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ぽかぽか春庭「梅雨晴れ」

2017-06-08 00:00:01 | エッセイ、コラム
20170608
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>梅雨のことば(3)梅雨晴れ

 近頃の学生には、「さみだれ」の「さ」は「五月さつき」の「さ」と同じ、「みだれ」は「水垂れ」と、語源の一説を教え、「五月雨」は「梅雨」と同じと伝えます。
 しかし、若者言葉では、どうしてもサミダレは新暦五月に降る雨という気がするというのです。まあ、日本語もしだいにかわっていくのだから、それもそうかなと。

 前例があります。旧暦を使っていた頃、五月晴れは、梅雨晴れと同じでした。梅雨の合間に晴れる日、あるいは梅雨が終わってのちの晴れ。それが梅雨晴れ=旧暦五月の雨の間の晴れ間、でした。しかし、太陽暦五月が定着したあとは、「五月晴れ」を「新緑萌える五月のさわやかな晴れ」という解釈が広がっていき、今ではゴールデンウィークのニュースに「今日はみどりの日。緑美しい五月晴れです」なんて、お天気お姉さんも言っています。

 梅雨という語の初出も文献では江戸時代のことで、そう古い言葉ではなさそうだし。
 あと30年100年で、日本の気候も変動するでしょうから、言葉も世につれ。

鼓鳴る芝山内の五月晴れ 正岡子規
梅雨晴れの夕茜してすぐ消ゆる 高浜虚子
梅雨晴れの飛瀑芯までかがやけり 野澤節子

<つづく>

コメント (2)
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