした。
いつだったか、カフェ券もって4階に行ったら、カフェ閉店だったので、ガ~ン。カフェ券無駄になったよう、と泣いた。
サービスカウンターに行って、岩波の「図書」、講談社の「本」などをもらいました。新潮社の「波」は品切れ。無料が好きな私、本屋ではこれらの無料出版販促情報本をもらうのが恒例。ただなのに、読み応えがあります。いつもは自分の趣味嗜好の本棚をながめて終わりにしてしまうけれど、これらの無料本には、自分の目が向かない分野の著者の書いた文章に出会うチャンス。
図書2月号。「シドッチの顔」について書かれた文章を興味深く読みました。
あとで調べてみれば、昨年11月に国立博物館が、シドッチの顔を復元したことは報道されていたのに、私ときたら、トランプの顔にばかり気を取られていて、このニュースに気づいていませんでした。
シドッチは、1708年、鎖国下の日本に潜入したイタリア人宣教師です。屋久島に上陸して捕らえられ、江戸に送られました。江戸では新井白石と面談し、白石と心を通わせるようになりました。白石は本来処刑となる宣教師を、キリシタン屋敷におき、囚人としてではなく、二十両五人扶持の給金を支給する措置をとりました。
シドッチとの面談により、白石は『西洋紀聞』『采覧異言』を執筆。以後、江戸幕府は蘭学を許すようになりました。シドッチと白石の友情がなければ、江戸幕府が蘭学を受け入れることも遅れ、日本の近代化ははるかに遅れたことでしょう。いわばシドッチは、日本近代化の恩人であるのに、これまで獄死したその墓の存在すら忘れられていたのです。
2014年に小石川キリシタン屋敷跡から3体の人骨が発見されました。骨のわずかなDNA分析により、1体はイタリア人であることが判明。シドッチと屋敷の世話係、長助とはる夫婦であることが確実と考えられています。
ばらばらになっていた遺骨の復元、そして頭骨から顔が復元されました。シドッチはやさしいおだやかな顔をしていました。

私は、白石の『西洋紀聞』を読んだことなかった。でも、シドッチのお顔がとても美しいので、西洋紀聞を読んでみたいなあと思いました。
本はいつも「よき友」です。白石とシドッチが心通わせたように、私も本の中の友と心通わせていたいです。
生身の私は、僻みねたみそねみのヤナやつなので友達少ないですが、本の中の友ならいくらでも対話できる。
シドッチさんとお話ししているうちに息子からメール。
池袋に来た息子といっしょに、家電量販店でテレビ用ヘッドホンを買う。今つかっているヘッドホンの左耳の音がでなくなったので、1400円にて新品を購入。オーディオ用のヘッドホンって、へぇ、5万円もするのがあるんだ。買わないけど。
息子はゲームにつかうのだというフィギュアを買いました。このフィギュアがあると、ゲームで使うアイテムが手に入るのだって。ようわからん世界だ。
革トートバッグを作り終えた娘と合流し、サンシャインアルパ食堂街の店で、オムライス&ケーキセットの晩ご飯。3人分で5000円。
今日の散財、革トートバッグ制作代金7000円也、ブックオフ432円也、てんや550円也、ジュンク堂サービス本ただ也、ヘッドホン1400円也。サンシャインアルパレストラン5000円也。しめて一日の出費14400円。あれま、けっこう大散財でしたわ。
トートバッグは私が制作費を出し、娘に作ってもらいました。最初の中国赴任時に、夏休みを中国ですごした娘と息子をかわいがってくれた知り合いにプレゼントする品。上手に出来て娘も満足。私はジュンク堂で一日すごして満足。息子はゲームフィギュア買って満足。三方よしで帰宅。
<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記2月(2)百円本、割引券天丼、無料販促本&シドッチの顔
