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ぽかぽか春庭「梅雨入り」

2017-06-06 00:00:01 | エッセイ、コラム
20170606
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>梅雨のことば(2)梅雨入り

 火曜日と水曜日は仕事の日だから降るな、と願えば、トモは「晴乞い」の踊りを踊ってくれたゆえ、水曜日は雨予報というのが一日延びて木曜日が雨みたい。ありがたし自転車で大学まで行けます。雨だと、地下鉄バス乗り継ぎで、時間は倍かかります。
 雨が降らなければ、稲も野菜も不作になるし、夏には水不足。降った方がいいのはわかっちゃいるけれど。

 それでも暑いのは苦手だから、梅雨寒のほうが真夏の猛暑日などよりはマシか。なんて勝手なことを言えるのも、天気が仕事の質にも量にもかかわらぬから言える我が儘であって、本来、天気気候が生活に密接に関わってきたからこそ、和歌にも連歌にも俳句にも季節が重要な要素になったのです。梅雨入りが生活に影響する人の割合も減ってはいると思いますが、季節に敏感でいたいと思っています。

 砂漠の国には、ラクダを著す単語が500もあるのに、日本語ではラクダはラクダ一語だけ。そのかわり、雨を表す単語が500もある。学生に見つけさせるのが今時の授業のひとつ。1年を通して雨のことばは山ほどあるが、つゆ時の雨のことば

 梅雨 五月雨 虎が雨 送り梅雨 戻り梅雨 空梅雨 麦雨 霖雨などなど。

 梅雨という語は中国語由来なので、中国人学生には「梅雨メイユゥ」違和感がありません。韓国人学生は「長霖チャンんマ」
 温帯モンスーン圏内には、梅雨が共通しています。
 熱帯の東南アジア圏だと、「雨期」と言っても、一日のうちダァッと一定時間豪雨が降ってさっと止んでしまうスコールが身になじんでいるので、日本のように一日中じとじとと降り続き、何日も雨続き、という雨期はさすがにうっとうしいようです。

 熱帯の雨期を経験したヤンゴン滞在。
 ミャンマー、ヤンゴンの雨期。傘はもっぱら日傘用。雨のときは、傘をさしても激しいスコールで結局ずぶ濡れになるので、雨が降り出したら、デパートやスーパーなどにかけこみ、1時間でも2時間でも雨が止むまで雨宿りするのが「正しい雨時の過ごし方」でした。雨が降っているときに外を歩いている人は、よほどの変わり者か、日本人。

 先日、30年後の東京の気温は4度以上上昇し、現在の屋久島の平均気温になっているだろう、という予報のニュースを見ました。さまざまな影響が生活にでてくるだろうと思います。それでも、トランプ氏は、経済優先の主張を変えず、パリ協定離脱を表明しています。たぶん、トランプタワーは冷房完備だから、気温が上昇しても問題ない、くらいの意識なのだろうと思います。
 
 今後百年で北半球中緯度(すなわち日本があるあたり)では5度から6度の気温上昇があるとして、絶滅する生物も多くなるそうです。人間は気温変動だけじゃ滅びないでしょうが、どうなるでしょうか。

 梅雨の季節になったら、雨が降り続く、これが季節のめぐりのありがたいところです。自転車に乗れないのはつらいけれど、雨の日には雨を大事に思いましょう。

草も木もしづかにて梅雨はじまりぬ 日野草城
夜の腕にかげろふ触れし梅雨入りかな 石田波郷

・ヤンゴンの男の腕や雨期に入る 春庭
・金色(こんじき)の仏の肩に雨落つる 春庭
・ニッポンの梅雨なりジトンと胸に落つ 春庭

<つづく>
コメント (4)
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