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ぽかぽか春庭「フローラヤポニカ展 in 科学博物館」

2017-10-23 00:00:01 | エッセイ、コラム


20171023
ぽかぽか春庭@アート散歩>2017秋のアート(3)フローラヤポニカ展 in 科学博物館

 青い鳥さん宛ての3日に1枚、1ヶ月10枚の絵はがき。美術館で求めた名画絵はがきに絵画の感想を書いたり、花の絵はがきに花にまつわる蘊蓄を語ったり。書いてある文面は季節の挨拶などのたわいもないことばかりですが、11月末で800枚目になります。
 白金の植物園(国立科学博物館附属自然教育園)で買ったボタニカルアートの絵はがきも、季節のたよりに重宝しています。

 細密な植物の描写、日本では、江戸期には本草学(薬草採集を中心にした植物学)の出版が盛んだった伝統に加え、西洋流の博物学が江戸後期に知られるようになると、植物画がますます盛んに描かれるようになりました。
 長崎出島に医師として赴任し、博物学研究に打ち込んだシーボルト(1796-1866)の求めに応じて、日本人絵師川原慶賀は、数々の植物画を残しました。
 今年2017年5月には、埼玉県立美術館で川原慶賀の植物画を見て楽しみました。

今回の科博フローラヤポニカ展(9月12日~12月3日)は、イギリス・ロンドンにあるキュー王立植物園で、昨年2016年9月から今年2017年3月まで開催された「FLORA JAPONICA(フローラ ヤポニカ)」展の里帰り展です。

キュー王立植物園の紹介パネル


 キュー美術館の展覧会は、現在国内外で活躍する日本のボタニカルアートティスト35名による、日本に自生する植物を描いた作品が展示され、日本の植物画の質の高さが知られました。

 今回の科博企画展「フローラ ヤポニカ展」では、「日本人画家が描いた日本の植物」という副題で、ボタニカルアーティストの作品が展示されています。
 また、キュー植物園が所蔵する江戸時代以降出版された植物図鑑で現在も刊行が続いているカーティスボタニカルマガジン掲載のボタニカルアート原画も展示されていました。

科学博物館地階、フローラヤポニカ展の入り口


展示ブースでキュー植物園の紹介ビデオが放映されており、その中で「植物図鑑編集にあたって、写真では描写できなくて、植物画でなくてはならない理由」をキュレーターが語っていました。たとえば、植物の黒い種を写真に撮ると、ただ丸く黒く写るけれど、植物画なら、微妙な凹凸やタネの表面の微細な線もきちんと記録できる、のだそうです。

 キュー植物園に展示された中から選ばれた50点、どれも見事な仕上がりでした。植物画の完成には長い時間がかかるそうで、植物の採集、植物学者のチェックを受けながらの描写、彩色。綿密な作業に時間がかかり、完成までに数年かかった絵もあるのだとか。
 完成した絵は、生物学植物学の発展に寄与するだけでなく、立派なアート作品になっていると思います。

ホソカエデ


ギボウシ


ミシマシキミ属の一種


宮澤香代子「ウンシュウミカン」



 根気よく植物画を描き続けているボタニカルアーティスト、すばらしい方々と思います。
 私も科博ミュージアムショップで、気に入ったボタニカルアートの絵はがきを数点求めました。青い鳥さんに送りたいと思います。

<つづく>
コメント (2)
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