11日土曜日、娘といっしょに池袋に行きました。娘が東急ハンズで革細工のトートバッグを作っている間の11時半から6時まで、私は池袋をぶらぶらしていることになりました。娘は「親がいっしょに来ているなんて恥ずかしいから、ハンズには来ないでよ。帰りにいっしょに晩ご飯食べるまで、ぶらぶらしててね」と、言います。最近の風潮だと、どこにでもいっしょにでかける母娘は「問題あり」と見なされるんだって。
息子は史学研究会に参加し、研究会が終わったら池袋で合流。晩ご飯を食べて帰る、という計画です。
池袋のひとり散歩。今日も「無料」を楽しむのココロ。
ます、ブックオフで100円本さがし。11時から11時45分まで。
100円だったら読んでもいいかなと思っていた姜尚中『悩む力 正続』など、新書を4冊。4冊でやめにしたのは、2月6日に新宿ブックオフで買った文庫本7冊もまだ読んでいないから。
百円本、好きだなあ。
西池袋公園のイベント「バレンタイン・ファンタジー池袋」やっていました。ちょこっとのぞいてみたら、休憩所がテントでしつらえてあり、石油ストーブがあったので、近くの椅子にすわり、12時から12時半まで、シャンソン歌手が歌うのを聴きました。冷たい風のなか、聴いているのはおもにお年寄り。シャンソンですから、あまり若者向きではないジャンル。「雪は降る」とか、冬向きの歌でますます冬気分。無料のシャンソンコンサート30分。
やっぱり外ですごすのは無理、と思って、南口をまわってジュンク堂へ向かう。
近くの「てんや」へ。1月18日に目黒駅前のてんやで天丼食べたら、ちょうどサービスデーで、100円割引券をもらいました。11日は、割引券があるから、500円の天丼にイカとナスを追加して腹ごしらえして、1時半。
それから延々6時までジュンク堂ですごしました。土曜日だからトークショウなどのイベントがあるかなと期待していたのですが、何もなかった。
池袋のジュンク堂は各階のエスカレーター脇に椅子がおいてあるので、立ち読みじゃなくて座り読みができるので、お気に入りの本屋です。1階のレジカウンターの移置が、前きたときと変わっていました。そういえば、ミャンマーに出かける前あたりから来ていなかった。古本屋ばかり行っていたので。
本をきっちり把握している店員さんがいるところもお気に入りの要素のひとつです。
今回はまず8階の芸術本売り場へ。写真集をいくつか籠に入れて、座り読み(読みじゃなくて、座りながめだけれど)
店員さんが通りかかったので、「あの、3Dアートの本は、このフロアにありますか」と尋ねる。店員さんは即座に「あ、それは2階の趣味健康のフロアの、目がよくなるアートの棚になります」と、教えてくれました。
うちの最寄り駅前の文教堂で、当時のベストセラーだった「『問題な日本語』という本ありますか」とたずねたら、店員さんは「あ、はい。こちらです」と、国語問題集などが並んでいる受験本の棚に案内してくれました。はあ、日本語問題集ではなくて、「問題な日本語」が欲しかったの。本を買うなら、本をよく知っていて本が大好きな店員さんがいる店で買いたいです。で、ジュンク堂や紀伊國屋が好きなんだけれど、新宿南口の紀伊國屋撤退。家具のニトリに変わりました。本屋、衰退産業なことは20年前から言われていたけれど、紀伊國屋でもダメなんですね。
1時間ほど8階で座り読み。写真集、重たいから買いません。図書館に行ったら借りようと思う本の題名だけながめる。
2階に移動。「家庭の医学」系統の書棚。「自分で治せる○○」などの棚に「ぐんぐん目がよくなる3Dアート」が並んでいました。ほんとうに目がよくなるのかどうかはわかりませんが、私は、この3Dアートをながめるのが好き。
目を平行法で焦点を合わせると、絵の中に立体が浮かび上がるのです。パソコンの画像にもたくさんの3Dアート作品が発表されていますが、私は紙の本が好き。
2階には椅子がなかったので、5冊を持って3階へ。一番好みにあいそうな絵柄のを買おうと思って、各ページを立体視していったら、5冊分けっこう時間がかかりました。
前は、このへんで一度、ジュンク堂4階のカフェへ行き、ドリンク無料券を出してコーヒーを飲んで一休みする、というのがコースでした。
本の合計額が1万円以上になると、本の宅配サービスかカフェ券のどちらかを選べたのです。むろん、私はカフェ券を選び、重たくても本は抱えて帰宅。そして、次にジュンク堂に寄ったとき、カフェ券を使ってコーヒーをのみながら、一休み、というのが楽しみでした。
いつだったか、カフェ券もって4階に行ったら、カフェ閉店だったので、ガ~ン。カフェ券無駄になったよう、と泣いた。
サービスカウンターに行って、岩波の「図書」、講談社の「本」などをもらいました。新潮社の「波」は品切れ。無料が好きな私、本屋ではこれらの無料出版販促情報本をもらうのが恒例。ただなのに、読み応えがあります。いつもは自分の趣味嗜好の本棚をながめて終わりにしてしまうけれど、これらの無料本には、自分の目が向かない分野の著者の書いた文章に出会うチャンス。
図書2月号。「シドッチの顔」について書かれた文章を興味深く読みました。
あとで調べてみれば、昨年11月に国立博物館が、シドッチの顔を復元したことは報道されていたのに、私ときたら、トランプの顔にばかり気を取られていて、このニュースに気づいていませんでした。
シドッチは、1708年、鎖国下の日本に潜入したイタリア人宣教師です。屋久島に上陸して捕らえられ、江戸に送られました。江戸では新井白石と面談し、白石と心を通わせるようになりました。白石は本来処刑となる宣教師を、キリシタン屋敷におき、囚人としてではなく、二十両五人扶持の給金を支給する措置をとりました。
シドッチとの面談により、白石は『西洋紀聞』『采覧異言』を執筆。以後、江戸幕府は蘭学を許すようになりました。シドッチと白石の友情がなければ、江戸幕府が蘭学を受け入れることも遅れ、日本の近代化ははるかに遅れたことでしょう。いわばシドッチは、日本近代化の恩人であるのに、これまで獄死したその墓の存在すら忘れられていたのです。
2014年に小石川キリシタン屋敷跡から3体の人骨が発見されました。骨のわずかなDNA分析により、1体はイタリア人であることが判明。シドッチと屋敷の世話係、長助とはる夫婦であることが確実と考えられています。
ばらばらになっていた遺骨の復元、そして頭骨から顔が復元されました。シドッチはやさしいおだやかな顔をしていました。

私は、白石の『西洋紀聞』を読んだことなかった。でも、シドッチのお顔がとても美しいので、西洋紀聞を読んでみたいなあと思いました。
本はいつも「よき友」です。白石とシドッチが心通わせたように、私も本の中の友と心通わせていたいです。
生身の私は、僻みねたみそねみのヤナやつなので友達少ないですが、本の中の友ならいくらでも対話できる。
シドッチさんとお話ししているうちに息子からメール。
池袋に来た息子といっしょに、家電量販店でテレビ用ヘッドホンを買う。今つかっているヘッドホンの左耳の音がでなくなったので、1400円にて新品を購入。オーディオ用のヘッドホンって、へぇ、5万円もするのがあるんだ。買わないけど。
息子はゲームにつかうのだというフィギュアを買いました。このフィギュアがあると、ゲームで使うアイテムが手に入るのだって。ようわからん世界だ。
革トートバッグを作り終えた娘と合流し、サンシャインアルパ食堂街の店で、オムライス&ケーキセットの晩ご飯。3人分で5000円。
今日の散財、革トートバッグ制作代金7000円也、ブックオフ432円也、てんや550円也、ジュンク堂サービス本ただ也、ヘッドホン1400円也。サンシャインアルパレストラン5000円也。しめて一日の出費14400円。あれま、けっこう大散財でしたわ。
トートバッグは私が制作費を出し、娘に作ってもらいました。最初の中国赴任時に、夏休みを中国ですごした娘と息子をかわいがってくれた知り合いにプレゼントする品。上手に出来て娘も満足。私はジュンク堂で一日すごして満足。息子はゲームフィギュア買って満足。三方よしで帰宅。
<つづく>